週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2008年 01月 23日号
パラッツォが正式オープン、客室内を徹底チェック!
 先週 1月17日、ベネシアンホテルの新館として建てられた大型ホテル PALAZZO (3068室) が正式にオープンした。
 「正式」 というからには、「非正式」 もあったことになるが、それは3週間前のこのコーナーで取り上げた 「ソフトオープン」 (未完成の部分を残したままの見切り発車的な開業) で、そのときはカジノ施設と一部のショップだけの開業だった。
 このたびの正式オープンでは、もちろん客室も使えるようになったわけだが、実はまだすべての施設が完成したわけではない。併設されているショッピングモールでは多くの店が準備中で、レストランの一部、そして SPA、フィットネスセンター、プールなども未完成だ。
 ならばまだソフトオープンということになるが、「決め」 なので仕方がない。ソフトオープンとははっきり区別し、前から 1月17日を正式な開業日と決め、花火を打ち上げるなど、各種の開業記念イベントも行ってしまったのである。
 ということで、ショッピングモールやレストランなどはまた日を改めるとして、今週は正式にオープンしたばかりの同ホテルの客室についてのみレポートしてみたい。

 客室は、ベネシアンホテルと同様、すべてがスイートルーム形式になっている。
 といっても一部の高級ルームを除き、大多数の標準ルームは、ベッドルームとリビングルームがはっきり分かれている正式なスイートではなく、いわゆる "ミニスイート" もしくは "ジュニアスイート" などと呼ばれるタイプで、ベッドルームとリビングルームの間に階段 (2ステップ。写真右、クリックで拡大表示) を設けることによって視覚的に区切った疑似的なスイートだ。

 [魚眼レンズ写真 1]  [魚眼レンズ写真 2]  [魚眼レンズ写真 3]

 結局、間取りも広さも色も、ベネシアンホテルとほぼ同じで、両ホテルの間に 「格の差」 はほとんどないと考えてよいだろう。実際に宿泊レートを比較してみても、日によって多少のばらつきはあるものの、両ホテルの間に大きな料金差は見られない。

 ではその標準ルームの細い部分を見てみよう。まずベッドルームだが、狭くもなく広くもなくちょうど落ち着けるサイズで心地よい。
 足元側の壁には、リビングルームのテレビとは別に 42インチのLCDテレビが設置され (写真右。ホテルの公式サイトでは32インチとなっているが、実際には42インチ)、枕もとの袖のテーブルにはMP3も再生可能なCDプレーヤー付きの目覚ましラジオ時計が置かれている。
 このベッドルームで唯一気になった部分は、ベッドで本や新聞を読む際の照明だ。両袖のテーブルにスタンドが置かれているのではなく、天井に設置されたかなり明るい3つのスポットライトによる照明で (写真左)、またそれに調光器が付いていないため、角度的にも明るさ的にも非常にまぶしいばかりか、文字の部分を照らすことにはまったく役に立っていない。
 ベッド脇にあるクローゼットは、特に大きいわけではないが、ハンガーの数も十分で、利用において支障はない。そのクローゼットの中にはアイロンおよび折りたたみ式のアイロン台、そしてランドリーサービス用のリクエストフォームが置かれている。(ランドリーサービスの料金表

