週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2006年 10月 04日号
笑えるマジックショー "Nathan Burton Comedy Magic"
 今週は、かなりマイナーだが、安くてそこそこ楽しめる愉快なマジックショー "Nathan Burton Comedy Magic" を紹介してみたい。

 まずはこのマジシャン Nathan Burton 氏、地元民にはそこそこ知られる存在だが、日本人の間ではほとんど無名だ 。
 その名前から、だれもが 「ランスバートンの弟か?」 と思ってしまうが、あのランスとはまったく関係ない。

 彼の名前が地元で知られるようになったのは、なんといっても数年前にアラジンホテルのショッピングモール・デザートパッセージで行われた公開断食で、彼はそのショッピングモール内の広場に置かれた大きなガラスケースの中に入り、一週間飲まず食わずのパフォーマンスを演じた。
 その内容はともかく、彼のラスベガスでのプレゼンスはそれをきっかけに日増しに高まり、そしてこのたび、スポットではなく常駐ショーとしてコメディーマジックを公演することになった。

 実はこのショー、先週とか先月に始まったわけではなく、初演は 5月 27日、つまりすでに約 4ヶ月が経過している。
 もっと早く紹介すべきだったが、まさかこれほど長く続くとは思わず、紹介するのを見合わせているうちに 4ヶ月もたってしまった。
 聞くところによると、なにやら最近は満員御礼らしく、ひょっとするとこのまま長期的に定着する可能性も出てきている。
 その一方で、興行上のゴタゴタなどからいろいろ争議も抱えているようで、いつ打ち切りになってしまうかわからないという不安要素もあると聞く。それでも英語力を必要としないコミカルなショーとして、日本人観光客にとっては貴重な存在なので、とりあえず知っておいて損はないショーだろう。

 会場は、その断食をやった場所、つまりデザートパッセージ内にある Vシアターで、2ヶ月ほど前にこのコーナーで紹介した "POPOVICH Comedy Pet Theater" と同じだ。時間帯も POPOVICH 同様、ナイトショーではなくアフタヌーショーとなっており、開演は午後2時。
 タイトルに "Comedy" が付いているが、普通のコメディーショーのようにしゃべりまくるわけではなく、あくまでもマジック中心なので、語学力はほとんど必要としない。

 では何がコメディーなのか。それはマジックそのものがおもしろおかしく演じられるということで、たとえば、電子レンジに見立てた装置の中に主役のバートン氏が入り、スイッチを押すと、煙が出て一瞬のうちに黒こげの黒人に入れ替わってしまう、といったたぐいのコミカルなマジックを多数楽しむことができる。
 あまり細かく説明してしまうと楽しみがなくなってしまうので、あと2つだけ紹介しておくと、大きな木箱の上にトイレ(洋式の便器) が置かれ、そのトイレの中に人間 (アシスタントの男性) を頭からさかさまに押し込み、バートン氏が水を流すと、その人間はトイレの中にゆっくりと流れるように消えていってしまう。当然のことながら下の木箱の中にいると思われるが、木箱の扉を開けると中に人はいない。水を流す効果音と人が消えていくタイミングが実に絶妙で、とにかくコミカルでおもしろい。
 もうひとつは巨大ヘアドライヤーを使ったマジック。アシスタントの女性がそのヘアドライヤーの吹き出し口の部分をのぞき込むようなカタチで頭を近づけ、そこでバートン氏が電源スイッチを押すと強風が吹き出し、女性の身体は風になびくように水平に持ち上がってしまう。つまり頭だけがヘアドライヤーに接した状態で身体のすべてがふわふわと水平に浮く。まるで鯉のぼりのようだ。写真で見せることができないのが残念だが (この写真は公開していないとのこと)、これがまた不思議であると同時に、動きが非常にこっけいで場内は爆笑に包まれる。

 正味約 50分とかなり短めだが、料金も $36 と他のショーに比べ安めで、ランチ後の暇つぶしとしては、時間的にも料金的にも手頃なショーと言えそうだ。(広告などでは $30 となっているが、実際には手数料と称する意味不明の料金と税金が加算され $36 徴収される)
 欠点はこの会場特有の視界の悪さで、フロアに傾斜がまったくなく、座高が低い者は前の席の人の頭などがじゃまになりステージがよく見えない。指定席ではないので、なるべく早めに入場するか、入口から客席に案内してくれる現場スタッフにチップを渡すなりして、出来るだけステージに近い席を確保するようにしたい。
 公演時刻は前述の通り毎日午後2時で、休演は金曜日。チケットは劇場の目の前にあるボックスオフィスで買うことができる。さきほど満員御礼と書いたが、この会場は椅子を並べるだけのフレキシブルな座席配置になっているためか、なんとか入場できてしまうのが普通で、日本を出発する前に手配する必要はないだろう。
 なお、アラジンはまもなく 「プラネットハリウッド」 に名称が変り、デザートパッセージも 「ザ・ミラクル・マイル」 に変る予定なので、今後シアターを探したりする際には注意が必要だ。


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