週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2008年 04月 16日号
トップレスかゴージャスか、「おとなのプール」 が新たなトレンドに
 灼熱の砂漠都市ラスベガスの夏は早い。すでにどこのホテルのプールも全開だ。
 まるで遊園地のプールと見まちがえるほどの巨大な施設は、それ自体がこの街を象徴するアトラクション。これからの季節、そんなプールは多くの観光客にとってホテルライフの中の重要な要素となるにちがいない。(右の写真はミラージホテルの一般用のプール)

 しかし今回紹介する2つのプールは、そんな一般的な施設ではない。アダルト専用の特別仕様だ。
 そのひとつは上半身裸になってもかまわないいわゆるトップレスプールの Bare (写真左)、そしてもうひとつが先週の木曜日にオープンした超ゴージャスプール Wet Republic で、どちらもアダルトオンリー (21歳未満不可) をウリにしている。

 まずは Bare についてだが、これは昨年ミラージホテルの一般プールの脇にオープンした施設で、知名度が日増しにアップしてきているのか、今年は早くも昨年以上の賑わいを見せている。
 「日焼けのラインを無くそう!」 といった粋なキャッチコピー (写真右) で話題を集めるプールだが、ラスベガスにおけるトップレスプールはここが初めてというわけではない。
 マンダレイベイの Moorea Beach (487号の記事で紹介済み)、シーザーズパレスの The Venus Pool、そしてウィンのプール施設の一部もトップレスOKだ。

 そんな中、この Bare は活気や熱気という意味で他を圧倒している。それもそのはず、ラスベガス屈指の人気ナイトクラブ JET や Bank と同じ会社 Light Group による運営で、入場のシステムや料金体系もナイトクラブのコンセプトをそのまま踏襲し、さらに客の年齢層や入場目的もクラブとほとんど同じにしているからだ。つまり、ヤングアダルトがナンパ目的で集まっているというわけで、早い話が、活気あふれるナイトクラブの営業時間を夜から昼に移し、場所を屋内から屋外に移動させたようなものと考えればよいだろう。
 DJ付きのにぎやかなミュージックや、アルコール類を昼間からガンガン飲むところもナイトクラブとまったく同様で、ちがうのは、客が水着姿ということぐらいか。ちなみにトップレスになっている女性の数は期待に反して 10人に1人ぐらいでかなり少数派だ。

 なお、左上の写真は人がいない時のものなので、実際の様子を想像するのはむずかしいかもしれないが (客の顔がわかる写真の掲載許可がもらえなかったため、営業中の全体像の写真掲載は断念)、通常は、よほど天気が悪い場合や営業開始直後の時間帯を除き、ごった返すほど込んでいる。
 つまり、ナンパしたい者が集まるところにナンパされたい者が集まる、という当たり前の図式に基づくマーケティングで集客に大成功しているというわけだ。そのへんのからくりもナイトクラブとまったく同じで、収益はナンパしたい者から集めるのが基本、つまり女性は無料かそれに近い格安料金で、男性の入場料は非常に高い (40ドル以上が普通)。

 ビーチチェアやビーチベッドの使用料 (時間制ではなく1日)、およびドリンクや軽食代 (多くの場合、男性が負担) も驚くほど高く、ちなみに取材日 (11日) のビーチベッドは 350ドル、それに最低 300ドルの飲食が求められ、経済的な余力がないとナンパもむずかしいことがうかがえる。
 だからといって出費をケチってチェアやベッドを確保しないときびしい世界が待っている。リラックスできる自分の拠点を確保できず、プールサイドに立ちっぱなしか、座り込むか、水中にいるしかない。これでは女性は寄ってこない。さように男性は無理してでも高い料金を払うというわけだ。
 もちろん拠点がない者でもカクテルなどを買って女性にプレゼントなどということは可能だが、ドリンクや軽食の料金も、各種カクテルが15ドル、サラダ類が17ドル前後、サンドイッチやピザが18ドル前後、アイスクリームが10ドルと決して安くない。
 一方、いくら安くないといっても、それらアイテムだけでは、カバナを持つ者が最低飲食費をクリアするのはむずかしいので、彼らはスコッチウィスキーなどのボトル (1本最低 375ドルから) をオーダーすることになる。
 なお、ドリンクや軽食類以外の料金は、その日の需要と供給のバランスなどを見ながら臨機応変に決められるので定価というようなものは存在していない。

