週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2005年 05月 11日号
ウィンラスベガスの客室、天井の高さと開放感は好評
 4月 28日、鳴り物入りでオープンした超豪華ホテル Wynn Las Vegas。
 27億ドルという巨費が投じられたこともあり、さまざまな方面から注目されていたが、地元メディア、業界関係者、利用者などからの評価は総じてきびしいようだ。
 「前評判のわりには期待ハズレ」、「ベラージオとそっくり」、「どこにそんな巨額を使ったのかわからない」、「重要な施設が狭すぎる」 などといった声が聞かれる。
 たしかに前庭に山を造ってしまったために、玄関周辺に十分なスペースが確保されていないのは事実で、正面玄関前の進入路の狭さ (車寄せはわずかに 3車線しかなく渋滞が絶えない) やフロントロビーの使い勝手の悪さ (狭いばかりかカウンターの位置関係が悪く、混雑時は人の列がぶつかってしまう) などはかなり深刻な問題だ。
 一方、客室、ナイトショー Le Reve、無料パーキング施設、プール施設などは総じて評判がよい。今週はそんな中から客室 (レギュラールーム) についてレポートしてみたい。

 先に結論をひとことで表現するならば、天井が高く広々していて開放感がある、といったところか。
 ベッドが非常に大きいため (特に高さが普通のホテルのものよりかなり高い)、左の写真からは天井の高さや広さがわかりにくいが、実際にはかなりゆったりしている。
 面積的にはベネシアンやマンダレイベイの新館も負けていないが、 ベネシアンは窓の大きさや天井の低さ で 、また マンダレイベイの新館は部屋が二つに仕切られている という意味で、開放感においてはウィンに負けている。また、ベラージオもゴージャス ではあるが、窓の広さから来る開放感 ではウィンにかなわない。
 ちなみにウィンの天井の高さは約 320cm ある。これは一般のホテルに比べ 30〜60cm も高い。もちろん人によっては 「あまり広々していると落ち着かない」 という場合もあるので、この開放感が必ずしも利用者全員に歓迎されるとは限らないが、一般的には贅沢な造りと言ってよいだろう。30cm の違いでも 50階だと地上からの高さは 15mもの差が出てくる。建設コストの差は少なくないはずだ。

 バスルームは飛び抜けてゴージャスというほどでもないが、バスタブ の容積はおそらくラスベガスのホテルでは マンダレイベイの新館のバスタブ と並び 1、2を争う大きさで、日本の風呂の感覚でどっぷり身体を沈めることができる。
 ちなみにその浴槽のサイズは最上部の内寸で長さ 153cm、幅 70cm、深さは水を限界に貯めた状態で約 50cm。この数字を自分の身長や座高などと比較して考えると、それほど大きくないようにも感じてしまうが、実際に使ってみると他の浴槽に比べかなり大きいことが実感できる。

 次に個別の装備や備品についてだが、特筆すべきモノをしいてあげるとするならば、やはりテレビが LCDの大型フラットパネルということか。ただこれもマンダレイベイの新館などにも導入されており、時代の流れとしては今後珍しい存在ではなくなっていくだろう。
 ちなみにこのテレビ、ベッドの方を向いていないため、地元メディアの記者が 「ベッドからテレビが見えないのはバガげている」 と酷評してしまったことが地元ではちょっとした話題となったが、実は ちゃんと向きを変えることができる ので、ホテル側に文句を言わないように。実際にそのことに気づかない宿泊客は多いらしい。
 なおこのテレビは、高速インターネットの申し込みや、会計情報の閲覧 などの機能も備えているので、うまく利用すると便利だ。操作は室内に置かれた リモコン で行なうことになるが、言語を日本語に設定することもでき、この種のものとしては比較的使い勝手がよい。日本語に設定する方法は、リモコンの電源を入れてから黄色いボタン [LANG] を押し、あとは画面にしたがってリモコンの矢印キーで [日本語] を選び、矢印キーの中央にある [SELECT] ボタンを押して確定する。
 またありがたいことにこのホテルは、海外在住者などに向けて日本語番組 (ほとんどがNHKの番組) を配信している TV-Japan にも加入しているので、それを追加料金など無しで視聴することができる。多くのニュース番組は日本と時差無しのリアルタイム放送なので大変便利だ。これを見る方法は、リモコンの緑の [LOCAL TV] ボタンを押してから 47チャンネル(4と7を押すだけ)に合わせる。

