週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2007年 06月 20日号
ベラージオホテルのアートギャラリーでピカソの陶芸展
 画家としてのピカソの名はだれもが知るところだが、ピカソが陶芸家であったことを知る人は意外と少ない。
 このたびピカソの陶芸作品ばかりを集めた貴重な美術展 "Picasso's Ceramics" がベラージオホテルのアートギャラリー The Bellagio Gallery of Fine Art で始まった。(写真右、クリックで拡大表示)

  1881年から1973年、つまり91才まで生きたピカソは、生涯を通じて絵画や版画の作品を多数残してきたが、彫刻を始めたのは40代に入ってからで、陶芸を本格的に始めたのは60代の後半から。そんなこともあり、陶芸の作品数は絵画、版画、彫刻に比べ桁違いに少ないといわれている。
 また、少ないのは作品の数だけではない。展示される回数も非常に少なく、陶芸作品が美術館などで一般に公開されるようになったのは 1999年以降のことらしい。
 今回展示されているのは、ベラージオホテルがピカソの孫 Bernard Picasso 氏から借り受けてきた貴重な32点で、1947年から 65年に作られた作品。80才を超えてからの作品も数多くあり、ピカソの並外れたパワーや情熱がうかがえる。

 だれが見てもすぐにピカソ作とわかるような抽象的な人物の顔が描かれたものから、そうでないものまで、作品の幅は意外と広い。また、皿、花瓶、水差しなど、形状的にもバラエティーに富んでいる。
 ただ共通して言えることは、いわゆる 「ローファイヤー」 と呼ばれる焼き方、つまり比較的低温で焼かれた作品が大部分ということで、ピカソはなぜかそれだけには固執していたようだ。

 開催期間は 5月25日から来年の1月14日までの毎日。日曜日から木曜日が10:30am〜6:00pm、金曜日と土曜日が10:00am〜9:00pm。入館料は一般が $17、65歳以上のシニアおよびネバダ州の住民は $14、学生は $12。
 チケットは入口の前で購入可能。入館時に、コードレスフォン程度の大きさのナレーション装置を手渡され、作品の前に表示された番号をそれに入力すると解説が流れてくるようになっている (残念ながら英語のみで日本語による案内はない)。
 ピカソのファンや陶芸に興味がある者はもちろんのこと、そうではない一般のギャンブラーなども貴重な機会なのでぜひ足を運んでみるとよいだろう。
 「ラスベガスまで行って、なにゆえわざわざ陶芸鑑賞?」 と言われそうだが、ギャンブルに疲れた際の気分転換には悪くないはずだ。
 なお、鑑賞後は、そこそこ充実しているギフトショップが併設されているので立ち寄ってみるとよい (ギフトショップは入館料なしで入店可)。マグカップやシャツなどの小物雑貨類から、今回の展示作品のすべてを網羅したカタログまで、ここでしかないものが数多く売られている。

 以下、美術館側の広報部からの指示による作品写真に対する英文クレジット。

Woman in a Blue Dress (1947-48)
white earthenware, thrown, modelled, assembled elements, incised, painted with slips and oxides, glazed
15 3/4 inch height
Private collection
(C) PAR. Photo : Marc Domage
(C) 2007 Estate of Pablo Picasso / Artists Rights Society (ARS), New York

Fish (1951)
white earthenware, (elements thrown, modelled and attached), painted with oxides and incised, with glaze 15 5/8 x 17 1/8 inch
Private collection
(C) PAR. Photo : Marc Domage
(C) 2007 Estate of Pablo Picasso / Artists Rights Society (ARS), New York


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