週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2007年 01月 03日号
ファン必見! 小さな会場が魅力のプリンスのライブ "3121"
 11月 10日からリオ・オールスィートホテル (写真右、クリックで拡大表示) で始まったプリンスのライブを取材した。

 プリンスといえば、マイケルジャクソン、マドンナと並ぶアメリカンミュージック界の大御所で、この 3人は全員 1958年生まれという共通点を持っている。また、3人とも最近はラスベガスと無縁ではなく、マドンナは 2001年以降ときどき当地でコンサートを行なっており、またマイケルジャクソンは先週からラスベガスに潜入、常駐コンサートの計画を練っているのではないかとの噂が広がっている。
 話をプリンスに戻すと、彼もラスベガスが気に入っているのか、実は昨年 5月にも当地のナイトクラブ Empire Ballroom (元 Club Utopia。モンテカルロホテルの前) でライブを行なっており、そういう意味では今回の常駐公演は突然始まったわけではない。おそらく 5月のライブは、今回の公演の感触を得るためのテストマーケティングだったのだろう。

 常駐公演という言葉を使ってしまったが、実際には金曜日と土曜日だけの週2回で、セリーヌ・ディオン、バリー・マニロウ、トニ・ブラクストン、エルトン・ジョンなどと比べると、ラスベガスでの 「常駐度」 はまだ低い (もちろん彼らも毎日公演しているわけではないが)。
 また、今回の一連の公演はたぶん 1月末まで、もしくは長くても 2月末までには終了するものと思われ、契約期間としてのスタンスは他の常駐ミュージシャンとはかなり異なっている。プリンスはまだ世界各地での公演を打ち切ってまでラスベガスに定住したいわけではないようだ。

 会場は前述の通り、リオ・オールスイートホテル内。かつてナイトクラブ "CLUB RIO" があった場所で、アリーナのような巨大施設ではない。したがって、今回の公演はあくまでも 「ライブ」 であって、「コンサート」 とは呼ばない (チケット販売のサイトなどでは 「コンサート」 という文字が使われたりしているが)。
 ちなみにプリンスが日本で公演を行なう場合、武道館のような大きな施設になるのが一般的で、またアメリカでもラスベガス以外の都市では大型アリーナを使うことが多い。つまり今回の会場のような狭いクラブでのライブは、まったくないわけではないが回数的には少数派で、彼を至近距離で見たいファンにとっては極めて貴重なチャンスといってよいだろう。
 会場の名称は、昨年 3月に発表された人気アルバムのタイトルをそのまま使用した "Club 3121"。ライブ自体のタイトルも 3121 だ。施設的にはごく普通のナイトクラブで、円形のダンスフロアを取り囲むように外周にテーブル席が配置され、ダンスフロアの一端にステージが用意されている。したがって、別料金を払ってテーブル席を確保しない限り座席はなく、基本的には立ち見 (スタンディング) ということになる。

 一般のナイトショーやコンサートとは異なり、演奏曲を含めた公演の内容が毎回微妙に変化するなど、流動的な部分が多く、一回や二回訪れたぐらいでは、この公演の全体像を把握することはむずかしい。
 ちなみに今回の取材ではたまたま機会に恵まれたこともあり、11/24、11/25、12/29、12/30、12/31 (大みそか特別公演) の 5公演を観ることができたが、毎回微妙に変化していた。
 まずドアが開く時間だが、リオのサイトでは 「8:00pm 開場」、チケット販売のチケットマスターのサイトでは 「10:00pm 開場」 となっているが、実際に入場できるのは 8:30pm から 9:30pm ぐらいまでの間だ。また、プリンスがステージに登場する時刻も、深夜 12時ごろを予定しているが、実際にはかなり前後することが多い。結局、入場してから 12時ぐらいまでの数時間は、だれも登場しない単なるディスコもしくはクラブといった感じの雰囲気で、基本的には DJが会場内を取り仕切る。
 したがって、右上の写真のように開場数時間前から並ぶファンも少なくないが、早く入場したところで座席があるわけではく、ダンスフロアはカオス的な状態になってしまい、場所取りとしてはあまり意味をなさない。それでもプリンスを至近距離で見ることができるステージの目の前のポジションだけは、熱狂的なファンが座り込んで確保しており (つまり数時間踊らずにフロアに座って待つ)、それぐらいの忍耐力や根性がある者は並ぶ意味があるだろう。ちなみに長時間並んで最前列付近を確保できると、プリンスがライブ中に汗を拭いたタオルや、3121 ロゴ入りタンバリンなどをゲットできる可能性が高まる。

 20〜25曲程度披露される曲目も、連日足を運ぶファンへの配慮か、毎日いくつか入れ替わる。それはそれでファンサービスとしてはありがたいが、有名なヒット曲が演奏されないと少々ガッカリしたりもする。事実、あのパープルレインが披露されないことも何度かあり、こういった部分は改善した方がよいだろう。なお、今回のライブのタイトルにもなっている最新アルバム "3121" の中に含まれている曲は一部しか演奏されない。
 以上のように日々内容は変化しているわけだが、12/31 の公演はさらにいつもとちがっていた。大みそかだからというわけではない。今月 25日、73才で他界したジェームスブラウンの追悼ライブということで、JBの曲をいくつか披露したからだ。いつまで JB追悼ライブが続くのかはわからないが、今後も内容は少しずつ変わる可能性がある。

 アンコールはすぐに出てきてくれ、2〜3曲歌ってくれる。結局、終わるのは深夜 2:00am 〜 2:30am ごろ。が、これで終わりと思ったらまだ早い。実はプリンスの機嫌さえ悪くなければ、ライブ終了のあと 「アフター」 というショーが待っている。隣接するレストラン "3121" (写真右) 内の狭い会場で 4:00am ごろから 5:00am ごろまで行なわれるミニライブだ。
 これは前売りのチケットなどはなく、店の前に並んで料金を支払い (現金のみ) 入店する。料金はバンドが見える部屋が $50、その他は $20。人数に限りがあるので早めに並んだ方がよいだろう (バンドが見える部屋の許容人数はだいたい 50人程度)。
 なお、「店内でお一人様 $20 は飲食してください」 となっているが、食べ物と飲み物をオーダーすれば $20 に満たなくてもOKのようだ。ここではクレジットカードも使える。
 狭い店内でのライブということで、声をかけてもらったり一人ひとりが握手してもらえると期待してしまいがちだが、それは甘い。それらのサービスを受けられるのは常連ファンや関係者などほんの数人だけ。なお、このミニライブで披露されるのは 5〜10曲程度で、基本的には演奏だけで歌はほとんどない。つまり、プリンスと一緒にライブ後をゆっくりくつろいで過ごす、といった感じの場所と考えればよいだろう。

 さて気になる本番ライブの料金だが、それは $125。前売チケットは、チケット販売最大手のチケットマスターのサイト www.ticketmaster.com/artist/735895 まで。なお、当日券も買えることが多いので、前売チケットが手に入らなかったからといって、あきらめる必要はない。なお、会場内で座りたい場合は同額のテーブル料金 $125 が必要。
 深夜のイベントのため 21才未満の入場は不可。また、入口でのチェックはないが、カメラ・ビデオの持ち込みは禁止 (チケットにそう書かれている)。ロゴグッズを販売する公式ギフトショップは会場脇にあり、早朝5時ごろまでオープンしている。
 最後に余談になるが、2月 4日にマイアミで開催されるアメリカンフットボールの優勝決定戦 「スーパーボウル」 のハーフタイムショーの主役としてプリンスが登場することになっている。その前日のラスベガスライブはどう考えても休演と考えるのが妥当だろう。


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