週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2006年 06月 28日号
ランスバートン、10周年を機会に内容を刷新
 1996年 6月 21日にモンテカルロホテルで始まったマジックショー Lance Burton Master Magician が、このたび 10周年を迎え、その記念公演と、メディア関係者らを集めた祝賀パーティーが 21日、同ホテルの専用シアターおよびボールルームで行なわれた。
 それ自体は大した話題ではないが、この 10周年を機会にショーの内容が新しくなったというのであえて現場に足を運んでみた。今週はそれについてレポートしてみたい。
(右の写真はこのショーの広告と、モンテカルロホテル。クリックで拡大表示)

 まず 10周年に至るまでの経緯について簡単にふれておこう。80年代、トロピカーナホテルのナイトショー Folies Bergere の中の一コマを任されていたランスバートンは、次第に自分だけのショーを持ちたいと考えるようになり、92年にハシエンダホテル (現マンダレイベイの位置に存在していたホテル) へ移籍。
 約 5年間、そのハシエンダで地道に公演を続けていると、次第に知名度もアップし、やがてマジシャンとしてさまざまな賞を受賞するようになる。その実績が評価されたのか、96年、新規オープンすることになったモンテカルロホテルから声をかけられ、専用シアターの建設を条件に 13年契約を結ぶことに。その後、約 4000回の公演を重ね今日に至っている。
 したがって、このたびの 10周年で、残りあと 3年ということになるが、契約を延長するかどうかはまだ未定とのこと。

 短命で終わるショーが多い中、10周年を迎えられたことは、素直に評価されるべきで、そのマイルストーンを祝福するために、記念公演および祝賀パーティーには同業者であるマジシャンのペン&テラー、クリス・エンジェル、マック・キング、さらにはクリント・ホームズ、ビル・アコスタを始めとする地元の著名人が多数詰めかけた。(右の写真は、祝賀パーティーで来賓を前にスピーチするランスバートン)
 そして来賓一人ひとりと握手したり歓談しなければならない忙しいランスがパーティーの間、終始一緒にいたゲストがいる。いやゲストと呼ぶべきではないかもしれないが、その人物は母親 Hilma Burton さんだ。(写真左下)
 記念公演の最中にも、「本日はスペシャルゲストがいるので紹介したい」 と言って客席に歩み寄り母親を紹介すると、劇場内はスタンディングオベーションで、ランスは Hilma さんの肩を抱きながら観客に応えていたが、いかにも彼らしいほのぼのとした光景だった。
 ちなみに当地のマジシャンの多くは、「ランスはいいヤツだが、カッパーフィールドはイヤなヤツ」 などと言っているが (真相はわからないが)、本当にそんな彼の人柄がうかがえるような 10周年イベントだった。ちなみに列席者の中にカッパーフィールドの姿は見られなかった。

 さて一般観光客にとっては、そんな話はどうでもいいことで、興味の対象は刷新されたショーの内容だろう。
 残念ながら期待に反して、舞台装飾や演出の方法に多少の変化が見られるものの、マジックそのものはほとんど今までと同じといった感じだ。レストランで言えば、インテリアや皿が変っただけで、料理そのものに大きな変化はないといったところか。
 そんな中、数少ないまったく新しい出し物として記憶に残っているのが、生身の人間が金属製の人形のような像に変ってしまうというマジック。
 演出はこうだ。二人のガードマン風の男が重量感あふれる大きな金庫をステージに運び込むと、その中には金塊がぎっしり。金庫の扉を閉め、ランスが金庫に向かって気合いをかけると、別の場所に立っている女性がじわじわと金色の像に変って最後は人間ではなくなってしまう。金庫の扉を開けると中には金塊がない。つまり金が溶けて像になってしまったという演出だ。
 あまり細かく書くと楽しみがなくなってしまうのでこのへんにしておくが、過去にランスバートンショーを観たという者にとっては、この金塊マジックが唯一新鮮に感じる部分かもしれない。
 いずれにしてもこのショーは、適度にうまく万人向けにまとまっており、なおかつそこそこラスベガスらしいゴージャス感も味わえるので、引き続きラスベガス初心者にはおすすめのショーといってよいだろう。少なくとも、観て後悔するようなショーではないはずだ。
 なお、親日家の彼は数年に一度、日本を訪問し各地で公演を行なっているが、現時点では次回の日本公演の具体的なスケジュールは決まっていないとのこと。

 場所はモンテカルロホテル内のランスバートンシアター。公演は日曜と月曜を除く毎日 7:00pm。火曜と土曜は 10:00pm の部もあり。料金は "Main" と呼ばれる1階の前方の席と "Mezzanine" と呼ばれる1階の後方の席が $72.55、"Balcony" と呼ばれる2階席が $66.50 だが、この劇場は横方向よりも縦方向に長く、奥行きがかなりあるため、2階席は遠すぎてよく見えない。よほど予算に制限がある者以外は 2階席は避けた方がよいだろう。
 チケットはランスバートンの公式サイト http://www.lanceburton.com から日本語で手配可能。


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