週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2007年 03月 07日号
ラスベガスは早くも今週末から夏、遅刻に注意!
 今年は世界的な暖冬。日本ではすでに桜の話題がニュース番組をにぎわせているようだが、春の到来ぐらいで驚くのはまだ早い。ここラスベガスでは今週末から夏だ。といっても暖冬の話題ではなく、冬時間から夏時間への切り替えの話だ。
 今年から、その切り替えの時期が早まった。かなり新しいガイドブックにもまだそのことは載っていないと思われるので、今週末、アメリカに滞在予定の者、特に航空機の利用、オプショナルツアーへの参加、ナイトショー鑑賞、レストラン予約などに関わる者は十分な注意が必要だ。(右上の写真は、実際に初夏のような陽気になったラスベガス。3月 6日撮影。背景は建設中のホテル PALAZZO。クリックで拡大表示)

 まず最初に 「夏時間」 に関する英語表記について。日本では "サマータイム" などと呼んだりしているようだが、アメリカで "summer time" という言葉がその意味で使われることはまずない。"daylight saving time" が正しい。サマータイムはイギリス英語だ。それでもあえて直感的に意味が通じるように、このページでは 「夏時間」 と表記することにする。
 また、daylight saving time の逆、つまり冬時間のことはウィンタータイムではなく "standard time" で、これはそのまま直訳の 「標準時」 と表記する。

 夏時間はさまざまな国で導入され、また、標準時から夏時間への切り替えのタイミングもそれぞれの国で異なるが、アメリカでのそれはこれまで 4月の最初の週末の深夜だった。もっと正確に表現するならば、「4月の第1日曜日の午前2時」 と決められていた。
 深夜にしている理由は、経済活動や市民生活などに与える影響を少なくするためで、土曜日から日曜日に変わる際の深夜2時が、最も影響が少ないと考えられているからだ。
 その切り替え時期が今年から 「3月の第2日曜日の午前2時」 に変わった。つまり今年は 3月 11日。
 変更の理由は、省エネなどに関する法律 「包括エネルギー法案」 によるもので、早起きして仕事を始め、暗くなる前に仕事を終えた方が節電効果があり、なるべく夏時間の期間を長くしよう、というもの。
 それの効果に対してはさまざまな議論があるが、とにかく今年からは 3月の第2日曜日と決められたので、この時期に旅行する者は十分な注意が必要だ。

 日本では夏時間のことを正しく理解していない人もいるようなので補足しておきたい。
 「夏時間になると 9時出社の会社は 8時出社になるのか?」、「7時離陸の飛行機は 6時離陸になるのか?」 といった話をときどき耳にするが、そうではない。9時出社の会社は夏時間になっても 9時出社のままでいいし、離陸時刻もそのままでいい。
 時計の針を国民全員が 「せいのっ!」 で 1時間進めるだけで、就業時間や時刻表はそのままだ。もちろん夏時間になるのを機会に営業時間などをあえて変更する企業もありそうだが、基本的にはなにも変更する必要はない。ただし航空会社の時刻表などで、離陸地か到着地のどちらか一方が夏時間を導入していない場合は、表記の変更が必要になるが (飛行時間そのものには変更がないので)、日本からの一般の観光客にとってはそんなことはどうでもよく、重要なことは、とにかく土曜日の夜に時計の針を 1時間進めること、それにつきる。これを忘れると飛行機にもナイトショーにも遅刻する。

 全米の市民が土曜日の深夜 2時 (日曜日の早朝) まで起きていて、眠い目をこすりながらその作業をやるのかというと、そんなことはない。そこまで厳密にする必要はなく、多くの家庭では、土曜日の夜の就寝前か、日曜日に起きたあとにそれをやる。
 どこの家にも時計はたくさんあるので、少々面倒くさい作業ではあるが、もはや春の風物詩といった感じで、この日は 「今年もやっと春が来た」 という明るい気分になれる日でもある。もちろん秋にも逆のこと (時計の針を1時間戻す) をやる必要があり、それは少々寂しい秋の風物詩だ。

 針を進めたあとは、いつもとまったく変わらないリズム、つまり 9時出社の人は 9時に出社すればいいので、なにもむずかしいことはない。ただし、その 「9時」 は、「以前の8時」 だったことになり、そういうことを意識し出すと 「少し眠いかな」 などと気になり出したりするので、過去の時間を完全に忘れることが夏時間への適応のコツだ。
 ちなみに夏時間から標準時への秋の切り替えの際は体調的にも社会的にも混乱が少ない。なぜなら、世の中の活動が1時間遅くなるので、切り替えをすっかり忘れていても遅刻する者などいないからだ。もちろん 1時間早く出社してしまう者も出てくるが、それは大きな混乱には至らない。
 じつは今回の法律改正では、秋の切り替え時期も変わった。従来は 10月の最終日曜日だったが、今年からはそれが 11月の第1日曜日になる。
 その結果、夏時間が約 8ヶ月間、標準時が約 4ヶ月間となり、期間の長さだけ見ると、もはや夏時間が標準といった感じだ。それでも標準時には地理・地学的に重要な意味があるので、それを知っておくことは大切で、また、知っておくと何かと便利なことが多い。この先は少々堅い話になるので読みたい人だけのオプションとするが、とにかく 3月 11日、時計の針を 1時間進めることを忘れないようにしよう。 [ この先の堅い話を読む ]


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