週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2004年 5月 12日号
観光都市ラスベガス、さらなる発展のためのキーワードは 「ゴルフ」
 このコーナーでゴルフコースを紹介すると、大多数の読者はガッカリするらしい。たしかに情報としての需要の少なさは容易に想像でき、これまでに何回か取上げてきたゴルフ記事の反響の悪さを思い起こすまでもなく、その不人気ぶりは間違いないところだろう。
 そんなこともあり、ここ一年ほどゴルフの話題を避けてきたが、今回それを承知であえてゴルフの話題を取上げてみたい。

 じつは現在ラスベガスコンベンションセンターで National Tourism Week という観光業界のイベントが開催されている。
 簡単に言ってしまえば、「海外からの観光客をもっとたくさん呼び込もう」 という業界人の集まりだ。
 これは全米規模の集会であるため、観光客誘致はラスベガスだけが対象ではないが、発展著しいラスベガスが特に重要なポジションに置かれていることは言うまでもなく、市や州政府のみならず連邦政府からのラスベガスに寄せる期待も大きい。
 そして今回の会合では、かつて無い規模での海外向けのマーケティングが、この先数年間に渡って官民一体で行なわれることがほぼ決まった。

 ラスベガスにとって観光は唯一の産業と言っても過言ではなく、ヨーロッパ、中南米、アジアなど、全世界から観光客を呼び込む必要があるが、特に、高い可処分所得と一億超の人口を有する日本は、ラスベガスにとって最重要国だ。
 しかし、これまでにもさまざまなマーケティングや関係者の努力がなされてきたにもかかわらず、残念なことにここ数年、日本からの観光客数は、他の国からのそれに比べ突出して低迷している。
 今回の集会を機に、今後ラスベガスも今まで以上に日本人観光客の誘致に力を入れることになりそうだが、ではどうやってラスベガスを日本へ売り込み、潜在需要を掘り起こすべきか。ラスベガス大全もささやかながらその一役を担うべき立場にいると考え、専門家らを交えていろいろ知恵を絞ってみた。

 そしてその結論はゴルフだ。ゴルフこそが日本人誘致のカギを握っていると確信する。そのことは今回の National Tourism Week でも一部の関係者がふれていたが、ゴルフは十分にラスベガスのメインアトラクションになり得るということだ。
 カジノやナイトショーの存在はすでに日本中のだれもが知っている。ラスベガスという言葉を聞いて、カジノを思い浮かべない者はまずいないはずだ。華やかなナイトショーなどを思い浮かべる者もいるだろう。
 つまり、カジノなどの存在は、すでにだれもが知っていて、そしてその結果の数字として現在の観光客数になっているわけで、新たな需要を掘り起こすためにカジノやナイトショーを売り込んでもあまり大きな効果は期待できないと考えるべきだろう。

 一方、ラスベガスと聞いてゴルフを思い浮かべる者は少ないはずだ。ハワイやグアムを訪れる日本人観光客はゴルフをするが、ラスベガスではしない。
 海外旅行の最大の魅力を 「非日常の体験」 とするならば、日本でもできるゴルフをあえてハワイやグアムでもやるということは、それ自体が非日常の雰囲気の中に置かれていると考えるべきだが、であるならば、ラスベガスのゴルフこそが非日常、つまり、「日本ではあり得ないようなゴルフを体験できる」 と、ここであえて主張したい。それほどラスベガスには奇抜なゴルフコースが多いということだが、ちなみにこのページに掲載されている写真 (クリックで拡大表示) はすべてラスベガス周辺にあるゴルフコースのものだ。

 ここ数年、ラスベガス周辺のゴルフコース建設は、ホテル建設以上の伸びを見せ、すでに全米屈指のゴルフパラダイスとなっている。コースの数でこそまだカリフォルニアのパームスプリングスやアリゾナのフェニックス周辺におよばないものの、コースの内容、特に奇抜性やゴージャス性、さらには戦略性などにおいては、すでに全米一といわれており、世界中のゴルフファンが注目している。

 このラスベガス大全でゴルフ記事が不人気なのは、読者の大多数がゴルフをまったくやらないためではなく、感覚的にラスベガスにゴルフを求めていないからではないだろうか。
 人気劇団が新作のナイトショーを発表すると、観光客数の底上げにつながるが、それは、「ナイトショーのラスベガス」 もしくは 「ショーの本場ラスベガス」 といった既成概念があるために成り立つことであり、それがなければ大きな効果は期待できないはずだ。つまりその新作ショーがロサンゼルスで単発的に行なわれても、日本からわざわざそれを見に行こうとは考えない。

 同様に、豪華な巨大テーマホテルが完成すると観光客が増加するが、それはリピーターなどが 「豪華ホテルのラスベガス」 というイメージを持っているためで、サンフランシスコに単独でそれが完成しても大した集客効果は生まないはずだ。
 ゴルフも同様で、単発で特定のゴルフコースを紹介するミクロ的な作業も重要だが、それ以上に 「ゴルフのラスベガス」 といった包括的なイメージ作りが必要となる。それには企業の垣根を越えた街全体の協力や努力が不可欠となるだろう。
 そのようなわけで今後ラスベガス大全はさまざまな関係者と協力し、「ゴルフのラスベガス」 を積極的にアピールしていきたいと考えている。その結果、少しでも新規の観光需要の掘り起こしに貢献できれば、これほどうれしいことはない。水不足問題や夏の猛暑といったマイナス要因も無いわけではないが、業界関係者が一致団結して努力すれば 「ゴルフのラスベガス」 の定着も夢ではなく、そうすればまったく新たな客層が世界中から押し寄せるに違いない。


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