週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2005年 05月 04日号
190号線が 8ヶ月ぶりに開通、"新デスバレー" は白さ倍増
 昨年 8月にデスバレー周辺で発生した記録的な集中豪雨による土石流災害 (2004年 9月 1日付のこのコーナーで既報)で、約 8ヶ月間に渡って閉鎖されていた 190号線が、4月 29日、全線開通した。(ただし一部区間は一車線規制)
 190号線は、ラスベガスからデスバレー地区へアクセスする際の最短ルート。これが使えなかった過去 8ヶ月間は、1時間ほど時間が余計にかかる迂回ルートを利用するしかなかったが、今回の開通により、従来通り約2時間でアクセスできるようになった。
(写真はデスバレー内のビューポイントのひとつ Bad Water、クリックで拡大表示。5月 2日撮影)

 ただ、ファーネスクリーク (デスバレー地区の中心に位置するビレッジ) に到着する直前の 14マイル (22.4km) の区間はまだ工事中で、先導車両に誘導されるカタチでの一車線徐行走行という規制が敷かれており、タイミングが悪いと 30分ほど余計にかかってしまう。
 ここでいうタイミングとは、工事車両の出入り状況などによって、区間両端の待機ポイント (写真左) で最大 30分ほど待たされることがあるという意味で、ちょうどここにさしかかった際に運悪く現場スタッフからストップ指示が出るとかなり時間を損することになる。

 また、仮に待たされなくてもその区間では徐行運転を余儀なくされるため、やはりふだんよりは時間がかかることを覚悟しておいた方がよい。ちなみに先導車両 (写真右) を追い越すことはできず、また、勝手に列からはずれて路肩に停車し写真を撮ったりすることも許されていない。
 したがって、この区間に存在しているデスバレー国立公園の看板 (← クリック。この写真は災害前に撮影 ) の前で記念撮影することはできないことになる。
 細かい問題はともかく、MGM グランド前の交差点からファーネスクリークまでの実測距離は 118マイル (約 190km) だったので、ノンストップでスムーズに行けば 2時間で間に合う計算になるが、とりあえず今は 2時間半は見ておいた方がよいだろう。なお、この区間の一車線規制がいつまで続くかは現場スタッフもビジターセンターのスタッフも 「わからない」 とのこと。

 さて、190号線が開通したといっても、それは迂回路を使わずにデスバレー国立公園内へアクセスができるようになった、というだけのことであって、ビューポイントのいくつかはまだ閉鎖されている。
 土石流で壊滅的に破壊された 「ザブリスキーポイント」 へ通じる道路 (写真左) は復旧までにあと数ヶ月は要する模様で、また、山の上からデスバレーを一望にできる 「ダンテスビュー」、カラフルな山で知られる 「アーティストパレット」 への進入路もまだ閉鎖されたままだ (写真右下)。

 さらに、アクセスできないわけではないが、変化も見られる。砂丘のような景色として人気が高いビューポイント 「サンドデューンズ」 は、夏の洪水以降も冬場の降雨量が多かったためか、植物が茂り始めており、砂丘らしからぬ姿に変貌中だ (写真左下)。
 美しい砂丘が失われたり、これまでにあった景観が変わってしまうことは寂しいことではあるが、それも 「自然の営み」 と考えればやむを得ないことかもしれない。また、それは 「地球が生きている証」 でもあり、それがなければ今までのデスバレーの景色も形成されていなかったわけで、洪水などによる変化は素直に受け入れるしかないだろう。
 そう考えると、昨年 8月の集中豪雨が破壊したものは、人間が造った道路などであり、自然は何一つ破壊されていないことになる。
 とは言っても、植物が生い茂った砂丘は一般の観光客が望む光景ではなく、ガイドブックなどに美しい写真がたくさん出回っているだけに、あまり大きな期待をしていくと現在のサンドデューンズは 「がっかりビューポイント」 となりかねないので事前の覚悟が必要だ。特にこのサンドデューンズは、位置的に他のビューポイントとは逆方向にあり遠いので、行きづらい分だけ期待を裏切られた際のがっかり度は大きくなりやすい。時間がない者は割愛してもよいだろう。

 閉鎖されているビューポイントも多い中、サンドデューンズもおすすめできないとなると、どこを見ればよいのか。
 それはもうデビルズゴルフコース (悪魔のゴルフコース) とバッドウォーター (西半球で一番低い地点) しかないだろう。
 この二ヶ所は観光客が期待する方向に変化しているので大いに期待してよい。以前から塩で覆われていた場所ではあるが、今回の集中豪雨および冬場の長雨で広大な範囲に新たな塩の大地が出現し、まぶしいほど白く輝いている。
 以下の写真 (クリックで拡大表示) はすべて 5月 2日に撮影されたものだが、これら絶景を見るだけでもデスバレーに行く価値は十分にあるだろう。この二ヶ所は、ザブリスキーポイント、ダンテスビュー、アーティストパレットがアクセス不能で、サンドデューンズが期待に反した方向に変化しているという現在のマイナス点を補って有り余るだけのすばらしい変化をこの半年間で成し遂げており、"新デスバレー" の主役といった感じだ。大自然観光が好きな者ならば言葉にいい表せない感動を覚えるはずなので、ぜひ大地が真っ白なうちに行くことをおすすめする。もちろん今後白さを失っていくのか、輝きをさらに増すのか、だれにもわからないことは言うまでもない。



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