週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2007年 05月 23日号
今が季節、開閉式の屋根が自慢のナイトクラブ MOON
 ストリップ大通りから少し離れた不便なロケーションにありながら、ハリウッドセレブリティーなどが集まることで知られるホテル、パームス。
 昨年10月、新館 Fantasy Tower (右写真の左側の建物。クリックで拡大表示) が完成し、その最上階にナイトクラブ、MOON がオープンした。
 今週は、本格的な季節を迎えたその MOON を紹介してみたい。

 ちなみにこのホテルの1階には、すでにクラブ Rain が営業しているため、MOON はパームスにとって2軒目のクラブということになる。また、本館の最上階にはウルトララウンジ Ghost Bar があり、このホテルにとって、MOON だけがナイトスポットというわけではない。しかし、MOON は今がまさに "旬" なのである。 (「ウルトララウンジ」 と 「ナイトクラブ」 の違いについては、[ナイトクラブ]セクション内の [ミスベガスのLV流クラビング術] を参照のこと)

 このクラブの自慢はなんといっても開閉式の屋根 (左の写真の緑色の部分)。ダンスフロアの上、高さ約10メートルの位置にある屋根が、開閉式屋根付きのドーム球場のようにスライドして開く。世界広しといえども、ナイトクラブでそんな大掛かりな装置を持っているのは、おそらくここだけではないか。
 とはいっても、ラスベガスの気候を考えると、特に奇抜な発想というわけではなく、この開閉式屋根は必然的に生まれた産物と言えなくもない。
 砂漠性気候のラスベガスでは、冬は氷点下になるほど寒く、夏は深夜でもエアコンなしでは過ごせないほど暑い。また、春や秋でも一日の寒暖の差が激しい日が多く、結果的に一年のうちの大半は空調設備に頼ったインドアの生活になりがちだ。だからこそ、屋外空間が恋しくなり、屋上などを利用したくなるわけだが、そうなると屋根は開閉式が理想ということになる。

 屋根を開ける時間は季節などによって異なるようだが、ちなみに取材時に屋根が開いたのは深夜12時過ぎ。あまりにも静かに開いたため、残念ながら開く瞬間は見逃してしまったが、フロアに立って上を見上げ、上方に屋根や天井ではなく夜空が広がっているのに気づいたときは素直に感動した。(右は、屋根側からフロアを見下ろした角度で撮影された写真)
 ダンスフロアの熱気と強烈なサウンドで息が詰まるような空間が夜空に開放され、そこにひんやりした空気が流れ込むその爽快な気分は、実際に体験した者でなければわからないだろう。また、この日はあいにくの曇り空だったが、晴れた日にはここから満天の星空を望むこともできるにちがいない。(ラスベガスの空は明るいので、満天というほどではないかもしれないが)
 そんな瞬間を心地よく楽しめるのも、深夜の気温がすがすがしい初夏の今の時期など、かなり限られてきそうだ。興味がある者は今がチャンスだ。
 ところで、あと2ヶ月もすると、このクラブにとって初めての真夏を迎えることになるが、エアコンが効いていても熱気に満ち溢れるダンスフロアに、屋根を開けた瞬間、そこに摂氏 30度以上の外気が流れ込むと、現場はどのような状況になるのか興味深い (ラスベガスの夏は深夜でも 30度以上あることが少なくない)。
 客の多くが 「暑い! 早く屋根を閉じてくれ!」 と騒ぎ出すのか、意外にも、室内に沈んだ重くて冷たい空気の中には、外の暑い空気は入り込めず、快適な気温の中で夜空や開放感を享受することができるのか。夏真になったら改めて検証してみたい。

 インテリアのコンセプトはウルトラモダン。六角形がモチーフになっており、バーカウンターの奥や天井は、亀の甲羅のような六角形模様で彩られている。また、フロアの一部がガラスでできており、ここが白や黄色、紫など、さまざまな色でライトアップされる。テーマカラーはシルバー、黄色、青といったところか。
 モダンというと、さっぱりしすぎて殺風景なデザインに陥りがちだが、ここはかなり個性的で、全体がスタイリッシュかつ華やかな雰囲気に仕上がっており、ハイセンスなインテリアで注目されている JET、TAO、PURE などの人気クラブと比べても、見劣りはしていない。また、広さも十分だ。

 中央のダンスフロアは大きなカウチが並ぶテーブル席で囲まれている。このテーブル席は予約制で、1本300ドル相当以上のボトルを買う客専用になっており、このあたりのシステムはラスベガスの他のクラブと同様だ。
 また、カウチの周辺にはいわゆるお立ち台があり、この上で店側が雇ったプロのダンサーたちが踊り、華やかな雰囲気を盛り上げている。キュートでセクシーなショートパンツ姿のダンサーはルックスもよく、ダンスのほうもハイレベルなので、男性客にとってはうれしいアトラクションといえそうだ。また、光、スモークなども多用され、それらはエキサイティングな夜の演出に一役買っている。ちなみに音楽はラスベガスの他クラブと同様、ヒップホップが中心だ。

 ホテルの最上階という地の利を生かし、広いバルコニーも設けられている (右上の写真)。ここからはストリップを一望することができ、夜景は息を呑む美しさだ。このバルコニーにもテーブル席が用意されているので、予算に余裕のある者はボトルを入れてこのテーブルを確保するのも一案だろう。今の季節、ここでグラスを傾ける気分は格別だ。
 バルコニーの入り口には、らせん階段があり、その上はラウンジになっている。ここは混雑する週末のみに開放されるスペースで、取材時は閉鎖されていたが、ここの窓からも見事な夜景が楽しめるとのこと。
 夜景が楽しめるスポットは他にもある。ダンスフロアの両サイドに設けられた通路は全面ガラス張りになっており、そこからの眺めもすばらしい。つまり、スタイリッシュなインテリアと建物の3辺から望むことができるゴージャスな夜景など、MOON には飲んで踊る以外の楽しみがいくつも用意されていることになる。

 MOON の下の階には、カジノクラブ 「PLAYBOY CLUB」 があり、ここへはエスカレーターを使って移動することができる。PLAYBOY CLUB に入店するには通常、$20 の入場料が必要だが、MOON の利用者は特別な入店チェックもなく、無料でアクセス可能だ。これは、MOON、PLAYBOY CLUB ともに、N9NEグループが経営しているためだ。
 というわけで、「踊り疲れたら PLAYBOY CLUB に移動しギャンブルをする」 という変化のある楽しみ方が可能なのもこのクラブならではの特徴だ。閉店時間の朝4時まで、ラスベガスならではのセクシーでエキサイティングな一夜をたっぷりと満喫してほしい。

 MOON に行くためには、カジノフロアにある専用エレベーターを利用する。ラスベガスのクラブには必ずある入店チェックは、ここで受けることになっており、金曜、土曜の深夜にはこの前に入店待ちの長い行列ができるので、それなりの覚悟が必要。ちなみに取材をおこなったのは比較的空いている木曜日の午後11時過ぎだったため、行列はそれほど長くなかった。
 入場料は曜日などによって異なるが、だいたい $20〜$30。なお、比較的すいている木曜日、日曜日は女性は無料で入場できたりすることもあるので、そのつど要チェックだ。営業日時は木、金、土、日の週4日、午後11時から午前4時まで。長時間待たされるのを避けるためには、木曜日あるいは日曜日の早い時間帯がお勧めだ。


バックナンバーリストへもどる