週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2004年 8月 25日号
新生サンレモ "Hooters Casino Hotel" をぜひ応援したい
 日系のカジノホテルとして日本人観光客の間でも人気が高いサンレモ (写真右、クリックで拡大表示) は今月 16日、2005年内をめどに同ホテルを全面改装し、Hooters Casino Hotel として再出発する計画があることを明らかにした。
 なお、この計画は、サンレモの関係者とフーターズ社のジョイントベンチャーであり、フーターズがサンレモを買収するという話ではない。
 改装の内容としては、レストラン施設の増強やプール施設の拡張工事をメインに、すべての部分をフーターズのテーマに沿ったデザインにリニューアルするとしており、サンレモ時代のカラーは完全になくなるという。細かい部分はまだ未定とのことなので、今週はとりあえずそのフーターズそのものについてレポートしてみたい。

 フーターズは、米国東海岸を中心に事業展開してきた 1983年創業のテーマレストランで、近年は西海岸、さらには海外へも進出している。店舗数は現在約 350 で、ここラスベガス地区にも 2店ある。(左の写真は、ラスベガス Sahara店の Rosana さん)

 テーマは、チアガールをイメージしたセクシーな女性で、オレンジ色のショートパンツと白のタンクトップ姿のウェイトレス "Hooters Girls" が同社のトレードマークだ。メニューは こちらをクリック

 テーマレストランと表現してしまったが、実際には 「家族向けのレストラン」 というよりも 「男性向けのビールパブ」 といった色彩が濃く、今回取材訪問した際も男性客が目立った。もちろん女性だけのグループやカップルで利用してもなんら問題はなく、ファミリーレストランとしての機能も十分に果たしているが、やはりインテリア的な部分はかなり男性的で、「オシャレ」 とか 「ロマンティック」 といった言葉が似合うような店ではない。荒削りなカントリー調のテーブルとイス、裸電球がむき出しになった照明、壁にかかるビールメーカーの派手な広告、そしてスポーツ番組を中継する無数のテレビなど、男臭さが漂っているところがこの店の特徴だ。

 サンレモは、そんなフーターズに生まれ変わるというのだから、男性客にとっては興味が尽きないところだろう。カクテルウェイトレスは言うに及ばず、ブラックジャックのディーラーなども Hooters Girls になるのではないかと思うと、今から完成が待ち遠しい。
 ちなみにフーターズ社は近年なぜか航空業界にも進出しており、Hooters Air なる航空会社も設立した。まだサウスカロライナ州の中規模都市 Myrtle Beach を拠点とする弱小航空会社だが、最低二人の Hooters Girls をフライトアテンダントとして搭乗させるなど、なにかと話題を集めており、今後勢力を拡大する可能性は十分にある。そのうちラスベガスまで路線を延ばすのではないかと噂されているが、いずれにせよ、フライトアテンダントにも Hooters Girls を起用している現状を考えると、カジノホテルもかなり楽しいものになりそうだ。前かがみになることが多いクラップスのディーラーも Hooters Girls になるようなことがあった場合、オジサン族は胸元が気になってゲームどころではないだろう。

 さて、そんなフーターズ社だが、実は同社の歴史は裁判の歴史とも言われている。創業以来、人事採用に関する裁判が絶えないという。
 雇用に関する法律が厳しい米国では、原則として雇用主は求職者に対して年齢や性別を問えない。ましてや容姿を問うことなど論外で、履歴書に写真を貼る習慣もない。
 が、そんなことはおかまいなしに同社は若い容姿端麗な女性だけを採用し続けている。その証拠に Hooters Girls はこれまでに数多くの一流モデルやタレントを輩出しており、女性からも一目置かれる存在というから、同社が採用の際に容姿を無視していないことだけはたしかだろう。

 その結果、若い女性しか採用しないことに対して訴訟を起こす高齢の女性、タンクトップの強制に対してセクハラ訴訟を起こす過剰反応型の女性、女性しか採用しないことを訴えるジェンダーフリー論者の男性など、さまざまな者が訴えを起こしてくるという。もちろんそれら訴訟の多くは成功報酬を目当てにした弁護士誘導型のものが多いようだが、とにかく同社が訴訟のターゲットになりやすい環境にあることだけはたしかだろう。
 それでも同社の基本スタンスに変わりはなく、「利用者がセクシーな女性を望む限り、その需要に見合った社員を採用してなにが悪い」 といった考えに微塵の揺るぎもないようだ。

 ちなみに同社は規模こそ大きいものの非公開企業だ。社会的な責任を負わされがちな上場企業ではないという部分も、同社のそんな頑固なスタンスを維持できる要因になっているのかもしれないが、いずれにせよ、こういった会社が一社ぐらいあってもいいだろう。日本でもジェンダーフリー論などが騒がれているが、あまり固いことばかり言っていると世の中が楽しくなくなってしまう。
 法律論はともかく、現実の世界のホンネとしては、毛だらけの太い腕のごっつい男性にビールを注いでもらうよりは、ニッコリ笑ったセクシーな女性に注いでもらった方がビールもおいしいというもので、今後もフーターズには頑張ってもらいたいし、ぜひ応援したい。
 ちなみにラスベガスは他の都市に比べ、その Culinary Union (飲食業従事者の組合) の力が非常に強いといわれている。残念ながらその組合員のほとんどは "非セクシー系" というのが現実だろう。過激な勢力からの圧力で新生サンレモ "Hooters Casino Hotel" が押しつぶされないことを祈るばかりだ。
 チアリーダーは元気さが売り物。フーターズらしさを失ったおとなしいフーターズでは意味がない。やるからにはとことん派手にやってもらいたい。

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