週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2006年 07月 19日号
ナイトクラブが空前の大ブーム、現状と裏事情を徹底調査
 今ラスベガスは空前のナイトクラブブーム。どこのホテルもそれの新設・開業に躍起で、ここ 1-2年でラスベガスのナイトクラブの数は急増した。
 週末ともなれば、ウィンの TRYST、ミラージの JET、ベネシアンの TAO、シーザーズパレスの PURE、などの人気クラブの前には長蛇の列ができ、その異常なまでの過熱ぶりにはだれもが驚くことだろう。その長蛇の列を見て、「これはなんの行列だ?」 と思った日本人観光客も多いに違いない。
 しかし実際に日本人観光客がそれらクラブを利用したという話はあまり聞かない。一方、「ナイトクラブのシステムがわからない」 といった声はときどき寄せられる。
 たしかに昨今のナイトクラブはそのシステムが難解で、すべてが謎に包まれているといっても過言ではないほど、初心者にはわかりにくい。
 今週は、主要ナイトクラブおよびラウンジ 17ヶ所を約2ヶ月かけて調査してみたので、それをレポートしてみたい。
 なお、この調査は、メディア取材として営業時間外に現場責任者などに会うだけでは意味がないので、営業時間内に一般の客と一緒に現場を訪れて行なったものである。

 さてその調査結果だが、やはり噂通り、いろいろな意味で不確実・不明瞭な部分が多く、ナイトクラブ自体の定義、入店方法、営業日、料金、予約方法、すべてが流動的で、明文化された情報や案内はどこを探してもほとんど見当たらなかった。
 なぜそうなのか。それはナイトクラブそのものが流行のまっただ中にあり、進化の途中だからであろう。つまり経営側も利用者側もその激しい変化についていけず、試行錯誤にあれこれ試している段階というわけだ。その証拠に、料金体系など (特にテーブル料金)、半年前とはまったく違ってしまっている店が多い。
 したがって、以下は現在のナイトクラブの最新事情であって、今後どう変化するかはわからない。それを承知の上で読んでいただければ幸だ。


 「ナイトクラブはかつてのディスコと同じようなもの」 と言ってしまえば簡単だが、その定義は極めてあいまいで非常にわかりにくい。
 その最大の理由は 「ラウンジ」 の存在だ。ラスベガスには 「ナイトクラブ」 と呼ばれる店と 「ラウンジ」 と呼ばれる店が共存しており、両者は極めて酷似している。ちなみにここでいう 「ラウンジ」 とは、従来の単語が意味するようなラウンジや、だれもがイメージするラウンジではない。とにかく新しい概念のナイトスポットとしてのラウンジで、従来の概念と区別するために、あえて 「ウルトラ・ラウンジ」 と呼ばれたりすることもある。
 一般的には、「ラウンジはナイトクラブに比べて規模がやや小さいのが普通」 というのが定説だが、この分野の専門家にいわせると、必ずしもそうとは限らず、ハード的な部分での定義付けはむずかしいようだ。ただ言えることは、ラウンジには 2時間も3時間もいないのが普通で、クラブのように長時間滞在して深夜2時3時まで遊ぶことはまずない。ちがいは雰囲気などのソフトの部分にあるといってよいだろう。
 それでもナイトクラブには必ず踊るためのフロアがあるが、ラウンジの場合、必ずしもそれがあるとは限らず、ハード的な差異がまったく存在しないわけではない。
 また、別の要素で定義付けしようとする者もいる。「席が空いていれば座れる場合もある」 のがラウンジで、「空いていても一般客は座れない」 のがナイトクラブ、という考え方だ。空いていて座れない理由はこのあとで説明するが、とにかく最近のナイトクラブにおいては、座るためには 「テーブルを買う」 という特種な行為が必要で、その料金は異常なまでに高く、曜日にもよるが、500ドル以上も珍しくない。もっとも、700ドル以上でテーブルを売るラウンジも存在しているので、やはり両者の区別はむずかしい。

