週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2004年 8月 18日号
円ドル交換レート、最悪はLV空港、最も有利なのはベラージオ
 ラスベガス旅行に行ってカジノで遊ばないのは、ハワイへ行ってビーチに出ないようなもの。どんなにギャンブル嫌いでも、多少はカジノで時間を費やすことだろう。
 さて、カジノで遊ぶとなるとそれなりの軍資金、つまりドルの現金が必要だ。ショッピングと異なり、クレジットカードというわけにもいかない (キャッシングできないこともないが、手数料が高い)。
 そこで問題となるのがドルの調達方法。一般的には日本国内でドル建てのトラベラーズチェックを調達する方法が最も有利とされるが、"緊急時"、つまりカジノでの負けが込んでしまった場合は、財布の中に残っている日本円をドルに換金しなければならないこともあるだろう。今週はそんな時に気になる各ホテルでの円ドル交換レート (日本円の現金をドルの現金へ交換する際のレート。電信扱いのレートではない) を調べてみた。

 右下の一覧表がその結果だ。これら数字は、各ホテルのカジノキャッシャーでの対面取材によるもので、調査日はすべて 17日。調査時刻の違いによる為替変動までは考慮に入れていないが、この日の外為市場での円ドル相場は比較的穏やかな動きだったため、時間差による補正までは必要ないだろう。

 今回の調査でわかったことは、同じ会社が経営するホテルでもレートが違っているということ。たとえば Bellagio と TI は同じ会社で、Mandalay Bay と Luxor も同じ会社だ。
 そして、必ずしも高級ホテルの方がよいレートとは限らないということ。一般的に高級とされる Venetian の方が、大衆路線を売り物にしている Excalibur よりも悪いのは意外だった。また、空港は論外で、ベラージオ(写真左) が突出して良いということも、今回わかった重要な部分といってよいだろう。

 以前からベラージオのレートはよいとされてきたが、今回の調査で改めてそのことが確認された格好だ。そのベラージオのレートは、ただ単に他のホテルと比べて良いというだけでなく、この日のニューヨーク市場の中値が 109.90 を挟んでの小動きだったことを考えると、日本での交換レートと比べてもまったく遜色のない極めて良心的なレートだ。

 一方、空港両替所のひどさは目を覆いたくなるばかりだ。これは国際線が到着する第2ターミナルの到着ロビーにある両替所でのレートだが、円買い 122.699、円売りは 100.514 (←クリックで写真表示) となっていたので、中値に対して 1ドルにつき 11円ほど利益を取っていることがわかる。サービスの一環として両替を行なっているカジノと違い、両替業務だけで場所代や人件費などをまかなわなければならないことを考えると (特にこのターミナルは乗降客が非常に少なく、両替する客がほとんどいない)、仕方がないといった感じがしないでもないが、ここでの両替だけは絶対に避けたいところだ。

 その他のホテルはおおむね 114〜116円となっており、やはり日本国内のレート (金融ビッグバン以降、横並びではなくなってきているため一概には言えないが、中値に対して 1.5円〜3.0円の上乗せが一般的) よりも悪いことがわかる。もっとも、日本におけるドル需要と、アメリカにおける円需要は比較にならないほど異なるため、各カジノホテルにとって、需要の少ない円の在庫管理の手間や資金が寝てしまうことによる金利負担などを考えると、この程度のレートはやむを得ないといったところか。

したがって今回の調査から言えることは、
  • まとまった額の円を両替する場合は断然ベラージオ。
  • 少額の場合はベラージオまで移動する手間などを考え、最寄りのホテル (宿泊ホテル) を利用することも視野に入れながら判断。ベラージオとの差は 1ドルにつき 2〜3円程度。
  • 空港の両替所だけは絶対に避けるべき。
 ということになるが、始めから使うことがわかっているドルは、やはり日本で両替しておいた方がレート的には有利 (特にトラベラーズチェックが有利) なので、ラスベガスでの両替はあくまでも "緊急事態" と考えておくべきだろう。

Note1:
トラベラーズチェックは、発行金融機関にとって、そのチェックが使用されて戻ってくるまで、資金繰り的には紙幣を印刷するようなものなので非常に都合がよく、また、使用されずにタンスにしまわれればまさに理想的なため、管理の手間がかかる現金よりも良いレートを提示するのが一般的。

Note2:
レートの表示の仕方は、日本で採用されているような 「1ドルが何円か」 ではなく、少なくともここラスベガスでは 「1円で何ドル買えるか」 で示されることが圧倒的に多い。今回の調査でも、空港両替所だけが日本式で、あとはすべて 「1円で何ドル買えるか」 で表示されていた。したがって、窓口でレートを確認する際、「0.0088」 などと言われても驚いてはいけない。その数字を逆数にすれば日本式表記でのレートになる。ちなみに今回の調査では 0.0086 (116.27円)、0.0087 (114.94円) などというように、ゼロを除く部分を 2桁までで管理していたホテルが非常に多かった。これはかなり大ざっぱで、少しの変動は気にしない 「どんぶり勘定」的なレート管理といってよいだろう。参考までにベラージオは 0.008919 と、ゼロを除く数字の部分を4桁まで表示していたが、4桁を導入していたのはベラージオの他、TI (0.008653)、ミラージ (0.008793)、サンレモ (0.008653) の3ホテルだけだった。

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