週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2005年 07月 06日号
スプラッシュが "20-50-100 周年記念" リニューアルオープン
 リビエラホテルで行なわれているナイトショー "SPLASH" が先月 21日、リニューアルオープンした。

 スプラッシュはラスベガスに残された数少ない総合レビューで、20年も続いているロングランショーだ。
 その名前から想像つくように (SPLASH は「水しぶき」 の意味)、ステージに大型水槽を持ち込み水中ショーを披露するなど、かつては水を使うことで知られていたラスベガス屈指の人気ショーだったが、今はオウ、ラレブなど、はるかに多くの水を使うショーが登場してきたためか、水を使うことはほとんどなくなってしまった 。つまり現在このショーは "名は体を表していない" ことになる。(今回のリニューアルでも、ステージセットの背後に滝が流れるシーンが1回あるのみで、基本的には水とは無関係)

 さて、最近のラスベガスのナイトショーは、知名度、規模、予算などで他を圧倒するカナダの人気劇団シルクドソレイユのショー (オウ、ミスティア、カー、ズーマニティー) 、それにランスバートン、ダニーガンズ、デイビッドカッパーフィールド、セリーヌディオン、エルトンジョン、バリーマニロウなどに代表されるエンターテーナーの知名度に大きく依存したワンマンショー、さらにウィウィルロックユー、マンマミア、ブルーマンなどのミュージカルやブロードウェー系のショー、などに押され気味で、昔ながらの総合レビューはその勢力を次第に失いつつある。現在残っているメジャーな総合レビューはこのスプラッシュと、ジュビリー、フォーリーバジェールぐらいしかない。
 かつてフラミンゴヒルトンで行なわれていたグレートラジオシティー、スターダストのエンターザナイトなどのレビューに、日本人観光客が毎晩多数押し寄せていた時代は遠い昔のようにも感じられるが、実はわずか数年前の話で、ここ数年のシルクドソレイユの台頭など、変化の速さを改めて思い知らされる。

 そんな環境に置かれているスプラッシュだが、このたび自身の 20周年、リビエラホテルの開業 50周年、ラスベガスの市制 100年を記念した新バージョンにリニューアルされた。
 この "20-50-100周年バージョン"、どこがどのように変わったのかといわれると、あまり大きな変化は見られないので説明に困るが、いくつかの出し物が入れ替わっていることはたしかで、また、映像がかなり多く用いられるのも今回のバージョンの大きな特徴だ。

 ちなみに映像とは、スプラッシュ、リビエラ、ラスベガスにまつわる過去の名場面などで、それがステージ上のスクリーンにたびたび映し出される。生の演出の代りに映像でごまかされていると考えると楽しくないが、エルビス、シナトラ、サミーデービスJr などの往年のスターのステージや結婚式の様子など、懐古趣味がある者にとってはそれなりに興味深い映像が少なくない。
 個別の出し物においての主な変更は、これまでのバージョンにあったマイケルジャクソンのそっくりさんと軟体人間が消えて、その代りにエルビスとトムジョーンズのそっくりさん、さらにはストリートダンス、アイススケートをしながらのフラフープの曲芸 (写真左) などが加わった。

 ジャグリングの3人組 (Richard Brothers、写真右)、太鼓をたたきながら登場するアルゼンチンの愉快なカウボーイの2人組 (Hugo Latorre & Eduardo Lome、写真左下) などは以前と同じで、相変わらずの人気者だ。
 また、このショーの看板的存在のオートバイによるアクロバット (直径5メートルほどの球状の籠の中を4台のオートバイが同時に走り回るという曲芸。かつては5台もやったが今は4台まで) も健在で、これまで通りこれが大とりを務める。
 登場する 10人ほどのダンサーはもちろん以前と同様、完全なトップレスで (トップレスにならないダンサーもいるが)、これが理由でこのショーでは 18才未満の入場が禁じられている。

 さてこのショーの評価だが、ステージの規模も料金もコンセプトもまったく異なるシルクドソレイユや、ジャンルがまったく異なるランスバートンやセリーヌディオンと比較することはできないし、比較すること自体、意味がない。
 ならば同類のジュビリーやフォーリーバジェールと比較せざるを得ないことになるが、あえて甲乙を付けるとすると、ダンサーの数と華やかさではジュビリーに、楽しさではこちらスプラッシュに軍配を上げたい。フォーリーバジェールは華やかさも楽しさも他の二者の真ん中といったところか。
 ちなみに地元有力新聞リビュージャーナル紙の 7月 1日付の芸能欄におけるこのスプラッシュの特集記事での評価は C だ。A や Bに加え A+ や B- などがあることを考えると、この評価はかなりきびしいことになるが、客席環境の悪さを考慮に入れるとそのようなきびしい評価になってしまうのかもしれない。

 残念ながらこのスプラッシュの客席環境は今も昔もたしかにひどく (長テーブルを囲むようにイスが配置されている)、イスの配置やその向き、さらには隣とのスペースやフロアの傾斜など、すべてが劣悪な環境で、まともに正面を向いてステージを見ることができる席はほとんどないと考えた方がよい。
 かろうじて、ステージのすぐ前に配置された "VIP シート" (約 100席) が正面を向いているが、それでもフロアに傾斜がほとんど無いため、前の人の頭が視界をじゃましてしまう可能性がある。もっとも、これが古き良き時代のナイトショーの環境と言えなくもないので、昔の雰囲気を味わうためにはそれをそのまま受け入れるべきなのかもしれない。
 とにかくシルクドソレイユや有名人のワンマンショーが全盛のこのご時世、総合レビューの存在はそれなりに貴重で、また、何が出て来るかわからない "寄せ集めのショー" という部分もそれなりに楽しい。以下に示す通り半額で楽しめるので (必ずしも半額チケットが手に入るとは限らないが)、予算重視派はもちろんのこと、シルク派も足を運んでみるとよいだろう。

 公演スケジュールは火、水、木、土が 7:00pm と 9:30pm の2回、金と日が 8:00pm の1回だけ。月曜日は休演。
 料金は一般席が $65、VIP席およびブース席が $80。チケットはリビエラホテル内に数ヶ所あるチケット売場 (劇場の前のチケット売り場が一番わかりやすい)、もしくは他のホテルのチケット売場でも入手することができる。
 なお、同ホテルのすぐ南側にあるチケット安売りスタンド "TIX 4 TONIGHT" にあまり遅くならない時間帯に行けば、ほぼ間違いなく半額で買うことができるので、とりあえず立ち寄ってみるとよいだろう。(TIX 4 TONIGHT に関してはこの週刊ラスベガスニュースのバックナンバー 426号を参照のこと)

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