週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2005年 03月 16日号
ストラトスフィアタワーで絶叫マシン INSANITY がデビュー
 3月 10日、高さ約 350m (鉄塔の上部まで) を誇るストラトスフィアタワーの展望デッキ部分に絶叫マシン Insanity がデビューした。このマシンがどのようなモノであるかは百聞は一見にしかず、まずは右の写真をクリック。

 同タワーにはすでに High RollerBig ShotX-Scream (クリックで写真)があるので、今回の Insanity は第四番目のライドということになるが、ちなみに Insanity の意味は [狂気] や [精神異常]。

 さっそく試乗してみた。感想は、事前の想像の範囲を超えるものではなく、高い場所にあるということ以外はごく普通のライドで、期待以上のものでも以下のものでもなかった。これから乗る者も、「見ての通りのもの」 と考えればよく、あまり大きな期待はしない方がよいだろう。

 そういう意味では、平凡かつ単純な動きの中にも、発想の中にバカバカしい笑いの要素が感じられる X-Scream の方が興味をそそられるし、世間での評価も高いのではないか。事実、近くで見ている見学者からの笑いの声は X-Scream の方が断然多く、見学者にとっても今回の Insanity は意外性が少ないように見受けられた。
 さらに指摘させてもらうならば、宙づりのカタチで乗るか、何かにまたがって乗るなど、少なくとも足元だけは不安定にすべきだったような気がする。右下の写真の通り、この Insanity ではしっかりしたイスに座るカタチで乗ることになるが、これではスリルが半減してしまうばかりか、下方の視界もかなり制限されてしまう。

 あと、気になったこととして、目をしっかり開けて景色を楽しむ余裕がある者にとっては、方角的な位置があまりよろしくない。ストリップ大通り側を向いていないため (方角的には北北東を向いている)、見えるのはダウンタウン地区およびラスベガス北西部から北東部にかけての殺風景な郊外だ。
 もっとも、この位置の問題は、建設上のスペース的な制約からやむを得ない部分もあり、また、ストリップ側の景色を見たければ展望デッキから見ることができるわけで、どうでもよいことではあるが、乗りながらストリップの景色を楽しみたいという者にとってはやはり残念なことだろう。

 4つもライドが出そろったわけだが、よく考えてみると、本当の意味での 「このタワーの高さを生かした乗り物」 はひとつもない。ちなみにここでいう 「高さ」 とは、「物理的な落差」 のことで、「高さから来る視覚的恐怖感」 ではない。
 絶叫マシンといっても、動きそのものは従来の発想の範囲内のもので (X-Scream はユニークだが基本的には単なるシーソー)、他の遊園地にもあるもの、もしくはありそうなものばかりだ。
 ようするに、「高い場所からの景色」 という視覚からのスリルで恐怖心をあおっているだけで (それはそれで 「高さ」 の有効利用ではあるが)、もしこれら乗り物が地上に設置されていたら、だれも見向きもしないだろう。特に今回の Insanity は動き的には極めて古典的な乗り物だ。
 200メートル落下するようなマシンこそ、このタワーに求められた 「ここならではの究極の絶叫マシン」 という気がするが、じつは数年前、そんなマシンの計画が実際に存在していた。が、実現寸前まで話が進んだあと、騒音問題などを理由に周辺住民が反対し、計画は流れてしまった。可能性が完全に消滅してしまったわけではないようだが、少なくとも具体的な建設日程などは白紙の状態だ。
 観光都市ラスベガスは、観光客が来てくれてこそ地元民の生活も保証されるわけで、もう少し寛大な気持で知恵を出し合い議論を重ね、なんとか実現してもらいたい。
 何やら酷評ばかりの記事になってしまったが、それは単なる主観ではない。Insanity も含めて、どのライドも客がほとんどいない (少なくとも日中の時間帯は) という現実は 「市場の評価」 と考えるべきだろう。キャンセル待ちが出るほどのナイトショーや、長蛇の列ができるバフェなども少なくない中、世界的に見ても珍しい環境にあるこれらライドに人が並ばないのは (平日の日中、どのライドも満席で稼働していることはほとんど無い) どこかに問題があると考えるべきだろう。

 各種ライドの料金や身長制限などは以下の通り。営業時間は日〜木が午前 10時から深夜 1時まで、金と土が深夜 2時まで。ライド自体は混んでいないが、エレベーターに乗る際、手荷物のセキュリティーチェックなどがあるため、夜景がきれいな時間帯はかなり混雑する。ライドだけを単純に楽しみたい者は、エレベーターがすいている日中がおすすめだ。もちろん週末の夜間はライドも混雑する。

[ 各種ライド料金表 ]
 タワーの上部へ行くためのエレベーター代  $9.95
 Insanity  (最低身長: 52インチ、約132cm)  $8.00
 X Scream  (最低身長: 52インチ、約132cm)  $8.00
 Big Shot  (最低身長: 48インチ、約122cm)  $8.00
 High Roller  (最低身長: 48インチ、約122cm)  $4.00
 パッケージ料金  エレベーター代 と Insanity  $15.95
 エレベーター代 と X Scream  $15.95
 エレベーター代 と Big Shot  $15.95
 エレベーター代 と High Roller  $11.95
 エレベーター代 と すべてのライド  $24.95
 エレベーター代 と 無制限乗り放題 1日券  $29.95

* シニア、ホテル宿泊客、子供(4〜12才)、地元民は、エレベーター代 $3.95 off、
 パッケージの場合は $3.00 off。 4才未満は無料。


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