週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2004年 3月 31日号
ヒルトンのスタートレックに新アトラクション "Borg Invasion 4D"
 3月 18日、ラスベガスヒルトンホテルのスタートレックエクスペリエンス内に新アトラクション "Borg Invasion 4D" がデビューした。
 スタートレックを知らない者にとっては単なるシミュレーターライドにすぎないアトラクションだが、ファンにとっては聞き捨てならない大ニュースだろう。

 これまでのスタートレックエクスペリエンスは、ディープスペースナインまでのシリーズがメインとなっていたが、今回デビューした Borg Invasion 4D では主にヴォイジャー以降のシリーズがメインだ。
 このボイジャーシリーズ、日本では全国的な地上波でテレビ放映されていないためか、ややなじみが薄いようだが、アメリカでは従来シリーズ同様、根強い人気があり、当地ではかなり話題を集めている。ちなみに、まだ開業していないモノレール (試運転中) にも Borg Invasion 4D の宣伝が大きくペイントされるなど (写真左下。クリックで拡大表示)、ヒルトン側の入れ込みもかなり大きいようだ。

 さてその内容だが、基本的には、"ドクター" (Robert Picard) 率いるヴォイジャー陣営と、立方体型宇宙船が売り物のボーグ陣営との戦いで、それをシミュレーターライドで楽しむ。
 そのへんのストーリーになじみがない者は、このライドを体験する前に何らかの方法でヴォイジャーシリーズを見ておくとよいだろう。もしくは映画版 "First Contact" (すでにビデオもDVDも出ている) などで研究しておくことをおすすめする。

 Paramount Parks 社が技術の粋を集めて制作したという映像は非常に美しく、また、3Dメガネをかけてのライドになるため、立体的な臨場感も抜群だ。
 さらに座席の仕掛けもユニークで、ボーグ陣営から攻撃を受けるたびに、顔面や耳元に冷たい霧がかかったり、背中や尻に珍妙な刺激が加わるなど、細かい演出に驚かされる。肛門付近を刺激される際、真剣な戦いの最中であるにもかかわらず観客から笑い声がもれるなど、なんとも愉快だ。

 一方、厳しい評価も少なくない。「ファンの間で高い評価」 とする広報担当者の説明とは裏腹に、現場にいたファンのコメントは手厳しく、単純なストーリーや、座席の動きが緩慢な部分を指摘する声などが聞かれた。たしかにこの種のライドとしては座席の移動幅が少なく、過激な振動や動きを期待する者にとっては少々物足りないかもしれない。「あまり過激にすると酔ってしまう者が続出してしまうため動きを押さえた」 との噂もあるが、真相は定かではない。

 ライド自体の時間は約7分。ライドに誘導される前の 「緊急避難」 の演出が 15分ほどで、全体としては約 22分のアトラクションとなっている。
 なお、今回オープンしたこの Borg Invasion 4D は、従来からあるライド "Klingon Encounter" に追加されるカタチで登場したもので、Klingon に置き換わって登場したわけではない。つまり現在は Borg と Klingon の両方のアトラクションを楽しむことができる。

 料金は従来より $5 ほど値上げになっており、大人 $29.99、12才以下の子供 $26.99 と決して安くない。なお身長 42インチ(約 106cm) 以下の子供はライドできない。

 かつてのラスベガスでは、「ギャンブラーがカジノにお金を落とすのでアトラクションは低料金」 というのが通り相場だったが、近年はギャンブルをまったくやらない観光客が増えてきたためか、"受益者負担" が最近の傾向となっており、ここの料金体系もまさにその流れに沿っているといえそうだ。
 また、「大人の街への回帰」 というのも最近のラスベガスでの傾向で、ここの料金で子供があまり優遇されていない部分にも、そのトレンドがうかがえる。

 場所はラスベガスヒルトンホテル内のカジノフロア。営業時間は年中無休で、午前 11時から午後 11時まで。
 最後に蛇足ながら、このスタートレック施設に隣接するカジノの男性トイレ (←クリックで写真) では、利用者が用を済ませると、その直後に正面のディスプレイに宇宙人風の声と映像で、「あなたの尿を分析したところ…」 などというメッセージが流れて来る。その便器の直線的なデザインとメタリックな素材は、いかにも未来的で遊び心があふれているので、興味がある者は立ち寄ってみるとよいだろう。いや、立ち寄るだけではメッセージは流れてこないので、立ち小便をしてこよう。

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