週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2006年 11月 22日号
今後もありそうなパブリックオークションをスターダストで取材
 11月 17日から 21日までスターダストホテルで開催されたパブリックオークションを取材した。
 この週刊ラスベガスニュースは、「これからラスベガスを訪問する人たち」 のための情報として、「現在および将来の話題」 を提供することを原則としており、終わってしまった話題を取り上げることは極めて異例だが、近い将来、同種のイベントが他のホテルで続々と開催される可能性があるので、今後のためにあえてこの終わったオークションの話題を取り上げてみたい。(写真はクリックで拡大表示)

 ここでいう 「パブリックオークション」 とは、営業を打ち切ったホテルが、ホテル内のありとあらゆる物品を処分するために行う即売会のことで、「パブリック」 という名の通り、入場無料で (ただしデポジットは必要) だれもが参加できる。
 食器や家具など業務用の資材を安く手に入れようとする業界関係者、イーベイなど (日本のヤフーオークションに相当) で転売して小づかいを稼ごうとする個人、消滅したホテルのロゴグッズなどを集める収集マニア、何か欲しい物があれば買おうかなといった程度のごく普通の一般人など、幅広い層の人たちが詰めかける。
 ちなみにスターダストホテル (11月 1日、48年の歴史に幕を閉じ、すでに閉鎖済み) は、数ヶ月以内に爆破解体される予定で、解体後の跡地には、ホテル、カジノ、コンドミニアム、ショッピングモール、コンベンションセンターなどから構成される大型複合施設が建設されることになっているが、そんなことはともかく、今回のオークションは、連日 1000人以上の人が集まり 5日間に渡って盛大に行われた。

 5日間も要するのには理由がある。それは単純に販売対象の品数が多いからだ。種類だけで 5000以上、総数に至ってはもはや数え切れないほどで、たとえば、ボールルームなどで使われるイスや食器類は同一のアイテムだけで何百、何千という数が売りに出される。
 なお右の写真は活気あふれるオークション現場の様子。競売商品が大型スクリーンに映し出されると同時に、威勢のよいかけ声が飛び交い金額が上昇していく光景は見ているだけでも楽しい。

 どんな物品が売りに出されていたかというと、スロットマシンなど法令により自由な売買が規制されている物を除く 「ホテル内に存在しているすべての物」 といった感じで、想像できる範囲の物はほぼ間違いなく売りに出されていると考えてよい。
 たとえば、残った トイレットぺーパー (← クリックで写真表示。以下同じ) といった実用的な消耗品から、 ショーのダンサーが身に付けていた衣装 のようなマニアックなモノ、そしてカジノキャッシャーで使っていた 金庫大型紙幣識別機 のような重々しい什器や機器、さらには 道路清掃車輌 やイベント用の移動スタンド (写真左上) のような業務用大型商品までなんでもありだ。
 参考までに文末にその他の競売品を列挙してみた。一般の観光客にとっては無縁の業務用アイテムがほとんどだが、クリックして表示される写真は、その物品が今まで置かれていた現場で撮影されたものなので、たとえば紙幣識別機の写真からは、映画でしか見ることができなかったカジノキャッシャーの裏側の様子がわかったり、また、厨房関連の装置や機械類の写真からは大型ホテルのレストランの裏側を垣間見ることができるなど、オークションとはまったく別の楽しみ方もできるので、興味がある者はクリックしてみていただきたい。

 さて気になる落札相場についてだが、箱を開けていない新品のテレビが一般市場価格の8割前後で落札されていたことを考えると、決して安いとは言えないようだ (もちろん 8割を十分に安いと考えることもできるが)。
 また、その他の特種なモノ、たとえばネオンサインやロゴ入り看板などは 1000ドル以上の値が付くことも多く、一般人から見ればかなり高いという印象を受けるが、マニアにとっては安いのかもしれず、そのへんの価値観や値頃感はなんともコメントのしようがない。

 参加は前述の通り、だれでもOKで、当日現場に飛び込みで行けば参加可能だ。ただし 500ドルの参加デポジット (預かり保証金のようなもの) をその場で納める必要があり、それは現金もしくは小切手で受け付けておりクレジットカードは不可となっている (クレジットカードは、販売店側で手数料が発生するため、使うか使わないかわからないデポジットには不都合)。
 オークションの現場で競り落とした商品に対しては、その金額の 25% が手付け金としてその場でデポジットから引き落とされ、残りの 75% は 24時間以内に支払う必要があり (これはクレジットカードもOK)、支払わないと購入義務不履行ということで、その 25% の手付け金は没収されてしまう。
 つまり、落札するためには常にその金額の 25% の手付け金をデポジットとして差し入れておく必要があり、高額商品のオークションに参加する場合は、事前にデポジット金額を多めに納めておかなければならない。

