週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2008年 05月 21日号
62才、驚異のプロポーション! シェール at シーザーズパレス
 シェールのショーがシーザーズパレスのコロシアムで始まった。
(写真右側の円形の建物がコロシアム、左はシェールの広告塔。クリックで拡大表示)

 このコロシアムは、昨年までセリーヌディオンが使っていた会場として知られるが、現在はエルトンジョンとベットミドラーが交互に使っており、そこにこのたびシェールが加わったことになる。つまり 5月はシェール、6月は前半がエルトンジョン、後半および7月がベットミドラー、8月がまたシェールといったように、今後は3人で数週間ごとに使い分ける。(詳しい公演日程はこのページの最後に)

 2ヵ月前にこのセクションで取り上げたベットミドラーの記事の際にも同じようなことを書いたが、この種のショー (コンサート) の評価はむずかしい。観る側がその主役のファンかどうかで、感じ方がまるでちがってくるからだ。また、歌われる曲を知っているかどうかでも楽しみがまったく異なってくる。
 ちなみに日本の中年以上の世代にとってのシェールは "悲しきジプシー" ( "Gypsies, Tramps and Thieves"、1971年) だが、若い世代にとってはそんな曲は聴いたこともなく、シェールといえば "ビリーヴ" ("Believe"、1998年) ということになるはずだ。
 また、シェールの場合、本人自体をよく知っている者と、まったく知らない者が極端に分かれる傾向にあり (少なくとも日本では)、同じような時代に活躍してきたバーブラストライサンド、ダイアナロス、ライザミネリなどと比べると、一般大衆に対する認知度は決して高くない。
 そんな背景もあり、このショーを観る前はどのように紹介すべきかあれこれ悩んだりした部分も少なからずあったが、実際に公演を観てみるとそれら不安や悩みはすぐに解消した。ファンならずとも、だれが観ても楽しめるわかりやすい万人向けのショーだったからだ。

 正直言って、全盛期を過ぎた 62才という年齢のシェールにあまり大きな期待はしていなかった。しかし、とてもその年齢とは思えないセクシーなプロポーションと、全盛期に勝るとも劣らないパワーには、ただただ圧倒されるばかりだった。
 また、1曲歌い終えるごとに衣装を変えるという、まるでファッションショー並みの演出も観ている者を飽きさせず、ゴージャスな衣装からセクシーな衣装、さらにはジーンズなどのカジュアルからインディアンの民族衣装まで非常に多彩だ。そしてその多くが、大胆ともいえるほど肌を露出させた独創的な衣装で、若いバックダンサーたちに引けを取らない華麗な容姿を思う存分披露してくれる。日ごろの体力づくりや健康管理の成果か、歌唱力もまったく衰えていない。

 曲と曲の間は衣装交換のためシェール自身はステージから消えることになるが、その間の演出も実にバラエティーに富んでいておもしろい。ステージの奥にある巨大スクリーンに茶目っ気あふれる彼女のビデオ映像やコミカルな寸劇、さらには彼女が女優として活躍していたころの懐かしい映画のワンシーンなどが映し出されるばかりか、ミスティアやオウに勝るとも劣らない高度なレベルのアクロバットがライブで何度も披露される。
 トークの部分が少ないのも、非英語圏の観客にとってはうれしい。コミカルなトークが非常に多いベットミドラーのショーに比べ英語力はそれほど必要とせず、日本人にとっても理解しやすい。(ただし開始直後の10分間ほどは、彼女がしゃべり続ける部分がある)
 結局このショーは、歌を聴きながらファッションショーやアクロバットも満喫できる、まさに 「目でも楽しめるコンサート」 といってよいだろう。

 生バンドはステージの右側にキーボード担当者が2人、ステージ左側にリードギターとベースギター、それにドラムの合計5人。比較的小さな編成だが、物足りないといった印象はない。
 披露される曲は、前述の Gypsies, Tramps and Thieves、Believe の他、Dark Lady、The Way of Love、If I Could Turn Back Time、I Got You Babe など約20曲。エンディングは Believe で、紙吹雪とともに幕となる。
 マイナスの部分は特にないが、強いてあげれば、彼女自信が非常に優等生的な完成度の高いエンターテーナーを演じてしまっているため、本来の持ち味である 「異質」、「くせもの」 といったキャラクターがあまり感じられないことと、インディアンの血を引くとされる彼女が放つエキゾチックな雰囲気や神秘性が、華やかな演出の中に埋没してしまっていたことぐらいか。
 なお、これは会場に関してだが、冷房が効きすぎていて寒いと感じる可能性が非常に高い。この時期はすでに多くの観客が短パンに Tシャツといった軽装だが、日本人の感覚だとそれでは寒すぎる。長袖も忘れないようにしたい。

 チケットは www.ticketmaster.com で事前に申し込み、劇場前のボックスオフィスで現物を受け取ることになる。公演日は以下の表の通りで、開演時間は 7:30pm。
 料金は10%のライブエンターテーメント税を入れて $95、$140、$175、$250 の4種類。ただし実際には、これら料金に Convenience Charge、Order Processing Fee などと称する手数料が加算され $15 程度が上乗せされる。それら手数料を避けたければチケットマスターのサイトを使わずに、現場のボックスオフィスへ行けばよいが、当日券は売り切れの可能性が高い。(キャンセル待ちという方法もあるが)
 なお、シェールのショーに限らず、この会場は非常に広く、安い席の場合はステージからかなり遠いため、双眼鏡を持参するようにしたい。
 ところで余談になるが、電話予約などのときのための知識として 「シェール」 の発音について。英語での発音は 「シェア」 に近い。日本語の 「シェール」 ではまったく通じないので注意が必要だ。
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は Cher、 は Elton John、 はBette Midler の各公演日。

[ 所持品検査に関する注意 ]
 劇場に入る際、空港の金属探知機と同じようなゲートを通過させられる。しかし、これはまったく機能していないのか、車のキーなどをポケットに入れていても何も反応しない。監視しているのはナイフなどの武器ではなくカメラの持ち込みで、現場スタッフがハンドバッグなどの中身を手作業でチェックし、見つかればその場で預けさせられる。それ自体は特に問題ないが、ショーが終了したのち、ボックスオフィス(チケット売り場)でカメラを受け取ることになり、そこには行列ができてかなり待たされるので、ショー終了後に時間的余裕がない者は、カメラはあらかじめ部屋などに置いておいたほうがよいだろう。ちなみにカメラ付き携帯電話の持ち込みはOK。もちろん携帯電話での撮影がOKという意味ではない。


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