週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2006年 01月 18日号
ミラージホテルの動物園で、イルカの 1日トレーナー体験
 エクスカリバーホテルの Court Jester's Stage、トロピカーナホテルの Bird Show、Air Play など、ここ 2-3ヶ月の間に子供向けアトラクションが次から次へと消えてゆく中、ミラージホテルの動物園 Secret Garden & Dolphin Habitat では、このたび新たな試みが始まった。イルカのトレーナー 1日体験ツアー "Trainer for a Day" だ。
 今週は、開業 15年を迎え、ラスベガスとしては決して新しいアトラクション施設ではないものの、その体験ツアーで今改めて注目されているこの動物園の様子をレポートしてみたい。

 まず、その 1日体験ツアーの前に、この Secret Garden & Dolphin Habitat についてふれておこう。
 他にふさわしい日本語が見当たらなかったため 「動物園」 という言葉を使ってみたが、この施設は一般の動物園とはかなり様相が異なっている。その違いを簡単に表現するならば、「動物の種類は少ないが、施設全体が非常にゴージャスにできている」 といったところか。
 そのゴージャスな部分の中心を成しているのが、イルカ関連の施設で、大きな専用プールが 3つ、さらにはトレーニングや療養のためのエリアなどがあり、現在そこでわずか 6頭のイルカがのびのびと暮らしている。

 陸上動物のセクションでは、トラ、ライオン、ヒョウ、アルパカなどが飼われているが、一般の動物園では当たり前のゾウ、キリン、クマ、サルなどの定番動物はいない。ちなみにゾウはこれまで一頭存在していたが、昨年 9月に 57才で亡くなっている。
 なお、この施設の正式名称の頭には、トラやゾウを瞬時に消したり出したりすることで人気を集めていたマジックショーの主役の二人 Siegfried & Roy の名前が入っているが、残念ながら 2003年 10月、公演の最中に観客の目の前で Roy がトラにかまれるという事故が発生し、その日を最後に公演は打ちきられてしまった。Roy はその事故で半身マヒの重傷を負い、表舞台から完全に去ってしまっているが、ミラージホテルは長年同ホテルで公演を続けてきた二人の功績をたたえ、今でもその名前をこの施設に残している。

 さて前置きが長くなってしまったが、そんな施設でこのたび始まったのが冒頭でふれた "Trainer for a Day" で、 その名の通り、イルカのトレーナーを一日体験できるというツアーだ。
 残念ながら無料アトラクションではなく、料金はなんと一人 $500。数字だけ見ると飛び抜けて高いものの、朝から夕方までの本格的な体験ツアーで、内容を考えればリーズナブルといえなくもない。ちなみに一日の参加者は 4名ぐらいまでに制限しているとのことで、ほぼマンツーマンに近い形でのツアーだ。

 まずイルカに関する基礎知識とハンドシグナル (写真右) によるイルカとの対話方法を学び、その後は実際に調教したり、イルカと一緒に泳いだりもする。
 水中に入るので簡単な泳ぎ方なども教えられ、また、当然のことながらこの季節は寒いのでウェットスーツを着用することになるが、それら必要な道具類はすべて用意されており、参加者が用意していくべき物は特にない。
 ツアー終了時にはイルカとの記念撮影もあり、さらに専用Tシャツと食事も付いてこの値段なら高くはないだろう。

 持っていくべき物はなくても能力は必要だ。それは語学力で、トレーナーとの会話を完璧に理解できない者は参加資格がないとのこと。また、イルカとの対話は基本的にはハンドシグナルで行なわれるが、言葉で話しかける際にはイルカが理解できるきれいな発音の英語が要求される。一般日本人観光客には少々敷居が高いかもしれない。
 さらに年齢制限もある。冒頭で子供向けアトラクションの話題にふれたが、この体験ツアーの年齢制限は 13才以上となっている。参考までに、今回の取材時に参加していた者は、ティーンエイジャーではなく、すべておとなだった。

 ティーンエージャーを相手にしているのか、おとな向けの企画なのかは別にして、子供向けアトラクションが減りつつある中、カジノやナイトショーといった既存のエンターテーメントとはまったく異質の楽しみを提供してくれていることだけはたしかであり、この体験ツアーはもちろんのこと、この施設自体、非常に貴重な存在といってよいだろう。
 体験ツアーで 500ドル、そして一般の入園料で 15ドル (12才以下の子供は 10ドル、3才以下は無料) を徴収しているものの、十分な集客ができている様子もなく、エサ代などの維持管理費を考えると、ビジネスとしてはまるで採算が取れていないように見受けられる。もちろんこの施設がカジノへの集客に間接的に役立っている可能性はあるが、占有スペースの広さなどを考えると、どう見ても効率的な施設とは思えない。

 動物や環境保護などの観点から採算性を度外視して運営しているとの説明も受けたが、何ごとにおいても変化が激しいラスベガスのこと、いつ突然消えてしまうかわからない。
 英語に自信がある者、イルカが好きな者、そして経済的に余裕がある者はぜひ今のうちに参加してみるとよいだろう。
 予約は冬の今の時期でもけっこう混んでおり、今後季節が良くなるとさらにむずかしくなりそう、とのこと。予約はすべて電話で 702-792-7889 まで。
 なお、見学だけならば、前述の通りの料金でだれでも予約無しで入園できる。今の時期の開園時間は平日が 11:00am〜5:30pm、土、日が 10:00am〜5:30pm。体験ツアーコースの集合時間はそのつど指定されるが、おおむね 9:00am 前後とのこと。


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