 リビングルーム (写真右) には、かなり大き目のL字型のソファーを中心に、 32インチのLCDテレビDVDプレーヤー冷蔵庫 (ミニバー)金庫カクテルテーブル事務デスク電話ネット接続 (無線&有線)ファックス&プリンター&スキャナーなどが置かれている。
 テレビのチャンネルを 62 にセットすれば、NHKの海外向け衛星放送 (TV Japan) を見ることができ、アメリカにいてこんな番組も視聴可能だ。(放送局リストとそのチャンネル番号
 冷蔵庫はベネシアンホテルでも悪名高き自動課金システムがこちらでも採用されており、コーラやビールのボトルを動かすと課金されてしまうので注意が必要だ。チェックインの際に、そのことに同意する書類にサインさせられるので (紙の書類にサインするのではなく、小さな端末に表示された契約書に電子的にサイン)、あとになって 「知らなかった」 というわけにはいかない。それにしてもそんな厳格なシステムの注意書き (冷蔵庫の内側に書かれている) が、なぜこんな日本語になってしまうのか理解に苦しむ。(料金表はこちらをクリック
 金庫 (写真左) はすばらしい。ほとんどのホテルの金庫は扉式だが、ここのものは引き出し式で、十分なスペースがあるばかりか(少々大きなノートブックパソコンでも楽に入る)、内部にはコンセントがあり、パソコンを保管中に充電できるようになっている。
 日本などから自分の部屋にファックスを送信してもらう場合は、ファックス機に書かれている番号 (もちろんこの番号は部屋ごとに異なる) を相手に教える。現場に置いてある説明書によると、受信にも1分 $0.95 の料金がかかるようになっているが、現在は開業直後のためなのか、なぜか受信は無料とのこと。
 ファックス機をプリンターやコピー機として使用するのは無料。プリンター接続のためのUSBケーブルは用意されているが、プリンタードライバーは現場に書かれている方法で各自ダウンロードする必要がある。
 外線への電話料金はべらぼうに高いので注意が必要だ。市内通話やフリーダイヤルへの通話は1通話1ドルなので常識の範囲内だが、市外および国際通話は 「1ドル + AT&T のオペレーターアシスト通話の昼の料金の30%増し」 という想像を絶する料金なので、あらかじめ覚悟しておく必要がある。調べてはいないが、とんでもない料金になるはずだ。
 ネット接続は、無線にしろ有線にしろ、ブラウザを立ち上げ外部のサイトにアクセスしようとすると自動的に専用画面が表示され、あとはその画面の指示に従うだけなので (画面1画面2画面3)、 特にむずかしいことはない。具体的には、画面1ではアクセスコードを入力して [Continue] をクリック、次の画面2では料金プラン $9.95 (24時間) を選択し [Next] をクリック、最後の画面3 では料金体系その他のルールに同意したのち [Accept Charges] をクリックすると接続が完了する。ちなみにアクセスコードとは、自分の部屋番号と自分の姓の最初の3文字のこと。つまり部屋の番号が 12345 で、名前が鈴木だった場合は 12345suz がアクセスコードということになる。

 L字型のソファー (写真右) はベッドにもなるので覚えておくと便利だ。右の写真の左側の2つのクッションを取り除くと、そこにはベッドが隠されているので、あとはそれを引っ張り出すだけだ。10秒もあれば女性の力でも簡単にベッドをセットアップすることができる。ただし、枕や毛布はないので、担当スタッフに持ってきてもらう必要がある。

 バスルームはシンクが2つあるので (写真左)、二人が同時に洗面を済ませることができ便利だ。シンクの上には 20インチのLCDテレビがあり (広報資料では 14インチ)、バスタブの中から見ることができるようになっている。
 トイレ内にはこの部屋3台目となる電話があり、また化粧台には照明つき拡大鏡シンクの下には体重計が用意されている。
 バスタブはアメリカのものとしては適度に深さがあり悪くない。よほど長身の者でない限り、肩までゆっくり浸かることができるはずだ。
 バスタブと並んでシャワーブースもあり使いやすい。シャワーヘッドは大きさ的には十分だが、あいにく固定式で動かすことはできない。(アメリカではそれが一般的)
 シャワーブースのガラスの扉につるしてあるローブには、持ち帰ると罰金、いや代金 $65 と書かれている。つまり、チェックインの際に提示しているクレジットカードに請求されるというわけだ。余談だが、持ち帰るといえば、バスタオルなどを記念に持ち帰ってしまう輩があとを絶たないため、最近はバスタオルなどにホテル名などのロゴを入れないのが一般的となっており、このホテルも例外ではない。

