週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2007年 10月 17日号
空軍創立60周年記念、マニアならずとも必見の航空ショー
 ラスベガス郊外にあるネリス空軍基地で毎年秋に開催される航空ショー Nellis Air Force Base Las Vegas Air Show は、航空マニア、軍事マニアなどにとっては 「垂涎の的」 ともいえる超ビッグなイベントだが、今年はさらにアメリカ空軍創立60周年記念ということで、例年以上に盛り上がりそうだ。(空軍は、第二次世界大戦後に海軍と陸軍から切り離され独立組織となった)

 ネリス空軍基地は、世界最強といわれているアクロバット飛行隊 「サンダーバーズ」 の本拠地であると同時に、世界で最も機密性が高い謎の軍事施設 「グルームレイク空軍基地」 (通称 "エリア51") と非常に緊密な関係にある基地として知られ、西海岸地区はもとより米国全土の防空戦略の要所となっている。
 そんな基地へアクセスできる貴重なチャンスが、この航空ショーで、マニアにとっては言うに及ばず、ラスベガス市民にとっても家族みんなで見に行く地域密着型の恒例行事としてすっかり定着しており、もはや秋の風物詩といった感じだ。また最近は一般の日本人観光客の間でも知られるようになってきたのか、この時期に合わせてラスベガスにやって来る日本人も少なくない。

 今年の開催は 11月10日と11日。見どころは例年同様、各種さまざまな軍用機のデモ飛行や展示、そしてメインイベントである 「サンダーバーズ」 の華麗なる航空ショー (写真右) ということになるが、今年は 60周年記念ということでいつも以上のイベントが予定されている。その詳しい内容は公式サイト www.aviationnation.org に掲載されているが、まだ演出の順番などは最終確定していない。今後決まり次第、そのサイトで発表される予定なので、興味がある者はこまめにチェックするとよいだろう。

 演出がほぼ確定している中での注目は、なんといっても日本の防衛関連のニュースでも話題になっている F-22A だろう (左写真の左上。昨年のデモ飛行のときの様子)。
 アメリカが誇る世界最強の戦闘機で、そのあまりにも優れたステルス性能は、「軍事バランスを損なう」 と、アメリカと敵対する各国が非難するほど評価が高い。そして、世界屈指の強固な軍事同盟といわれる日米安保条約の同盟国である日本が次期戦闘機として導入を検討すると、アメリカ政府は 「F-22A だけは輸出できない」 と言い出し、物議をかもし出している。
 そして現在、この F-22A は基本的には海外展開しない方針のため、今後しばらくは日本の自衛隊機としてはもちろんのこと、アメリカ軍機としても在日米軍基地ではほとんど見るチャンスがないはずだ (嘉手納基地に一時的に配備されたことはある)。
 そんな F-22A がデモ飛行だけでなく地上でも見られるとなれば、マニアならずとも見ておかない理由はないだろう。なお、F-22A に関する詳しい情報は米空軍の公式サイト www.af.mil/shared/media/av/main.html?showid=388 まで。

 その他にもさまざまな航空機の展示やデモ飛行が予定されているが、やはり楽しみはサンダーバーズのアクロバット飛行に尽きる。
 このチームは世界各地の航空ショーに出ているが、ラスベガスは彼らのホームベース。やはりアウェーとホームでは意気込みがちがうというもので、そういう意味ではここネリスでのショーこそが世界最高レベルのアクロバット飛行と言っても過言ではないだろう。
 パイロットの体力とマシンの能力がそれぞれ極限状態になって成し得る音速での急接近、急旋回など一触即発の危険を回避しながらの芸術的な操縦テクニックにはだれもが感動するはずだ。エンジン音や衝撃波もテレビ映像などでは味わえない。
 ちなみに毎年このサンダーバードの演出は、その日の 「とり」 としてプログラムの最後に組み込まれているので (今年もそうなるはず)、途中で帰ってしまっては見ることができない。
 最後まで残っていると、左の写真のようにシャトルバスの乗り場が大混雑するが (昨年の様子)、それでもサンダーバードを見ずに早めに帰るのはナンセンスというもの。それだけ見る価値があるすばらしい内容なので、ぜひ最後まで残って見るようにしたい。

 このイベントは航空マニアだけのものではなく、前述の通り家族連れも多い。したがって屋台スタンド型のファーストフード店や遊戯施設が数多く用意されるのも特徴で、さながら遊園地といった感じだ。
 とは言ってもイベントの主役はあくまでも軍用機。つまり兵器。兵器とは、簡単に言ってしまえば人を殺す道具 (そうではない兵器もあるが)。
 「そんなイベントに遊園地感覚で子供をつれて行く親の気持ちが理解できない」 といった意見もありそうだが、ここはあまり硬いことを考えずに純粋にショーを楽しみたい。

 10日も 11日も、プログラムの内容は基本的に同じ。入場料は無料。各企業などからの寄付もあるが、日ごろ騒音などで住民に迷惑をかけている軍からの市民サービスという意味合いもあるので、この種のイベントは料金を取らないのが通例だ。
 さらにうれしいことに写真撮影も原則として自由だ。ただしセキュリティーチェック (左写真) はある。カメラやビデオは持ち込めるが、危険物は持ち込めない。

 ネリス空軍基地の場所は、ストリップ地区のホテル街から北東方向に約 20km の地点。
 行き方としてはレンタカーが一番早くて便利だが、公営バスなどを乗り継いでダウンタウン経由で行くこともできる。
 駐車場は、隣接するカーレース場 「ラスベガスモータースピードウェー」 周辺の場所が指定され、指定された場所以外には駐車することができない (セキュリティーチェックがあるため)。
 また、駐車場から基地までは軍が用意するシャトルバス (寄付金と称して3ドル取られる可能性大) に乗る必要があり、徒歩などでアクセスすることは原則として禁止。駐車場やシャトルに関する詳しい情報は前述の公式サイトまで。
 なお、値段は安くないが、日本人ガイドが付いた専用ツアーも催行される予定なので、至れり尽くせりのサービスを望む者はその種のツアーに参加するのもひとつの方法だろう。そのツアーの詳細や申し込み方法などに関しては、このラスベガス大全の [ツアー]セクションを参照のこと。


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