 参考までに、たとえば最近登場した人気店でいえば、ウィンラスベガスの TRYST はクラブで、LURE はラウンジ。同様に芸能人に人気のパームスでは、RAIN がクラブで、GHOST BAR はラウンジ。古くからある店でも同様で、たとえばリオの Club RIO と Voo Doo Lounge はその名が示す通り前者がクラブで後者がラウンジということになるわけだが (かつての Voo Doo Lounge を知る者は、コンセプトが大きく変ってきているので要注意)、ちなみにこれら店にはすべてダンスフロアが用意されている。一方、MGMグランドでは、そのナイトクラブ Studio-54 にはダンスフロアがあるものの、ラウンジ TABU にはそれがない。
 「だれでも自由に座れる席」 は、上記の店では Voo Doo Lounge に一部存在している以外、ほとんど無いのが現状。結局、クラブとラウンジの違いは 「規模の差」 と考えるのがよいかもしれない。
 なお、以下のレポートは、ナイトクラブを中心に書き上げたものだが、「Lounge & Nightclub」 と称している店もあったりするので (TI の Tangerine など)、ラウンジの情報が含まれていることをあらかじめ了解いただきたい。ちなみに、今回実際に取材した店は次の通り:

PURE (Caesars Palace), TAO (Venetian), TRYST (Wynn), JET (Mirage), RAIN (Pamls), RA (Luxor), Tangerine (TI), Light (Bellagio), Body English (Hard Rock), Rum Jungle (Mandalay Bay), Coyote Ugly (New York NY), OPM (Forum Shops), Studio-54 (MGM Grand), Risque (Paris), Voo Doo Lounge (Rio), GHOST BAR (Palms), TABU (MGM Grand)


 人気店では、行ったその場ですぐに入場できるということはまずあり得ない。とにかく長時間待たされる。それは、内部が混雑しているからではなく (もちろん混雑していれば待たされるが)、待たすことが営業上の重要な戦略となっているからだ。人気店になればなるほど、混んでいようがいまいが客を待たせる傾向にある。
 ようするに、長蛇の列になった方が人気があるように見えるばかりか、客にとっても、すぐに入れた時よりも 2時間待って入れた時の方が喜びやありがたみが大きく、店の価値も上がるという図式だ。そんな理由から、意図的に行列が長くなる戦略が取られるわけだが、人によっては、その待つことも興奮を盛り上げるための楽しみのひとつだという。
 では全員が2時間待たされるのかというと、そんなことはない。待ち時間は客のカテゴリーによって大きく異なる。差別がすぐに裁判沙汰になるアメリカにおいて、こんなルールがまかり通っていること自体、不思議に思われがちだが、入店の順番は入口の担当者の気分次第ということが少くない。いや少なくないどころか、非常に多い。
 たとえば、「イケている女性はすぐに入れるが、汚い格好をした男は2時間待ち」 などといったことが当たり前のように行なわれている。
 そんなバカな、と思う者は実際に現場に行ってみるとよい。「女性専用の列」、「一般の列」、「VIP用の列」、「テーブル予約者」 などといった差別的とも思われる看板が置かれていることがわかるはずだ。慣れない者にとっては納得しがたいシステムだが、そのような店はまだいい方かもしれない。そんな看板すらなく、現場担当者が気分ですべてを取り仕切っている店もあり、その方がさらに不明瞭だろう。
 人気店での週末の待ち時間は 「一般客」で約1〜2時間というのが相場だ。待たずにすぐに入れる、つまり一番早く入れるのが 「セレブと一緒」、もしくは 「セレブや誰かの紹介」 として予約を入れてある者で、その次は 「テーブル予約者」、そして 「イケている女性のグループ」 などといった順番だが、これについても特に明確な基準はない。かつての日本のディスコ、そして今の日本のクラブにおいても多かれ少なかれこの種の差別化が戦略的に図られているようだが、アメリカの方がさらにそれが強調され進化しているように思える。