 その他ベッドルーム & リビングエリアには、ファックス機電話機メイン枕元のコードレス電話冷蔵庫 などがある他、カーテンの電動開閉スイッチ空調の温度設定スイッチ金庫アイロンなどがあるが、使い方の説明を要するようなものは特にないだろう。
 なお、使い方は簡単だが要注意なものがある。冷蔵庫の中の ドリンク類 および台に置かれているチョコレート、クッキー、キャンディーなどの スナック類 だ。商品を持ち上げただけで自動的に消費したものとしてカウントされてしまう。したがって、うっかり持ち上げてしまった際は、先ほど紹介した LCD画面の [ウィンホテルのサービス]→[ホテルの請求書を表示] で確認することができるので、もし請求されてしまっていた場合は、それを飲むか食べる、もしくはその商品を元の位置に戻して、チェックアウトの際に 「さわっただけなのでこの項目は削除して欲しい」 と申し出る必要がある。参考までにその値段は、コーラ $4、ビール $5、スナック類 $8。
 金庫についても使い方は4桁の暗証番号を自分で設定するだけなので、そこに書かれている簡単な説明を読めばすぐにわかるが、サイズが小さいので、一般の大きさのノートブックPCなどを入れることは考えない方がよいだろう。ちなみに金庫の間口サイズは横 30cm、縦 38cm、奥行きはドアの厚い部分などを差し引くと 8cm 程度しかない。
 もう一つ注意しておきたいのが電話代だ。これはこのホテルに限ったことではないが、フリーダイヤルも市内通話も有料なので、ダイヤルアップのモデム接続でインターネットを利用する者は十分な注意が必要だ。「30分まで 1ドル」 はいいとしても、その後は 1分につき 15セントかかるので、数年前までの 「市内通話は1ドルで時間制限なし」 が常識だった時代の感覚でネット接続するとあとでビックリすることになる。
 国際電話に至っては 「AT&T の昼間の時間帯のオペレーターアシスト国際電話料金に当ホテルのサービス料 35% を加えた料金」 と定義されているので、これはもはや驚異的な料金だ。AT&T のサイトなどからそのレートを調べて計算してみると 1分間 $4.91 ということになる。通常アメリカの家庭やオフィスからの日本への国際通話は 1分 $0.10 前後なので、その相場の約 50倍だ。どこのホテルもこれが重要な収入源と聞くのである程度は仕方ないのかもしれないが、これを妥当と受け入れるかどうかはともかく、「昔とちがって最近の国際電話は安い」 という感覚で利用すると、これまたビックリすることになるので注意が必要だ。
 インターネットのブロードバンド接続は 24時間 $11.99 で、これはリーズナブルといったところか。先に説明した LCD画面で利用契約をし、あとは机の上に用意されている LANケーブル に持参したパソコンなどをつなぎ、ブラウザを立ち上げ 「I Agree」 と 「CONNECT」 をクリックするとつながる。

 バスルーム関連だが、スリッパバスローブ が用意されているのはうれしい (日本では当たり前のスリッパだが、アメリカではないことが多い)。バスローブやタオルにはホテル名が入っていないが (ホテル名やロゴが入っていると記念に持って帰ってしまう者があとを絶たないので、今では無印にするのが主流)、このスリッパにはロゴが入っているので、使い捨て、つまり持って帰ってもいいものかどうか念のため複数のハウスキーパーに確認を求めたところ、全員スペイン語のみで言葉が通じなかった。ただし身振りなどから判断するに、持って帰ってもよさそうな感じではあった。
 バスルームの消耗備品 (日本でいうところのアメニティー) は、右上の写真の様に置かれていたが、その個々の様子は こちらをクリック
 小型 LCDディスプレイ が洗面台の脇にあり、浴槽内からもテレビが見られるようになっているのはありがたい。リモコンを浴槽内に落としてしまう者がいそうなのが心配だ。
 トイレの中に 3台目の電話 があるのも高級ホテルの証といったところか。ヘヤドライヤー があるのは当たり前だが、体重計 があるのは珍しい。
 前述の大きな浴槽とは別に用意されている シャワーブース は、スペース的にも水量的にも極めて快適だ。

 真っ赤なルームキーはデザイン的には極めて単調だが、見つけやすいという意味ではこれでよいのかもしれない。ちなみにこのルームキーはカジノのプレーヤーズカードの機能も兼ねそろえているので、わざわざプレーヤーズカードを作る必要がなく、ギャンブラーにとっては便利だ。スロットマシンに差し込めば、通常のカードと同様に機能していることが確認できる。もちろんチェックアウトした後も有効なので、ポイントを貯めた者は忘れずに還元するか、次回の訪問時まで大切に保管しておこう。
 あとこれはくだらないことだが、間違えて使用する者が多いので念のため。室内の清掃を依頼する際や、清掃作業から安眠を守る際に ドアノブに吊すプレート が、通常のホテルと形状や使い方が異なっている。通常のホテルのようにこれを 普通にドアノブに吊す と、空調の風などでひらひら裏返ってしまい、意図することとは まったく逆 の裏側の表示になってしまうことがある。このプレートは吊すのではなく このように穴に差し込んで使う ものだが、廊下を歩いているとかなり多くの宿泊客が吊していることがわかる。ハウスキーパーと客との間でトラブルが多発しているものと思われ、遅かれ早かれデザインが変更になるだろう。

 窓からの景色に関してだが、奇数番号の部屋が ストリップ側 、偶数番号がゴルフコース側 になっている。この偶数・奇数の違いによる料金差はない。これが意味するところは、それぞれの側の景色に対する価値を、「ストリップ側でも大した景色は期待できないが、逆にストリップに面してなくても他のホテルと違いゴルフコースビューは景色がよい」 とホテル側が位置付けているということであろう。
 なお、「Panoramic View」 と称する高層階の部屋は追加料金 (一般的には $50増し) が必要。「Panoramic View」 の定義は 「50階以上のレギュラールーム」 だが、40〜49階は階の名称としては存在していない ため (中国系の顧客が縁起が悪いと嫌うため)、実際には 40階以上が 「Panoramic View」 ということになる。

 まだまだいろいろあるが長くなってしまうのでこのへんにしておくとして、客室そのものは前評判通りそこそこ立派にできており、大きく期待を裏切られることはないだろう。参考までに宿泊料金はレギュラールーム(現場では Resort Room と呼ばれている部屋) で、平日の閑散期は $199 と、5月分で調べた限りではベラージオよりも総じて安い料金設定となっている。

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