 その他の注意としては、オークション手数料との名目で、競り落とした代金の 10%、さらにそれにセールスタックス (消費税) が 7.75% 加算されるので、入札に参加する際はそれら費用も忘れないようにしたい。
 物品の受け取るための梱包や運び出し作業などはすべて自分の責任においてやる必要があるが、日本の宅配便のような業者が会場に受け付けブースを出しているので、落札品の出荷をそれら業者に委託することは可能だ。

 以上のルールはあくまでも今回のスターダストでの話であって、今後行われる他のホテルでのオークションでは変わる可能性があるが、オークションを取り仕切っているのはホテルではなく専門業者なので (今回の場合、Great American Group 社)、同じ業者が担当する限り似たようなルールになると思われる。
 さて今後のオークションに関してだが、次に閉鎖されるホテルとして考えられるのは、インペリアルパレス、ニューフロンティア、バーバリーコーストなどで、またトロピカーナも現在の建物を残しながら新館を建設するとのことだが、遅かれ早かれすべて古いものは処分されるはずで、オークションの対象となるだろう。

 以下は今回オークションにかけられていた数ある商品の中のごく一部。クリックで写真を表示。

■ 車体も人形も競売品。マニアならノドから手が出るほど欲しい?!
■ こんなモノだれが買う? 過去のイベントで使われた司会者用のロゴ入りスピーチスタンド。
■ マニアックな収集家に人気がありそうな手頃なサイズのネオンサイン。
■ マニア垂涎の的! 過去のイベントに使われたスターダストミサイル。
■ 日本だと置くところがないが、アメリカのマニアなら気軽に買ってしまいそうなガラクタ。
■ 常識的な人でも買う可能性がある極めてまともな数少ないカジノアイテム。
■ 意外と小さいカジノキャッシャーの金庫と、設置密度が高い監視カメラ。これも競売品。
■ カジノキャッシャーの奥の奥にある小部屋内の古ぼけた金庫とエアコンプレッサー。
■ カジノキャッシャーの天井にあるおびただしい数の監視カメラも競売対象。左の花は無関係。
■ カジノキャッシャーの奥にある部屋に置かれた大型高速コインカウンター。
■ カジノキャッシャーの窓口の反対側からカジノを見たところ。天井に監視カメラ多数あり。
■ カジノキャッシャー内に置かれたセーフティーボックス。
■ これは競売商品ではないが、カジノ内の現金保管部屋の壁に掲示されている注意書き。
■ 監視カメラの密度が最も高い部屋。これら機器もすべて競売品。
■ 山のように積まれたテーブルゲーム台のドロップボックス。
■ スポーツブックの大型スクリーンも競売対象品。
■ カジノ客向け紙幣交換機。処分せずに系列ホテルで使えばよさそうだがこれも競売品。
■ つい最近まで使われていたクラップス台。
■ かなり古いと思われる色あせたバカラ台。
■ この程度の大きさの家具ならば、個人でも楽に買えそう。
■ 個人が買うには、この程度の大きさの家具までが限界か。
■ 客室のテレビが故障した際の取り替え用として保管されていた新品のソニーの WEGA。
■ 見知らぬ人が何十回も使ったと思われるバスローブ。どういう人が買うのか。
■ 家庭でも使えるシルバーキャンドルホルダー。
■ 懐古調のポスターや絵は個人にも人気がありそう。
■ このようにまともなグランドピアノもあれば、
■ 音が出そうもないこんなボロボロの古いピアノもある。
■ スターダストホテルで最高レベルのスイートルームのベッド。
■ スターダストホテルで最高レベルのスイートルームのビジュアルオーディオセンター。
■ スターダストホテルで最高レベルのスイートルームのリビングソファ。
■ いくつ在庫があるかもわからないほどたくさんあるイス。
■ 受付の天然石製のカウンタートップ。だれが買ってどうやってサイズを合わせるのか?
■ この種の絵や写真を欲しい人はたくさんいそう。
■ バフェィのテーブルセットや装飾品。この程度のサイズなら個人でも使えるかも。
■ 個人で買っても使えそうもないバフェィの料理陳列台。
■ カラフルだが、こんなモノだれが買うのか? ファーストフード店のメニューボード。
■ レストラン TONY ROMAS のブース席と壁の絵も競売対象。
■ 個人で買う者はまずいないと思われる業務用の大型吸い殻入れ&ゴミ箱。
■ 厨房内のホットドッグマシンは意外と小さい。
■ 大型ホテルの厨房の流し台はこんな感じ。
■ 個人で買うには多すぎるワイングラス。
■ これは調理鍋とのこと。さすがに業務用は超巨大。個人で買う者はまずいないだろう。
■ 業務用冷蔵庫。レストランオーナーなど、買い手はいくらでもいそう。
■ 業務用調理台。サイズは巨大だが火力はどうか? 本格的な中華は無理かも。
■ 清掃部門の小道具一式。
■ ランドリールームの巨大さにはビックリ。クリーニング済みの衣服を吊るすハンガー。
■ この種の事務機器はすぐに時代遅れになるので、買い手がいそうでいないかも。
■ 古ぼけたシャンデリア。
■ 業務用の巨大ドライクリーニングマシン。


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