 差別に対するアレルギーが強いアメリカ社会において、大新聞などの大手メディアはこの種のアブナイ話題からは距離をおいているのかと思いきや、ごく当たり前のようにおもしろおかしく書いているところが興味深い。たとえば、地元有力紙ラスベガスリビュージャーナル紙は、ハードロックホテルにオープンしたクラブ "Body English" を紹介する記事の中で、その待ち時間を 「Nanosecond for attractive women, one to two hours for most everybody else.」 とした上で、さらにジョークで 「Average normal looking guy, bring a book. Group of average normal looking guys, bring a lunch.」 と書いている。
 もはやこの種の差別的な入店規制は公然と認められている周知の事実で、とにかく一般の者は待たされるという覚悟で行く必要がある。なお、これは人気店だけの話で、人気がなければ入口の前は閑古鳥ということも覚えておこう。


 何曜日にオープンするかも流動的だが、一般的には、週末だけオープンという店が多い。また最近は、かなり固定的になりつつあり、営業日がころころ変わる店は少なくなってきている。それでも、週末だけオープンすることになっている店が、突然、月曜日や火曜日に営業することもあるので、ラスベガス旅行の直前に、行きたい店の公式サイトなどで営業日を確認しておいた方がよいだろう。なお、オープンする時刻は 10:00pm に設定している店が多く、終わりの時間はおおむね朝4時ごろというのが一般的だ。


 これはかなり流動的で、客のカテゴリーや曜日などによって激しく変動する。また、同じ日でも、時間帯によって変ることは珍しくない。
 一般的に、地元民の女性は曜日や時間帯に関係なく無料の場合が多い。観光客の女性も無料もしくは割引になることが少なくないが、地元民の男性が割引になることはほとんどない。観光客の男性は例外を除き、常に有料と考えた方がよく、その料金は 30〜50ドル程度。なお地元民かどうかは運転免許証などの提示で確認する。
 女性を優遇している背景には、それなりの理由がある。それは女性を多く集めないと、男性客が来ないからだ。ではなぜ男性客が欲しいのか。某店のマネージャーが匿名を条件に打ち明けてくれた話によると、「テーブルを買ってくれるのは常に男性で、そのテーブルの売上げが収益の大部分を成しているから」 とのこと。


 テーブル料金とは 「すわる権利」 のようなもので、すなわちこの 「テーブルを買う」 という行為をしない限り、店内では立ちっぱなしということになる。空いている席に勝手に座ろうと思っても、髪を短く刈り上げた黒いTシャツ姿の大男が各席の前で仁王立ちになっているのでそれはできない。
 何百人もの客でごった返している中 (不人気店の場合、必ずしもそのように混んでいるとは限らないが)、長時間まったく座れないというのもつらいもので、だれもがテーブルを買いたくなってしまうが、この料金が飛び抜けて高く、前述の通り 500ドル以上も珍しくない。

 「たかが座るためだけにそんな大金を払う者がいるのか? 高級フレンチレのディナーより高いではないか!」 と思う者はこの世のメカニズムがわかっていない。ナイトクラブでは男が女を求め、女はいい男に声をかけられるのを待つ。それがこの世の摂理で、そして男は高級フレンチよりも女を食べたいのである。そのためには何百ドルしようと、男はテーブルが必要なのだ。なぜか? 
 テーブルがないと、ナンパしても女が来てくれないからだ。踊って疲れた女たちは、早く座りたいのでテーブルを持たない男には見向きもしない。
 男がテーブルを買う理由はもう一つある。男も女も、入店するのにかなり待たされることを知っているわけだが (よほどの美人は待つ必要なし)、テーブルを事前に予約していると、たとえ顔や容姿が不細工でも瞬時に入店できる。つまり、「テーブル予約してあるんだけど、今夜クラブに行かない?」 という誘い文句は不細工な男にとってはとてつもなく強力な武器になり、それは高級フレンチ料理よりも価値があるというわけだ。

