週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2006年 12月 06日号
大きな期待は禁物だが、クリスマスらしき雰囲気を楽しめる場所
 この時期にラスベガス旅行を計画している人が期待してしまいがちなのが、華やかなイルミネーションや派手なイベントなどクリスマス関連の話題だ。しかし結論から先に言ってしまえば、「特筆すべきものはほとんど無い」 というのが現状で、何ごとにおいても派手なラスベガスとしては、いささか拍子抜けの感は否めない。
 事実、過去のこのコーナーにおいて、何度かクリスマススポットを取り上げたことがあるが、「行ってガッカリした」 という意見が寄せられることはあっても、「いい場所を紹介してくれた」 とほめられたことは一度もない。
 ということで今年は、「大きな期待は禁物」 という前置きをしながら、そこそこクリスマスの雰囲気を楽しめるスポットを紹介してみたい。
(右上の写真はパリスホテル、左下はシーザーズパレス。これらは数少ない 「見ばえのする場所」 で、このような場所がたくさんあると思ってはいけない。クリックで拡大表示。12月 5日撮影)

 日本でのクリスマスイルミネーションが年々エスカレートしてきているためか、本場アメリカのクリスマスはさぞかしすごいものだと思っている人が多いようだが、実は意外にも質素で、日本のそれとはかなり趣を異にしている。
 特にここ数年、「特定の宗教行事を、公共の場で公共機関がおこなうのはいかがなものか」 といった考え方が目立ち始め (法律論争にもなったりする)、空港などの公共スペースでのクリスマスツーは消える方向にある。つまりアメリカのクリスマスは年々おとなしくなっており、日本とはまったく逆だ。
 それでも多くのホテルやショップ、そして一般家庭などではまだまだクリスマスツリーを飾るわけで、「日本のツリーとどこが違う?」 といわれてしまうと返事に困るが、やはり根本的な部分で大きく異なっているように思えてならない。たぶん宗教的な価値観の有無が、日米のクリスマスを大きく違うものにしているのだろう。
 少なくとも日本で定着している概念、たとえば恋人同士がデート、オシャレなレストランで食事、クリスマスケーキ、といった習慣はアメリカでは本流ではない。日本のような 「ロマンティック」、「華やか」 といった明るく楽しいムードよりも、むしろ 「神聖」、「静寂」 といった控えめな言葉が似合うおとなしい宗教行事だ。(子供向けのクリスマスソングなどには 「Happy」 といった楽しい単語がたくさん出てくるので、やはり子供にとっては楽しいイベントにちがいないが、それでも宗教と切り離しては存在し得ない行事で、日本の華やかな雰囲気とは根本的に異なる)

 おとなしいのは気分的な部分だけではない。クリスマスギフトという習慣があるためかクリスマス前のショッピング街こそ賑わうものの、クリスマス当日は一般企業もショップもレストランも活動停止状態になり、すべてが静まりかえる。(ホテル内のレストランは宿泊客がいるので例外的に休まない)
 それはホテルの宿泊料金など客観的なデータでも証明でき、たとえば日本ではクリスマスイブは需要の急増で宿泊料金が高騰するが、当地ではそのような傾向は見られない。
ちなみに本日調査したモンテカルロホテルの 今月と来月の宿泊料金 (←クリック) を見る限り、どうやら恋人同士が外泊するといった特需は存在していないことがうかがえる。家族でひっそり厳粛にクリスマスを迎え教会へ行く、というのが標準的なクリスマスの過ごし方だ。
 そのような背景があるからかどうかはわからないが、とにかくアメリカには日本のような派手なイルミネーションは意外と少なく、ここラスベガスも例外ではない。

 アメリカでセブンイレブン、デニーズ、ampm などを見て、「アメリカにもあったんだ」 とルーツを勘違いする日本人観光客が年々増える傾向にあるようだが、表参道、仙台、神戸ルミナリエなど、本場をはるかにしのぐ派手なイルミネーションが日本に定着してくると、いつの日か、「アメリカにもクリスマスがあったんだ」 といった言葉が日本の若者の口から飛び出す日が来るかもしれない。
 ニューヨークのクリスマスツリーの点灯式などが日本で報道されている間はそんなことはなさそうだが、アメリカが質素な方向に向かい、日本がその逆の路線を歩み続けると、クリスマスのビジュアル的な存在感が日米で逆転することは十分にあり得そうだ。
 それにしても、宗教的にはクリスマスと無縁の日本において (無縁ではない者もいるが)、なぜそれほど派手に盛り上がるのか非常に興味深い。正月の門松や松飾、こいのぼり、たなばたの笹などよりも、すでにクリスマスツリーの方が露出度が大きく、イベント的にも節分の豆まきや秋の月見よりもクリスマスの方がはるかに存在感が大きいのはどういうことか。伝統文化を守るという意味では歓迎しがたい社会現象だが、「変化も文化」 といってしまえば、仕方がないといったところか。

