週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2007年 08月 15日号
新 Le Reve のカクテルウェイトレス付き VIP席ってどんな席?
 人気高級ホテル・ウィンラスベガスで公演中の水上 & 水中アクロバットシー Le Reve が新しくなったというので観てきた。

 この Le Reve、最初のバージョンが始まったのは、ウィンラスベガスが開業した 2005年春。そして 2年後の今年の3月、そのバージョンはいったん打ち切られ、一ヵ月の休演 & リメイクののち、4月から新バージョンとして再スタート。そして先月、またマイナーチェンジが行われ、先週から最新バージョンとして始まった。

 今回のマイナーチェンジは照明など、ごく一部の変更のようだが、4月のリメイクでは、ソフトとハードの両面においてかなり大胆な改良が加えられた。その予算 、800万ドルというから恐れ入る。
 まずソフトの部分についてだが、このショーのクリエーター Franco Dragone 氏が完全に現場を去り、また彼はこのショーのすべての権利をウィンラスベガス側に売却してしまった。(その権利の購入費は 800万ドルに含まれていない)
 したがって、その4月のリメイクでもその後のマイナーチェンジでも、もはや彼のアイデアが入る余地はなく、このことは Le Reve のコンセプトを左右しかねない大いなる変化といってよいだろう。
 ちなみに Dragone 氏は、ベラージオホテルで行われている人気の水上 & 水中アクロバットショー"O" の制作にも関与したクリエーターとしても知られ、それが理由かどうかは別として、Le Reve は常に 「O に似ている」 と言われ続けてきた。
 それに関しては、ウィンラスベガスの会長 Steve Wynn 氏の愛妻 Elaine さんがこのショーを初めて観たときに 「O に似すぎている!」 と激しく落胆したという逸話もあるほどで、そんなこともあり Wynn 氏はこのショーのすべての権利を買い取り自由に改造したかったようだ。

 それを実行に移したのが 4月のリメイクというわけだが、その際にはハード的な部分においても Wynn 氏らしい大胆な改造が断行された。劇場内の客席をばっさり 481席も減らしたのである。このあとで詳しく説明する VIP席を新たに設置するためだが、それにより座席数は 2087席から1606席に減ってしまった。一般席も従来よりやや大きめの立派なイスに取り替えられ、全体としてかなりのグレードアップが図られている。
 なにごとにおいてもゴージャス路線を目指す Wynn 氏らしい大胆な改造だが、そんな経緯を持つ新生 Le Reve を、その VIP席を中心にレポートしてみたい。

 VIP席という名称自体は他のショーでもときどき耳にするので、特に珍しいものではないが、そのほとんどは、ただ単に 「良い位置の席」 というだけのことだ。
 しかし Wynn 氏の発想はちがう。本当に座席自体もゴージャスで、劇場のイスとはおよそかけ離れた立派なソファーだ (写真左)。

 それだけではない。そのソファーの前には 14インチの液晶ディスプレーが設置され (写真右)、公演中の水中の様子をライブで見られるようになっている。(ただし開演前に映し出される舞台裏の映像などはライブではなく録画映像)
 その映像は、1台の固定カメラによるものではなく、ちゃんとカメラマンが水中の役者を追いかけて撮影した臨場感あふれるもので、見ていて飽きない。さらにステージの真上にもカメラが設置されており、場面に応じてそのカメラの映像に切り替わったりもする。

 VIP席の特典はまだある。専属のカクテルウェイトレス (といっても、ひとりのウェイトレスが約10人の客を担当) が付き、着席と同時に挨拶にあらわれ、その場でシャンペン (Perrier Jouet) のボトルを開けてくれる。一緒にサーブされるチョコレートで覆われた大粒のストロベリーもお洒落だ。
 ショーが始まっても常に客のグラスに気を配ってくれているようで、鑑賞のじゃまにならないよう静かにそっとやって来て何度もシャンペンを注いでくれる。(相場などはないが、最後に席を立つ際にチップを置くのを忘れないようにしたい)

 ちなみにこの VIP席は円形になった会場の一番外側に位置しているため、ステージからの距離は一番遠い。言い忘れたが、この Le Reve のステージは円形で、客席もそのステージを取り囲むように配置されている (写真右)。
 したがって、一般の劇場のような 「中央の席」、「端の席」 といった概念はなく、座席の位置の違いは奥行きだけ、つまりステージからの距離だけだ。
 一番外側に位置しているといっても、この VIP席の内側に存在する席はわずか 11列なので、ステージから 12列目ということになり、近すぎず遠すぎず絶好の位置と考えてよい。

