週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2004年 5月 19日号
ガソリン価格急騰! "Fuel Surcharge" ってナニ?
 ここ数ヶ月、ガソリン価格が急騰している。「急騰」 のことを英語では 「ロケットのように上昇」 と表現することが多いが、まさにロケット並みの上昇ぶりで、毎日のように史上最高値を更新している。

 ちなみに制度や流通システムの違いから、日本とは異なりアメリカでは、原油相場に対してほとんどタイムラグ無しで石油関連製品の市場価格が変動する。つまり中東情勢の急変などで原油相場が乱高下すれば、ガソリン価格もそのまま乱高下するというわけだが、最近は 「乱高」 はあっても 「下」 がほとんどない。ガソリンスタンドの価格表が毎日書き変わることには慣れているアメリカ市民も、ここ数ヶ月の異常なまでの急騰ぶりにはいささか閉口ぎみだ。

 参考までに右上の写真 (クリックで拡大表示) は 5月 18 日に撮影された、エクスカリバーホテル近くのガソリンスタンドにおける 1ガロン当たりの価格表示だ。
 Unleaded (無鉛レギュラー) が $2.259 ということが読み取れるが、リットル単位の日本円に換算すると (1G=3.785L、 $1=114)、リッター 68円になる。
 税制などの違いもあり、日本と比べるとまだまだ割安感があるが、この写真の $2.259 という数字が半年ほど前には $1.60 前後であったことを考えると、その異常な上昇ぶり (約40%増) がうかがえる。これを日本の感覚にたとえるならば、「リッター 100 円だったものが、わずか数ヶ月で 140円に」 ということになるが、毎日車を使うアメリカ市民にとってはもっと事態は深刻だろう。

 さてそんな市況を反映して、最近 "Fuel Surcharge" という言葉を耳にするようになった。(左の写真をクリックするとその様子を見ることができる)
 直訳すれば 「燃料追加金」 だが、ようするに 「燃料コスト上昇のための協力金」 ということだ。
 タクシー業界ではすでに昨年からこれを導入しており、それまでは初乗り $2.80 だったが、現在はこの Fuel Surcharge $0.20 が加わって $3.00 となっている。あくまでも一時的な措置とのことで、ガソリン価格が下がれば取りやめることになっているが、いつやめるのかはだれにもわからない。
 ちなみに 2001年に、電力料金が一時的に高騰した際、ラスベガスの各ホテルは一斉に "Energy Surcharge" と称して、通常の宿泊料とはまったく別に一泊一部屋 3ドルの追加料金を徴収したことがあるが、その時はたしか一年ほど続いた。

 さて今回この Fuel Surcharge の話題を取上げたのにはもう一つ理由がある。タクシー以上に日本人観光客の利用度が高いと思われるグランドキャニオンツアーにおける導入だ。
 グランドキャニオンツアーを催行している各航空会社は今月から一斉に Fuel Surcharge を導入し始めた。
 5ドルであったり 10ドルであったりその金額は各社まちまちだが、どこもその主旨は、「ここ数ヶ月、航空燃料費の高騰を経費削減などの企業努力でなんとか吸収してきたが、もはやそれも限界」 というもので、ほぼすべての航空会社がこの Fuel Surcharge を導入した。
 具体的には、ツアーの代金とは別に独立した形でチェックインカウンターなどで徴収されることになるが、これもタクシー同様、いつまで続くかわからない。なお、各社とも 「これを継続する限り、そのことはチェックインカウンター前などにハッキリと複数の言語で明記する」 とのことなので、「わけがわからないまま徴収された」 といったトラブルはないはずだ。つまり、この掲示がなくなっていた場合は支払う必要がない。
 ちなみに右の写真は Fuel Surcharge を今週の月曜日から導入した航空会社のチェックインカウンター前の様子。日本語でも説明がなされていることがわかる。

 現在 1バレル 40ドル前後で取引されている原油相場。この先の動きはだれにもわからないが、"世界最大最強のカルテル" ともいわれている OPEC側は常々 「1バレル 24 から 28ドルに落ち着かせたい」 と言っている。さらに本日のニュースとして、「今月 22日にアムステルダムで開かれる OPEC協議の場で、生産枠の拡大が話し合われることになった」 と報じられているので、ガソリン価格の上昇トレンドもそろそろ終わりに近づいているかもしれない。
 何ごとにおいてもめまぐるしく変わるラスベガス。料金も柔軟性を持たせているのか、他の都市に比べて臨機応変に変わる傾向にあるように思える。一度決めた Fuel Surcharge もすぐに撤回される可能性は十分にあるし、またそうなることを祈りたい。


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