 さて前置きが長くなってしまったが、そのようなわけで、世界に冠たる派手な目抜き通り ザ・ストリップといえども、日本で見られるような派手なイルミネーションは期待しない方がよい。もちろん個々のホテルがクリスマスツリーを飾る程度のことはどこでもやっているが、わざわざ足を運んで見に行くような存在ではない。また、住宅地などにおいて、近隣の住民がまとまって家の外観を派手に飾ったりしている地区もあるが、観光客がそこへ行くのは地理的にむずかしく、あまり現実的ではないだろう。
 とはいっても、少しはクリスマスらしい場所の話題にふれないことには話にならないので、とりあえず以下の場所を 「数少ない候補地」 として紹介してみたい。

クリックで拡大表示 クリックで拡大表示 クリックで拡大表示 クリックで拡大表示 CONSERVATORY at BELLAGIO
ベラージオホテルのフロントロビーに隣接する室内植物園。
シロクマを始めとするさまざまな動物を、花や植物の実などを使って造り上げているところに注目。シロクマは前年度とまったく同じだが、トナカイやクリスマスツリーは新作。トータル的には、例年に比べかなりシンプルな感じがしないでもない。
入場無料。24時間オープン。

クリックで拡大表示 クリックで拡大表示 クリックで拡大表示 クリックで拡大表示 GRAND CANAL SHOPPES at VENETIAN
ベネシアンホテルにあるショッピングモール内。
街灯などにクリスマス装飾が施され、季節感あふれる雰囲気が漂っている。モール内のさまざまな場所で、クリスマスをテーマにしたパフォーマンスが演じられる。パフォーマンスのスケジュールは、右の4コマ写真の左下の写真をクリック。
入場無料。モール自体は午前10時から深夜12時まで。

クリックで拡大表示 クリックで拡大表示 クリックで拡大表示 クリックで拡大表示 FASHION SHOW MALL
ファッションショーモールの The Great Hall 広場。
ストリップ側から進入して一番奥にある The Great Hall 広場で、クリスマスにちなんだパフォーマンスが演じられる。公演スケジュールは、12/18 までは木、金、土、日、12/19 から 12/24 は毎日、それぞれ 1pm、3pm、5pm、7pm の4回。1回の公演時間は約13分。
入場無料。モールの営業時間は今の季節だけ日によって流動的だが、おおむね 10am 〜 10pm。

クリックで拡大表示 クリックで拡大表示 クリックで拡大表示 クリックで拡大表示 MAGICAL FOREST
ストリップ地区のホテル街から北西に約12km。要レンタカー。
障害者福祉施設 Opportunity Village のチャリティーイベント。おびただしい数のクリスマスツリーが高密度でビッシリと並び、各ツリーは地元の企業がスポンサーとなって、宣伝を兼ねたデコレーションが施されている。
入場料金はおとな $9、13才以下の子供 $7、2才以下は無料。12月 30日まで毎日 5:30pm 〜 10:00pm。
行き方や地図は、グーグルマップ http://maps.google.com にここの番地 "6300 W.Oakey Blvd. Las Vegas, NV 89146" を入力。

クリックで拡大表示 クリックで拡大表示 クリックで拡大表示 クリックで拡大表示 ETHEL M CHOCOLATES
ストリップ地区のホテル街から東南東へ約13km。要レンタカー。
チョコレートメーカー ETHEL M CHOCOLATES 社の工場敷地内にあるカクタスガーデンで毎年行われているイベント。大小さまざまなサボテンに合計 50万個のクリスマスライトが点灯。
入場無料。1月 1日まで毎日 5:00pm 〜 10:00pm。
行き方や地図は、グーグルマップ http://maps.google.com にここの番地 "2 Cactus Garden Dr. Henderson, NV 89014" を入力。


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