 消耗備品 (日本でいうところのアメニティー) は左写真の左上から時計回りにヘチマ、バスソルト、ラグジュアリーソープ、フェイシャルソープ、コンディショナー、シャンプー、バス&ボディーローション、バス&シャワージェル。
 その他、想像可能な範囲のほとんどの消耗品、たとえば風邪薬、カミソリ、バンドエイドから生理用品、コンドームまで、ありとあらゆるものが用意されているが、それらは商品リストとしてバスルームに置かれているだけで、現物はない。内線電話で持ってきてもらうことになるがすべて有料。(料金表のごく一部

 ベッドルームのテレビの下にあるタンスは引き出しがあまり大きくなく使い勝手が悪い。それよりもこのタンス、その上部が常に明るく幻想的に光っているので (写真右)、「部屋が真っ暗じゃないと寝ることができない」 という者はこの明かりが気になるはずだ。が、消すことができるので心配無用。小さくて見つけにくいスイッチだが、向かって左側の側面にちゃんとある。
 あと、もうひとつ知っておいたほうがいいのは、アイスマシンの場所。廊下をいくら歩いてもなかなか見つけることができない。それもそのはず、各部屋の番号プレートとまったく同じサイズ、同じデザインの標識で、なおかつ似たような番号がふられており、さらに入口のドアも各部屋のドアとまったく同じになっている。したがって、すべての部屋の番号プレートをじっくり見ながら廊下を歩かないと見つけることができない。たぶん近日中に改善されると思われるが、とりあえず今は知っておく必要がある。もちろん氷は無料だ。
 カーテンは電動式になっており、リモコン操作で開閉できる空調も自由に操作できるが温度表示は華氏だ
 枕元やベッド脇に置かれているチョコレートはベルギー製で一般のアメリカのチョコレートに比べかなりまともな味。

 あれこれ細かいことをいろいろ書いてきたが、総じて使い勝手がよく、よいホテルだと思う。建設作業員の手抜き作業などがところどころで散見され、塗装や取り付けなどの部分で雑なところも目に付くが、そこはアメリカ、ご愛嬌といったところか。細かい部分に目をつぶれば泊まって後悔するようなホテルではないだろう。
 なお冒頭で 「新館」 という言葉を使ったが、ベネシアンホテルの新館であるならばホテル名はベネシアンでいいはずだが実際はパラッツォだ。ならば新館という概念は忘れ、独立したホテルと考えるべきだが、この両ホテルの場合、他の系列ホテルとは少々ちがった事情がある。(右写真、右がベネシアン、左がパラッツォ)
 たとえば、MGMグランドとベラージオは同じ会社による運営だが、まったく独立したホテルで、シーザーズパレスとフラミンゴにも同様なことがいえる。
 しかしベネシアンとパラッツォの場合、やはり本館と新館という概念が常に付きまとう。その理由は、カジノライセンスなどの取得において、同一ホテルとして申請し当局から許可を得ているからだ。
 そうすることによって、規則で定められた管理責任者などをそれぞれのホテルに別々に置く必要がなく、管理部門を共通化でき経費を節約できるというわけだ。これと同じ手法で運営されているのはバリーズとパリスで、やはり表向きのホテル名は異なるが内部組織の多くは共有されている。
 そのようなわけで、とにかく客室が似ているだけでなく、ベネシアンとパラッツォは切っても切り離せない関係にあるということを覚えておこう。
 さて最後に、このホテル名を 「パラッツォ」 と表記してきたが、現場スタッフなどのほとんどは、イタリア語的な 「ツォ」 という発音をせずに、ただ単に 「パラゾ」 と発音している (アクセントは真ん中の 「ラ」)。日本人観光客がタクシーなどを利用する際に確実に通じるようにするためにはなるべく現場の発音に近いほうがよいので、「パラゾ」 と書くべきだが、「パラゾ」 だと 「パ」 にアクセントを置いてしまうため、「パラッゾ」 か 「パラッツォ」 のほうが問題が少なくてよい。そして、最後の部分を 「ツォ」 と発音している者も実際にいることと、そのように発音しても確実に通じること、そしてなによりイタリア語に敬意を表して 「パラッツォ」 と書くことにした。


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