週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2004年 3月 17日号
ミュンヘンの文化遺産 "HOFBRAUHAUS" がラスベガスに
 今週は、先月ハードロックホテル前にオープンした大型ビアホール "Hofbrauhaus" を紹介してみたい。

 Hofbrauhaus といえば、ドイツ南部バイエルン地方の伝統と文化を受け継ぐ世界的に有名なビアホールで、それ自体が現地ミュンヘンでは文化遺産に指定されている。
 400年以上の歴史を誇るこのビアホールは、もはや単なる酒場というレベルを超え、南ドイツを代表する観光名所となっており、特にオクトーバーフェスト (9月後半から10月初旬にかけてミュンヘンで行なわれるビール祭り) の際は、イベントの象徴的な場所として世界中から観光客が押し寄せる。

 そんなビアホールが、ひとりのドイツ人 Stefan Gastager 氏の熱意と、その友人らの協力によってラスベガスに誕生した。
 約3年前、ラスベガスを観光で訪れた Gastager 氏は、ピラミッド、自由の女神、エッフェル塔、凱旋門、コモ湖、ベニスの水路、五重塔などがあるにもかかわらず、ドイツを象徴するものがラスベガスに何一つないことに気づき、大いに落胆した。
 が、すぐに、「ラスベガスにマッチしたドイツのシンボルは Hofbrauhaus 以外にあり得ない。これを建設するしかない」 と思いつき、帰国後、すぐに実行に移した。
 仲間集めと資金集めに成功した Gastager 氏は、仲間と作業を分担しながら、文化遺産を管理する当局から建造物の複製や名称使用権の許可を得るなど、とんとん拍子で計画を進め、「あとはできる限り同じ形に再現することだけに専念した」 (Gastager 氏) というほど再現性にこだわりを見せた。こうして完成にこぎつけたのが今回オープンしたラスベガスの Hofbrauhaus で、ラスベガスに数ある複製建造物の中ではかなり評判が良いようだ。

 ドイツから大工を呼び寄せ完成させたという建造物はオリジナルをほぼ忠実に再現。赤い屋根瓦 もミュンヘンから取り寄せたというほどのこだわりようだ。
 380席のメインビアホールも、天井の絵 から家具類に至るまで、そっくりに仕上げられており、長テーブルやベンチ、そして ジョッキ棚 などはわざわざミュンヘンから持ってきたという。
 マネできなかったものもある。屋外ビアガーデン (ビアホールとは別に存在。写真右) だけは、猛暑が厳しいラスベガスではアウトドアに作ることができず、やむを得ずインドアにしたとのこと (430席)。それでも現地の木々や街並みを可能な限り人工的に再現し、オリジナルに近づけてある。
 見えない部分にもこだわりを見せており、キッチン内のレイアウトなどもそのまま忠実に再現しているというから驚きだ。また、ビールはもちろんのこと、名物のプリッツェル の生地などもミュンヘンから直輸入しているという。
 メニューの中心となるソーセージ類 は、Hofbrauhaus 認定のドイツ人の職人がカナダで製造している。
 ウェイターやウェイトレスも、ドイツ語圏の文化に精通した者を採用するようにし、その衣装もオリジナルを踏襲するなど (写真左)、細かい部分でのこだわりも忘れていない。毎晩登場する 生バンド も現地からミュージシャンを呼び寄せているという。

 料理 (メニュー ) は限りなくミュンヘンのオリジナル店と同じにしてあるとのことなので、やはりここではドイツ系の料理を存分に楽しみたい。
 各種ソーセージ類はもちろんだが、名物の薄切りトンカツこと "Wiener Schnitzel" も見逃せない。気になる味だが、ソーセージは一通り食べてみて、そのほとんどすべてが合格点だった。期待していなかった チキンソーセージ もまずまずの味。薄切りトンカツは、日本のそれと比べると当然のことながら薄っぺらでハムカツに近いが、面積が広く、ビールのつまみとしては十分なボリュームだ。
 名物ということでオーダーしてみたサイドオーダーのバイエルンポテトサラダ Bavarian Potato Salada は、マヨネーズではなく酢のきいたドレッシングのさっぱり味。
 ウェイターの強い勧めでオーダーしてみた Spatzle と呼ばれるジャーマンパスタ は、見た目が炒り卵のようで、歯ごたえも柔らかく、あまり日本人の口には合わないかも知れない。
 ビールは、Hofbrau Original、Hofbrau Dunkel、Munchner Kindl Weissbier で、全部飲んでみたが、どれもそれなりに特徴があっておいしい。値段はどれも 300ml が $3.50、500ml が $5.40、1000ml が $9.99。

 正面玄関前にはギフトショップがあり (写真右)、ジョッキなど各種ロゴ入りグッズが売られている。
 営業時間は日曜日から木曜日が 11:00am 〜 11:00pm、金曜日と土曜日が 11:00am 〜 12:00mn。
 なお、平日のランチタイム (11:00am 〜 4:00pm) は、同じ料理がディナータイムよりも 1〜2ドル安くなっておりお得感があるが、夜の方が賑わっているので断然おすすめだ。客全員がジョッキを片手に立ち上がり大声で歌うシーンは本場ミュンヘンの雰囲気が出ていて楽しい。そういった雰囲気を演出する生バンドは 6:00pm から登場する。

 場所は冒頭でふれた通りハードロックホテルのはす向かいで、番地は 4510 Paradise Road。ストリップ大通りのホテル街からは、アラジンホテル脇の Harmon 通りを東へ約2km と、徒歩で行くにはやや遠い。Hofbrauhaus が無料シャトルバスを運行することになっているが、まだ定期的な運行には至っておらず、現在は団体客が電話でリクエストした場合以外、うまく機能していない。
 したがって徒歩やレンタカー以外では、タクシーまたはハードロックホテルの無料シャトルバスを利用して行くことになる。(タクシーおよびハードロックホテルの無料シャトルバスに関しては、このラスベガス大全の [市内交通]セクションを参照のこと。なお、そのシャトルを利用した際は、同ホテル内のカジノ、レストラン、ギフトショップなどを利用するのがマナーだろう)


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