 ではその予約方法や料金体系はどうなっているのか。実はそれがあいまいというか、意図的にわかりにくくしている部分もあり、その予約の電話番号を公表していない店すらある。つまり誰かの紹介がないと予約できないようにしてあったりするわけだが、それは希少価値を持たせたり、優越感を与えたりするためのマーケティング戦略で、長蛇の列を作ることと一緒になって相乗効果を発揮している。もちろんこれは人気店だけの話で、そうではない店では、始めから待ち時間がないので予約の電話番号を隠す必要も公表する必要も無い。
 なお、かつて読者から、「人気店の場合、事前にテーブルを予約せずに、入店してから買えるのか?」 との質問を受けたことがあるが、テーブルが空いていればそれは可能だ。だがそういうケースはあまり現実的ではないと考えた方がよいだろう。なぜなら、人気店の場合、そもそも空きテーブルがないという理由もあるが、「テーブルを買う」 という行為は、「入店の際に待たないですむ」 という特権を買うことを意味しており、長時間並んでから数百ドルもするテーブルを買うということはその権利を放棄しているようなもので、原則としてだれもそういうことはしないからだ。もちろん人気がない店で、飛び込みで待たずに入店し、その後すわりたくなってテーブルを買うということはあり得る。

 テーブル料金は、曜日、時間帯、人数、位置などによって大きく異なり、明文化されたインフォメーションはほとんど存在しない。あったとしても毎晩そのつど印刷しているといった感じで、固定的な料金は表向きには公表されていない。ただ最近は、「テーブルを買う」 こととほぼ等しい意味を持つ 「ボトルを買う」 ことの料金表、つまり各ボトルの値段をハッキリ明示している店が増えてきている。
 その気になる料金だが、非常に大ざっぱに言ってしまえば、基本的なテーブルの場合、4人まで 200〜800ドルといったところか。なおこの料金にはワインやシャンペンの類のボトルが1〜2本付いてくるのが普通だ。つまみ類は、まれに簡単な乾きモノが付いてくる店もあるが、原則として食べ物は何もないと考えた方がよい。
 参考までに、テーブルを持たない入場者 (大多数の者) が何か飲みたくなった場合は、店内にあるバーカウンターに出向いてそのつどビールなどを買うことになるが、その場合の相場はビールで 6〜7ドル、カクテルで 10ドル前後といったところか。


 人気店になればなるほどドレスコード、つまり服装にうるさい。といっても、ジャケットが必要というわけではなく、よほどだらしない格好以外は入場可能だ。
 ではなぜドレスコードが必要なのか。実はこれもマーケティング戦略で、いわゆる不良などを入場させない目的と (地元の不良などは、ある程度決まっただらしない格好をしている)、入口の黒服のスタッフが、「キミは入れてあげない!」 と入店拒否するための理由を少しでも多く持つためと言われている。実際に今回の取材で、入店拒否された者を何人も見かけたが、その多くは、服装よりもシューズを理由に拒否されていたことは興味深い。とにかく不細工な男がスニーカーで入場しようとすると、入店拒否される確率が高いようだ。
 ついでなのでもう一つ入店拒否についてふれておくと、入店の際、ID、つまり写真付きの身分証明の提示が求められる。大多数の者にとっては運転免許証だが、海外からの観光客はパスポートということになるので、日本人観光客はパスポートの持参が不可欠だ。
 これは年齢チェックだけでなくセキュリティー上の理由もあるので、若く見えない者も例外なく提示を求められる。ちなみに 21才以上が入店の条件だが、ニセモノの運転免許証 (アメリカの若者の世界ではごく普通のこと) や兄や姉の運転免許証を持ってくるティーンエイジャーがあとを絶たず、若く見られる者の IDチェックは非常に厳重だ。懐中電灯で顔を照らされ、ホクロの位置までも念入りにチェックされたり、また現場スタッフが、運転免許証を曲げたりこすったりしながらニセモノかどうかチェックしている場面は毎日見られる光景だ。
 さて、よく受ける質問、「パスポートはコピーでも大丈夫か?」。自分の顔がブラッドピットやデカプリオと似たようなレベルと思ってる者、ブリトニースピアーズ並みのぶっ飛び系の服に身を包んでいる者などは別だが、一般の者は、コピーでは入れないと考えておいた方がよいだろう。黒服の受付スタッフは絶大なる権限を持っており、また常に機嫌が悪い。せっかく1時間並んで自分の順番が来ても、「コピー? じゃぁ帰ってください、お疲れ様でした!」 と言われてしまってはあまりにも悲しいではないか。


