週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2006年 07月 26日号
夏休み子連れファミリー族に最適のショー "POPOVICH"
 このたびアラジンホテルのショッピングモール・デザートパッセージ内にある簡易劇場 「Vシアター」 で、動物を使った楽しいショー "POPOVICH Comedy Pet Theater" が始まった。

 動物といってもトラやゾウが出てくるわけではない。イヌとネコばかりだ。ではイヌやネコが突然消えたりするのか。いや、そうではない。これはマジックではないので、消えたりすることはない。
 では何か。ひとことで言ってしまえば、イヌやネコを使った曲芸だ。大したことがないようにも思えるが、これが実に楽しい。特に小学校低学年ぐらいまでの子供なら大喜びすることだろう。もちろんおとなも楽しめるし、高齢者にもウケる。つまり親子三代で楽しめるショーというわけだが、この種のものをバカにしてしまいがちな中学生や高校生ぐらいの世代にはウケないかもしれない。

 やっていること自体は、ネコの綱渡り、イヌの縄跳び、イヌの学校 (写真左、クリックで拡大表示)、イヌとネコの電車ごっこ、などで、あっと驚くような斬新な芸はほとんどない。
 それでも会場がすごく盛り上がるのは主役の POPOVICH 氏のキャラクターとそのコミカルな演技だろう。基本的に彼はピエロになり、終始とぼけた表情で観客や動物に接する。そのこっけいな彼の表情に対して、まったく笑いもせずにまじめに応じるイヌやネコ (当たり前だが) の様子が、まるで日本の漫才のボケとツッコミのようでおもしろい。

 そして忘れてはならないのが、彼はピエロを演じるコメディアンであると同時に、世界的なジャグラーであること。とぼけたキャラクターのままで難易度の高い大わざを繰り広げる。また、動物を使った演技と、そのジャグリングの間合いの取り方も絶妙で、会場を飽きさせない雰囲気作りはさすがだ。
 ちなみに彼はボリショイサーカスの一員として日本でも演じたことがあるという。また、ラスベガスのサーカスサーカスホテルで無料ショーに毎日何度も出演していたなど、決して華やかな道を歩んできたわけではないが、それなりに経験は豊富で、それが今の演技に生かされている。
 そして今回やっとつかんだラスベガスでの定期公演ワンマンショーの機会 (これまでもワンマンショーは行なってきたが、地方都市を転々としていた)、「とりあえず 1年は続ける予定」 とのことだが、何ごとにおいても競争が激しいラスベガス。集客が芳しくなければすぐにでもクビを切られる厳しい世界だ。
 ピエロのキャラクターであることを忘れずに、「コンニチワ」、「アリガトウ」 などの日本語をたくさん並べながらおもしろおかしく取材に応じてくれた彼のまじめな人柄には好感が持てたので、最低でも1年、なんとしてでも頑張ってもらいたい。

 場所は冒頭で述べた通りアラジンホテルのデザートパッセージ内の Vシアター。
 ちなみにアラジンはまもなく 「プラネットハリウッド」 に名称が変り、デザートパッセージも 「ザ・ミラクル・マイル」 に変る予定だ。今後シアターを探す際には注意する必要がある。

 なお、ここまではいいことばかりを書いてきたが、このシアターだけはいただけない。平らなフロアにイスを並べただけの客席と、小学校の体育館のものよりも狭いと思われる質素なステージ。見た目にも、実際の機能的にもあまりに貧弱だ。
 特に問題なのが視界の悪さ。子供向けのショーであるにもかかわらず、フロアに傾斜がまったくないため、座高が低い子供は、前の席の者がじゃまになってステージ面がまったく見えない。
 そもそも前に人がいなくても、客席の方が低いのでステージの表面は非常に見づらいわけだが、さらに運が悪いことに、見る対象が人間、つまり POPOVICH 氏だけならまだしも、ステージ上を走り回るイヌやネコも見る必要があるので、小さい子供にとっては非常に厳しい環境だ。
 指定席ではないので、なるべく早めに入場するか、入口から客席に案内してくれる現場スタッフにチップを渡すなりして、出来るだけステージに近い席を確保するようにするとよいだろう。

 開演日時は金曜日を除く毎日 3:30pm。夜のショーではないので子供にとっては負担が少ない。正味時間もちょうど1時間と短めだ。
 チケット料金はまだ最終的に決めかねているのか、それとも需給バランスによって臨機応変に変えようとしているのか、かなり流動的のようで、さまざまな料金が地元メディアの間に出回っているが、7月 24日の取材時においては、おとな $34、子供 (2才〜12才) $20 だった。チケット売り場は劇場の前。オンライン販売は準備中とのこと。


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