 この VIP席には劇場の外に出ても特典がある。ショーのチケットを受け取る際に同時に手渡される専用の Pass (写真左) を首にぶら下げていれば、ウィンラスベガス内のレストラン予約や入店の際に VIP待遇になる。つまり、良い座席を確保できたり、列に並ばなくてもよい、というわけだ。
 ただしその優遇は、ショーの公演日のみなので (Pass の裏面の下部に記載されたカレンダーの該当日付に穴をあけられる。右下の写真はたまたま未使用の Pass を撮影したため穴はあいていない)、チケットは早めに受け取ったほうがよいということになる。せっかくの Pass も、ショーの開演時刻直前に受け取ったのでは特典を利用するチャンスがない。ショーを観たあとの時間帯はほとんどのレストランが終了しているからだ。なお、ナイトクラブ TRYST だけは始めからこの特典の対象外、つまり VIP待遇を受けることはできないので注意が必要だ。

 気になる料金だが、ずばり $159 + TAX (ショーチケットの TAX は、一般の消費税 7.75% とは異なり 10%)。
 一般席が $119 + TAX、さらに Splash席と呼ばれる最前列と 2列目の安い席 (ステージに近すぎるだけでなく、水しぶきが飛んでくるため安い) が $99 + TAX なので、税を入れると一般席よりも $40 以上高いことになるが、これを高いと見るか安いと見るか。
 人それぞれ価値観が異なるのでなんともいえないが、優越感という意味ではそれなりに価値を感じることができるかもしれない。
 いずれにせよ、$40 以上の価格差の存在をあらかじめ知った上でチケットを買うわけで、VIP席にすわってから 「だまされた」 といった後悔の念にかられるようなことはまずないだろう。
 なお、ひとつだけこのVIP席に注文を付けるとするならば、足を置く台がほしかった。どんなに足が長い人でもそれを投げ出せるだけの十分なスペースがあるのはいいが、足置きがないのはいただけない。利用者からの声が現場に届き改善されることを期待したい。

 さてショーの内容についてだが、長くなってしまったので個々の出し物についてのコメントはまたの機会にするとして、概要的なことだけにふれておくと、オリジナルバージョンに比べ照明設備が格段に進化している。光の色、形、位置、数、動き、すべてにおいてレベルが高い。
 あとは、だれもが気になる 「O との比較」 ということになりそうだが、それのコメントはむずかしい。最終的には好みの問題になってしまうのではないか。
 それでもあえてその違いを大ざっぱに表現するならば、「仕掛けや設備の Le Reve、完成度の O」 といったところか。もしくは 「多彩性の Le Reve、統一性の O」、「大味でダイナミックな Le Reve、繊細で神秘的な O」 と言えるかもしれない。
 つまり Le Reve の方が設備が総じて複雑かつ豪快で、またパフォーマンスにおいてもコミカルな場面やセクシーな場面など多彩に富んでいる。BGMとして演奏される音楽も、さまざまなジャンルの曲が使われ、その部分においても多彩だ。
 一方、O は各パフォーマーの動きがきっちり整然としており、特にシンクロ性という意味での完成度は Le Reve よりもかなり高い。また音楽もオリジナル曲を使い、そのほとんどが神秘的なコンセプトに統一されている。
 結局は好みの問題ということになるが、絶対的な違いとして言えることは、Le Reve には悪い席がない、ということ。これは動かしがたい事実で、ステージに対して角度的にも距離的にも見づらい席が少なからず存在している O は、この部分においては絶対に勝ち目がない。したがって、O を悪い席で観るのであれば、Le Reve をすすめたいところだが、これについても反対意見がありそうなのでこのへんにしておきたい。

 公演は、月・木・日が 7:00pm と 9:30pm、土が 8:00pm と 10:30pm、金は 8:30pm の一回だけ。火曜日と水曜日は休演。料金は前述の通り。チケット手配はウィンラスベガスの公式サイト www.wynnlasvegas.com まで。なお、英語での手配は苦手、という場合は当社スポンサーのJCBカードが以下のような手配代行を行っているので、そういったサービスを利用するのもよいだろう。

 


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