 営業時間は原則として木曜日から月曜日の 11:00am〜6:00pm (火、水は休み)。
 6:00pm に閉店とはずいぶん早いようにも思えるが、うまく意気投合したカップルは6時までにこの場を離れレストランで食事をしたあとナイトクラブ JET に集まれ、ということのようだ。
 なお、ミラージホテルの宿泊者以外でも入場できるが、宿泊者だからといって無料になるわけではなく、むしろ地元民の女性 (入場時に運転免許証などの提示が求められる) が無料になったりすることのほうが多い。このへんの方針は、「宿泊者は無料だが宿泊していない者は利用できない」 といった一般のプールとはまったく異なることになる。

 さて Bare の話が長くなってしまったが、先週の木曜日に MGMグランドにオープンした Wet Republic は、新しいということもあり、いま最も注目されているプールだ。
 新しすぎて撮影の許可が間に合わなかったばかりか、広報部門側でも配給用の写真の準備がまだで、写真で紹介することが出来ないのが非常に残念だが (右上の写真は、従来からあるMGMの一般のプール。白く見える壁の向こう側のエリアが Wet Republic)、Bare よりもこちらの方が施設的にははるかに豪華で広さもゆったりしている。また、トップレスを認めていないということから来る先入観もあってか、明るく健康的な印象を受けるのも特徴だ。
 とにかくゴージャスでリッチな雰囲気が漂っているところは大いに評価したいが、料金も非常にリッチなのがいただけない。ちなみにカバナ (テレビ、冷蔵庫、ベッドなどを備えた日よけ用の個室) の料金は 500ドル、これになんと最低 1500ドルの飲食費が求められる。さらにスーパーカバナもしくはバンガローと呼ばれる豪華なカバナ (52インチプラズマディスプレイ、i-Pod、ブルーレイディスクプレーヤー、冷蔵庫などを装備) は 750ドル + 1500ドルの飲食費。ホテルの一般的なスイートルームよりも高い。ここまで来るとクレージーとしかいいようがないが、それでも売れるところが興味深い。
 なお、ビーチベッドは Bare よりもやや安く 300ドル + 50ドルの飲食費、ビーチチェアが 50ドル + 50ドルの飲食費。もちろんこれら料金は取材時 (12日) のもので、日によって変わる可能性がある。入場料も変動するが、取材時は女性無料、男性 20ドルだった。ちなみに食べ物や飲み物の料金表の中に 15,000ドルのレミーマルタンがリストされていたのには驚いた。

 結局、運営の基本コンセプトは Bare となんら変わらず、すべてがナイトクラブの延長線上にあると考えてよい。ちなみにこの施設の運営は、MGMグランド内にあるナイトクラブ Studio-54 とウルトララウンジ Tabu と同じ部門が担当している。
 まだ営業開始直後のため営業時間などは流動的だか、現時点ではとりあえず休日無しの 10:00am〜6:00pm を予定しており、Bare 同様、宿泊者以外でも利用可能だ。
 なお、このプールへのアクセスは少々めんどくさい。通常のプールのさらに奥にあるわけだが、通常のプールを経由してアクセスする場合、宿泊者以外は通常のプールへ入ることができないため (ルームキーの提示が求められるので)、別ルートで直接アクセスする必要がある。以下がその道順だ。
 MGMのカジノフロアから、スタジオウォークと呼ばれる通路(レストランなどが並ぶ通路)をひたすら進み、終点の場所でエスカレーターもしくは階段でひとつ下の階へ降りると、そこが普通のプール施設への入口になっているわけだが、そこではプール方向には進まずに、右手方向を見る。
 そして Conference Center と書かれている廊下に進入し、さらに 100メートルほどその廊下を進む (常に左手方向にプール施設を見ながら進むことになる)。コンファレンスセンターに到着する直前で [Wet Republic] と書かれている案内板が見えてくるはずなので、それにしたがって左折する形で屋外に出て、さらに 50メートルほど進むと Wet Republic の入口に到着する。右上の写真は、その入口付近の様子。入口ではナイトクラブと同じような年齢チェックや身なりや人相のチェックがあり、運営側が入場拒否の権利は常に持っているので、だれもが中へ入れるとは限らない。


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