週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2008年 11月 19日号
ブラックフライデー、人気アウトレットがミッドナイト対決!
 今年もまたショッピング族には楽しい季節がやって来た。年に一度の 「全国一斉大バーゲンセールの日」 ともいえるブラックフライデーの到来だ。
 そして今年はサブプライム不況もどこ吹く風、いや不景気だからこそやるしかないのか、各モールや各店舗の間でくり広げられるバトルは激しさを増しており、その対決の時刻はまさに不夜城ラスベガスにふさわしい深夜の時間帯に移されようとしている。

 サンクスギビングデー (11月の第4木曜日。今年は11月27日) の翌日、つまり28日の 「ブラックフライデー」 と呼ばれる金曜日、人気ショッピングスポットとして知られるプレミアムアウトレットとファッションアウトレットは、どちらも同じ Midnight Madness というキャッチフレーズを掲げ、なんと深夜12時からバーゲンセールを行う。(この12時は、27日と28日の間の午前0時のことで、28日が終わるときの12時ではない)
 また、有名ブランド店は少ないものの、プレミアムアウトレットと同系列で地元民に人気のラスベガスアウトレットでも深夜12時から同様なセールが予定されている。(左上の写真はプレミアムアウトレット、右下の写真はファッションアウトレットで、それぞれ17日に撮影。クリックすると営業時間などの詳細がわかる)

 過去のこの時期の記事と重複するが、なにゆえこの時期にバーゲンセールなのか知らない人のために、あらためてこのブラックフライデーについてふれておきたい。
 「秋の収穫や神の恵みに感謝する日」 とされるサンクスギビングデーは、アメリカでは全国的な休日で、大多数の者はこの日に休みを取る。店も休むところが多く、街は総じて静かになりがちだ。では人々はこの日に何をするのか。一般的には、日ごろ離ればなれになっている家族や親戚が集まり再会を喜び合ったり、いわゆるターキーパーティーを開き、七面鳥などの料理に舌鼓を打つ。
 身寄りのない人たちや観光客にとっては退屈な日だが、がっかりするのはまだ早い。その翌日が楽しい。全米規模のイベント After Thanksgiving Sale が行われるからだ。

 単なるバーゲンセールといってしまえばそれまでだが、もはや晩秋の風物詩といった感じのこのセール、年々その規模や騒ぎぶりをエスカレートさせており、「全米の市民が一年で最も早起きをする日」 といわれるほどイベント化してきている。
 とにかくこのセールは朝が早く、6時、7時開店は当たり前で、最近は3時、4時開店も珍しくない。「早起きは三文の徳」 とは日本のことわざだが、アメリカ市民も 「早起きは三文の "得"」 を信じ、夜明け前から店に並ぶのがこの日のスタイルだ。(左上の写真は一昨年の早朝5時ごろ撮影)
 そして 2005年ごろから、この日は一年で最も小売業界の売り上げが多い日となり (かつては、クリスマス直前の土曜日だった)、「クリスマス商戦のキックオフの日」 として、景気動向を占う意味でも重要な日となりつつある。
 商人たちはこの 「アフターサンクスギビングセール」 を行う金曜日のことを、「この日ばかりはよく売れて黒字になる」、「この日からクリスマス商戦が始まり黒字になる」 ということから 「ブラックフライデー」 と呼ぶようになり、そしていつの日からか一般市民の間でもこの表現が使われるようになった。

 セールを行うのはショッピングモールに限ったことではない。家電、アパレル、家庭雑貨など、それぞれの分野の大型流通チエーン店、さらには百貨店もこのイベントに参加する。つまり小さな個人商店以外はなんらかのセールをやると考えてよい。
 昨年のラスベガス地域での平均的な開店時刻は早朝5時か6時といったところだが、今年はなんと冒頭でふれたとおり、アウトレットが深夜12時にオープンするというから驚きだ。

