週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2005年 06月 01日号
ゴージャスな雰囲気が自慢のウィンラスベガス THE BUFFET
 4月末に開業した高級ホテル・ウィンラスベガス (写真右) のバフェィを取材した。

 バフェィとは、ラスベガスのほとんどのホテルにある食べ放題形式のレストランで、日本でいうところのバイキング。
 かつては、カジノに人を呼び込む目的で採算を度外視して運営されていたためか、そこそこの料理を低料金で食べられることがウリだったが、ここ 10年ほどで料金相場は急上昇し、今では安いという特徴はほとんど消えてしまった。
 それでも各ホテル間の競争は熾烈を極め、料理の内容やインテリアなどは常に進化しており、今でもラスベガスの食文化の中心をなしていることは間違いなく、人気もまったく衰えていない。その証拠に行列ができる店が多く、週末のピーク時などは一時間待ちということも珍しくない。

 店の名前は The Buffet。各ホテル、それぞれ個性豊かな名前を付けている中、いささか単純すぎる気がしないでもないが、奇しくもベラージオホテルのそれと同じだ。
 どちらも同一人物 Steve Wynn 氏がクリエイトしたホテルという意味では、「奇しくも」 にならないが、ただでさえこのウィンラスベガスはベラージオに似ているといわれているだけに、バフェィの名称ぐらいは別のものにしてもらいたかった。やはりベラージオに未練があるのか…。ちなみに現在ベラージオは Wynn 氏の所有ではない。

 ホテルの格が最高級というだけあって、インテリアなどにはそれなりの工夫がうかがえる。特に入口付近にあじさいの花を惜しみなくたくさん並べてあるあたりは (写真右)、このホテルの真骨頂が感じられ、また、ダイニングルームの中央部分では屋外の光を取り込みたくさんの花を飾るなど (写真左下。ただしこちらは造花が多い)、全体的にゴージャスな雰囲気が漂っている。各テーブルなどもバフェィとしてはそこそこ高級感があり、食器のデザインなども個性的で、とりあえずハード面では他のホテルとの差別化に成功しているようだ。

 肝心な料理だが、こちらは意見が分かれるかもしれない。他のホテルに比べ良い部分と悪い部分がいくつかあり、それらをどのように評価するかによって見方が変わってきてしまうからだ。
 まず気になる点として、和食や中華のアイテムが少ない。ちなみに取材は 5月 1日と 5月 30日のディナータイムに行なったが、どちらの日も、和食的なものとしては、にぎり寿司が二種類 (サーモンとエビ)、のり巻きが数種類あるだけだった。

 「他のバフェィにどんな和食があるのか?」 との疑問もあるだろうが、最近は味噌汁や漬け物を置いている店も出現しており、高級路線を売り物にするこのホテルとしてはやや寂しい。
 中華も他のホテルと比較してアイテムが少なく、ちなみにどちらの取材日もギョーザ、ヤキソバ、シューマイなどのありふれた定番アイテムすら見当たらなかった。
 あとこれは一般の日本人には興味がないことかもしれないが、メキシカン料理のセクション自体がまったく存在していない。アメリカでは広く定着している料理なだけにこれは意外だ。メキシカンはゴージャスな雰囲気に合わないということか。その一方で、インド料理のセクション (セクションの名称は 「グリル」 だが、そのセクションのほとんどすべてがインド料理に割り当てられている) があるのが興味深い。

 デザート(ケーキ類) もそのサーブの方法に問題があるような気がした。いくつもの種類を少しずつ同時に並べるのではなく、同じアイテムを大量に並べて、それがなくなったら次のアイテムを冷蔵庫から出して並べるという方式なので (写真左)、時間をずらして何度も足を運ばないと限られたアイテムしか楽しめないことになる。気に入ったアイテムが並べてあったら、早めに確保しておいた方がよいかもしれない。
 ちなみにデザートの味は当たりハズレが激しいように感じられた。だいたい見た目でハズレと思われるものはハズレで (派手な色のものは甘みも総じて派手)、これはいけそうだと思われるものはその通りなので、自分の目を信じて選べばよいだろう。ティラミスは巨大だが味的には当たりで、クレームブリュレもまずまずだ。
 アイスクリームは、マシンを操作して自分で盛りつけるソフトクリーム方式ではなく、現場のスタッフに個別に申し出て作ってもらう方式なので高級感はあるが、英語が苦手な者はやや不便かもしれない。フレイバーは 6種類。

 何やら悪いことばかりを書き並べてしまったようだが、良いことも少なくない。スープとサラダは種類が多いばかりか、ディスプレイも美しく好感が持てる。スープといえば、話が前後してしまうが、中華料理のセクションでは個別オーダーでラーメンを作ってもらうことができ、味もアメリカで食べるラーメンとしては許容の範囲内だ。
 カニも総じてサイズが大きく、また食べやすく縦に割ってある。「たくさん食べられないように塩を濃くしてゆでてある」 との噂が絶えないカニだが、この店に関しては、どちらの取材日も塩加減はちょうど良く、噂のようなことは感じられなかった。醤油はウェイトレスにたのめば持ってきてもらえる。
 かなりクオリティーが高いエビもあったが、ロブスターや生ガキは残念ながらない。(アメリカでは夏でも生ガキを食べるので、あってもおかしくはないが、現場スタッフに聞いてみたところ、現時点では生ガキを置く予定はないとのこと)

 あと特筆すべきアイテムとして、1回目の取材では見られなかったが、2回目の取材ではマグロ、サーモン、ホタテなどを使ったセビーチェ (シーフードをライムやコリアンダなどでマリネしたもの) やポキ (マグロの刺身を醤油やゴマ油であえたハワイアン料理) などが登場していた。
 グラスに盛りつけられたこれらアイテムは氷の上にディスプレイされ (写真左)、見た目にもオシャレで他のホテルでは見られない逸品だ。もちろん和食ではないが、味覚的には和食に近く (セビーチェは刺身の酢の物、ポキはマグロのづけのような感じ)、そういう意味では日本人の味覚に合うアイテムも少なくないことになる。
 ピザやパスタなどのイタリアン料理も豊富で、それらが好きな者にとってはかなり評価が高くなるだろう。また、焼き方などで当たりハズレが多いステーキも、どちらの取材日もすばらしい出来具合で、本格的なステーキレストランに負けないハイレベルのステーキを楽しむことができた。マッシュポテトなどの付け合わせ類もレベルが高い。

 極端に和食や中華に固執する者以外は、行ってみて後悔するようなバフェィではないだろう。特に最近は、従来人気が高かったベラージオやパリスのバフェィの評判が下がってきているようなので、こちらの方をおすすめしたい。ただディナータイムは一時間程度並ぶ可能性があるので、それなりの時間的余裕を持っていく必要がある。
 料金は、8:00am〜10:30am のブレックファストタイムが $14.95、11:00am〜3:30pm のランチタイムが $19.95、4:00pm〜10:00pm のディナータイムが $27.95。週末は料金も時間帯も多少変わる。
 なお、コーラ、コーヒー、アイスティーなどはもちろんこれら料金に含まれているが、カプチーノ、カフェラテ、カフェモカなどが欲しい場合は別料金でウェイトレスに個別にオーダーすることになる。また、アルコール類も別料金で、一般のビールが $5.50、輸入ビールが $6.00、マルガリータやピナコラーダが $10 となっている。ワインはボトルで $28〜$42。要チップ。


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