 とにかくナイトクラブは通常のレストラン経営などとはまったく異なる価値観や経営戦略で運営されている。簡単に言ってしまえば、客よりも店の方が態度が大きいという雰囲気作りだ。
 実際はレストランなどと同様、どこのクラブにおいても 「お客様が神様」 であることに変りはないわけだが、見かけ上、入店できることに希少価値や優越感を与えるために、「入店させてあげる」、「イヤだったら来なくていい」 といった態度で客に接してくる。また、たとえ店内がガラガラにすいていても、意図的にある程度並ばせて長時間待たせる戦略が取られるのも、すべてはテーブルを売るためのマーケティングだ。つまり、テーブルを買ってくれた人には 「並ばなくても入れる」 という優越感や目に見えるカタチでの特権を与える必要があり、そのためには、一般の客が簡単に入店できてしまったのではマズイのである。
 一見バカげたシステムで、これには賛否両論あろうが、とりあえず現時点ではそれでうまく機能しているようだ。ただ、そういったシステムやマーケティング戦略が通じているのは人気店だけで、人気店にならなければその戦略はうまく使えない。したがって最近は、クラブの世界も 「勝ち組」 と 「負け組」 にハッキリ別れ二極分化する傾向にあるようだ。

 おもしろい話がある。ホテル王・スティーブウィン氏の失敗談だ。じつは 2005年4月末に開業した豪華ホテル・ウィンラスベガスは、オーナーのウィン氏も積極的に関与したとされるゴージャスなナイトクラブ La Bete を、ホテルの開業とほぼ同時に華々しくオープンさせた。(右写真はその看板。2005年 4月撮影)
 しかし人気はサッパリで、3ヶ月も経過しない同年 7月、いさぎよく閉鎖を決め、秋には実際に店を閉じてしまった。
 「クラブ運営はホテル運営とはまったく別のノウハウが必要であることがわかった」 (ウィン氏) と失敗を認め、数百万ドルかけて内装から運営までを全面的に変更することにした。たしかに、客をわざと待たせる戦略など、ホテルマンには理解しがたい異次元のマーケティングだろう。
 そのような経緯をたどり、La Bete はその名を TRYST に変え、クラブ運営の専門集団 (ハリウッドで実績を築いた Victor Drai 氏らのチーム) の手にゆだねられ今日に至っているわけだが、結果的に大成功をおさめ、現在はラスベガス屈指の人気店になっている。クラブの運営は極めて特種であることを如実に物語る逸話といってよいだろう。

 クラブはレストランと違い、目に見えるカタチでの商品をほとんど持っていない。実際に売っているものは、せいぜい飲み物ぐらいで、彼らにとって重要な商品は店の雰囲気、つまり完全なソフトだ。それはインテリア、DJ、音楽、照明といった物理的に存在するハード的な要素も関係してくるが、大部分は、「先週ブリトニースピアーズがやって来た」 とか 「マドンナが誕生日パーティーをこの店でやった」 といった無形の付加価値や、客層のレベルや品格、そして入場制限などで創造する希少性や優越感など、ソフト的な要素ばかりだ。
 そこに自分の座席を確保するために数百ドル払うかどうかは個人の価値観だが、現在のような運営方針で活況を呈しているブームがいつまで続くのか、こればかりは専門家でもまったく読めていない。数年以内に終わってしまうだろうと予想する者もいる反面、男女の出会いが需要の根底にある限りビジネスは長続きする、との見方もある。
 これまでこの街ではカジノとナイトショーがエンターテーメントの中心だったが、不夜城ラスベガスにピッタリの新たな文化としてナイトクラブは根付くのか。それとも一過性のブームとして、やがて消えてしまうのか。ラスベガスファンとしては興味が尽きない。


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