週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2004年 4月 14日号
電飾アーケード、工事未完成のまま高解像度版がデビュー
 ダウンタウンの電飾アーケード Fremont Street Experience の改良工事が大幅に遅れている。
 昨年秋に始まった工事は、年末までに終わる予定だったが、まだ完了していない。(右写真は 12日夜撮影。白く見える部分が工事完了区間。上部の黒い部分が未着工区間。クリックで拡大表示)
 ゴールデンウィークも近く、読者からの工事の進ちょく状況に関する問い合わせも増えてきている。そこで今週は、電飾アーケードの管理組合 Fremont Street Experience LLC に現状と今後の予定を聞いてみた。

 改良工事の目的は、ディスプレイとしての解像度をアップさせるためのもので、作業としては、光の演出の元となる発光体を、大きな電球から小さな発光ダイオード(LED) へ置き換える。面積当たりの発光体の数は約8倍になり、細かい演出が可能になるばかりか、LEDは電球に比べ消費電力が少なく寿命も長いため、電気代や管理費の節約も期待されている。

 ■ 電球とLEDの置き換え状況がわかる現場の拡大写真 (昨年 10月撮影)
 ■ 赤、緑、青の個々のLEDの様子がわかる超拡大写真 (同)

 昨年 10月に、全長約 450m の施設の東端から始まった工事は、4月13日現在、84% 完了している。つまり西端 (プラザホテル側) の 16% (約 70m) ほどが古い電球のまま、ということになる。
(その様子は ここをクリック

 気になる現在の上演状況だが、全体の 84% の部分で映像を楽しめるというわけではない。
 ハード的な設置は 84%の区間で完了しているものの、配線やソフト的な部分が未完成とのことで、現在はかなり変則的なカタチで上演されている (右写真。13日に撮影)。

 東端から中央付近までの約 200m ほどの区間 (LEDに置き換え済みの区間の一部。右の写真では、下方にかなり明るく見える部分) で高解像度バージョンが、西端から約 50m ほどの区間 (電球の区間の一部。上部に赤く光っている部分) で従来通りの低解像度バージョンが、それぞれ映し出されており、中央付近 (黒く見える電球区間と、グレーに見える LED区間) では、何も映し出されていない。
 つまり現在は本来の細長い巨大な映像を見ることができないという不便がある反面、その一方で、新旧両方のバージョンを見比べられるという貴重な体験ができる。

 ちなみに新しい高解像バージョン (写真左) は、従来の映像ソフトをただ単に LED 区間で上演しているのではなく、実際に LED 用に改良されたソフトによる演出だ。つまり、面積的に電球一個分に相当する 8つの LED がすべて同時に同じ光を発しているのではなく (それでは解像度が上がったことにならない)、個々の LED が独立した色を発している。明らかに従来版よりも美しく、従来版を見て知っている者は、その違いの大きさに気づくことだろう。

 さて、全区間が LED に置き換わった状態での高解像度バージョンの上演が待ち望まれるわけだが、それがいつになるのか。ゴールデンウィークまでに間に合うことを期待しながら、管理組合側にきいてみたところ、その返事はなんと、「不明」 とのこと。
 だいたいの予定でも聞かせて欲しいと改めて問いただすと、「それは言えない」 の一点張り。言えない理由は、昨年秋の工事開始時点の公式アナウンスメントで、「年末には完成」 と発表してしまい、結果的に年末のカウントダウンパーティーなどに間に合わず、各方面からかなり非難を浴びたことにあるらしい。そのような理由から今は組織内で箝口令が敷かれ、コメントできないようだ。
 したがって現在はどこのメディアも完成時期を報じていないわけだが、たまたまある者の紹介で接触に成功した技術者 (ソフト制作を担当) から得た情報によると、完全オープンは 6月中旬ごろになるという。
 これもどこまで正確か、なんともいえない部分もあるが、話の雰囲気的にはゴールデンウイークには間に合いそうもない、という印象を受けた。それでも現在の上演方法でも十分楽しめるので、それを聞いてダウンタウン見学をあきらめる必要はないだろう。

 最後に余談だが、工事開始時点の昨年 10月のこのコーナーで、「組合側が発表している LED の数、1250万個にはつじつまが合わない部分がある。計算上、1700万個以上必要なはず」 といった内容を書いたが、その原因がわかったので、この場で報告しておきたい。
 アーチ型をなす構造物の上部 (地面から高い部分) だけが置き換えの対象となっており、低い位置 (側面部分) はそのまま電球が残されることがこのたび確認された (写真右。暗い部分が電球のセクション)。そのため、当初考えていたよりも LED 部分は少なくてすみ、組合側発表の数字で正しいことになる。
 ちなみに側面が LED に置き換えられない理由は、すべてを LED にしてしまうと、空気の流れが悪くなるからだという。(その様子は ここをクリック
 たしかに外気が遮断されると、真夏などには熱気がこもるおそれがあるので、この措置もやむを得ないのかもしれない。
 ちなみに現在の試験的な上演では、その側面部分は使用されていない。完成後、その部分を使用するかどうかはソフト的な問題もあり今後の課題だという。

バックナンバーリストへもどる