 では具体的にはどんなことが真夜中に行われるのか。一般的には、「開店後1時間だけセール価格からさらに 50% OFF」、「8時まで、一つ買うと、もうひとつがタダ」、「先着100名様に記念品をプレゼント」 といったたぐいのセールが行われ、たぶん深夜12時でも一部の人気店には長蛇の列ができるはずだ。
 たとえば一昨年の例では、コーチ (COACH) の前には朝5時の開店前から100人以上が並び、開店後も店に入りきれない客が長蛇の列を作っていた (写真左上)。ただ、勝ち組みと負け組みに分かれる傾向にあるのか、すいている店も目立ち、すべての店に行列ができるわけではない。
 また、モール全体を管理する運営会社が 「深夜12時開店」 を宣言しても、すべての店がそれに従うとは限らず、全店舗がその時間にオープンするとは考えないほうがいいだろう。
 ちなみにプレミアムアウトレットもファッションアウトレットも、それぞれの運営会社に確認したところ、 「ほとんどのテナントは12時に店を開けるはず」 としている。
 それでも、「笛吹けども踊らず」 といった感じのノリの悪い店は必ず出てくると思われるが、それとは逆に、元気がよすぎてフライングぎみのことを計画している店もあるからおもしろい。個々の店に直接訪問取材したところ、「うちは前の晩の10時から開けちゃうかも」 といった気合十分な店が何軒かあった。そうなると、もはやアフターサンクスギビングセールではなくサンクスギビングセールということになるが、この 「開業時間の繰上げ競争」 は今後どこまでエスカレートするのか、興味が尽きないところだ。

 なにやら楽しそうなブラックフライデーだが、「欲しくもない在庫処分品のオマケをくれるだけ」、「先着50名とかに入れなければ通常のセールと大差なし」 といったさめた意見があるのも事実。
 それでも 「9割引」 といった激安セール (もちろん数量限定) が行われたりすることもあるので、ショッピングが好きな者はとりあえず足を運んでみるとよいだろう。仮に買うようなものがなくても、このアメリカの風物詩を体験するだけでも十分に意義があるはずだ。

 さて、プレミアムアウトレットとファッションアウトレットのどちらに行くべきか (ラスベガスアウトレットは観光客にあまり人気がないので、今回の話題からは除外)。
 基本的には、好きなブランドの店がどっちにあるか、もしくはどっちに多いか、ということになるが (プレミアムアウトレットとファッションアウトレットの店舗リスト ← クリック)、この2つのアウトレットは以下のようにさまざまな部分で異なっているので、事前にきちんと研究しておいたほうがよいだろう。
 たとえば、プレミアムはホテル街からタクシーで約10分ほどの近い場所にあるが、ファッションは非常に遠く、専用シャトルバスで45分ほどかかる。
 一方、前者は屋外施設なので、この時期の深夜は冷え込む可能性があるが、後者はすべての施設が屋内空間にあるのでその種の心配はない。また、後者はカジノホテル (プリムバレーリゾート) に隣接しているので、ショッピングをしない連れはカジノなどで遊んで待つことも可能だ。さらに同じブランドの同じ商品なら、多くの場合、ファッションアウトレットのほうがやや安いという傾向がある (詳しくはバックナンバー615号の記事を参照のこと)。その代わり、店舗数はプレミアムのほうが倍近く多く、この違いは無視できない。どちらにすべきか非常に悩むところだ。

 行き方はプレミアムの場合、レンタカーを利用しない限りタクシーが断然便利だ。仮に英語が苦手でも運転手に Premium Outlets と紙に書いて見せればそれでわかってもらえる。
 運賃は乗車するホテルの位置などにもよるが、ストリップ地区の中心街からなら片道約15ドル前後 (それに約15%前後のチップが必要)。帰りのタクシーも専用の乗り場があるのでなんら問題はない。
 一方、ファッションアウトレットは片道約60kmもあるので、タクシーは経済的でないばかりか、帰りに車がなかなか来ないという問題もあり、レンタカーを借りない限り、専用シャトルを利用するのが現実的だ。
 幸いにもそのシャトル、このブラックフライデーの深夜便に限り運賃は無料となっている (通常は片道$15)。ただし無料といえども予約制で乗車券を受け取る必要があるので、まずはその乗車券売り場まで行く必要がある。乗車券売り場も乗り場も MGMグランドホテルにあり、出発時刻は27日の 11:15pm と 11:45pm。つまり移動している間にブラックフライデーになるというわけだ。
 乗車券売り場への行き方は、まず MGMグランドのメインロビー(チェックインやチェックアウトを行うロビー。ストリップ大通り側からは館内で一番遠い位置にある) から、タクシーなどが停車する正面玄関のドアの方向に向かって歩き、そのドアのすぐ左側にあるエスカレーターで地下のショッピング街 「スターレーンショップス」 に下りる。下りたら道なりに約30メートルほど進むと右側に Houdini's Magic Shop という手品グッズを売る店が見えてくるので、その店の向かい側が乗車券を販売する目的のデスクだ。なお、満席になった場合は乗ることができないので (車輌を追加するという話もあるが、何台追加するのかは不明)、事前に現場へ行って早めに予約しておいたほうがよいだろう。なお、乗車場所までは乗車券売り場のスタッフが誘導してくれるので、自力で向かう必要はない。


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