週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2004年 1月 7日号
テーマレストラン Margaritaville が超一等地にオープン
 昨年末、大型テーマレストラン Margaritaville Cafe がフラミンゴホテル内にオープンした。(写真右、クリックで拡大表示)
 単なる一軒のレストランの開業という意味ではニュース性に乏しいが、ラスベガスのド真ん中の景観が多少なりとも変わったという意味ではただならぬ出来事なので、今週はこの話題を取り上げてみたい。

 まずは店のことよりも場所について。今回 Margaritaville がオープンした場所は、フラミンゴホテルのラスベガス大通り側に面した歩道脇で、世界に冠たる目抜き通り 「ザ・ストリップ」 の中でも特に人通りが多い超一等地だ。
 そんな場所が、なぜかこれまでは何にも使われていなかった。しいてあげれば、フラミンゴホテルの北西側の出入口からカジノへ通じる通路があったわけだが、基本的にはこれといった商業施設は特に何もなく、せっかくの超一等地は遊んでいたことになる。したがって、今回の Margaritaville の出現は、その無駄に気づいたホテル側がスペースの有効利用を考えた末の産物といってよく、結果的にラスベガスの中心街の風景を少なからず変えることになった。

 そんな立地条件だけに、ホテル側の期待も大きくそれなりの大物テナントが入居したわけだが、残念ながらこのMargaritaville は、アメリカ人が興味を示すほど日本人には話題とならないかもしれない。逆に言うならば、アメリカ人にはかなりウケる可能性がある。
 理由は、この店のテーマというか主人公が Jimmy Buffett 氏だからだ。アメリカ人なら誰もが知るシンガーソングライターで、カントリーミュージックの大御所であると同時に作家としても名高い。
 20年ほど前の全盛時代に比べると、近年ミュージシャンとしての存在感が薄れてきていることは否めないが、海好きな作家であると同時に、拠点がフロリダ州のキーウェストであることなどからヘミングウェイを彷彿とさせるのか、中高年層に根強い人気があり、そんな彼が監修するこのテーマレストラン Margaritaville も何かと注目を集めがちだ。
 ちなみにこれまでの出店はオーランド、キーウェスト、ニューオリンズ、ジャマイカ、カンクンなど、米国南東部およびカリブ地方に集中していたが、今回のラスベガス進出をきっかけに今後は西海岸地域での展開も目指すという。

 "海の男" Jimmy Buffett 氏らしく、店のテーマはもちろん海で、店内はサメ、イルカ、クジラなどの模型、そしてヤシの木、ボート、さらには水上飛行機など、海に関するもので埋め尽くされており、全体的に楽しい雰囲気が漂っている。
 トローリング用の釣り竿を何本も立てたフィッシングボートがダイニングテーブルになっている席などもあり、遊び心も感じられる。また、ヨットの帆に見立てた大型スクリーンでは自身のコンサートの様子を写し出すなど、自分の宣伝も忘れていないようだ。

 規模としては非常に大きなレストランで、1階のメインフロア以外に、2階席 と 3階席もある。どちらもストリップを見下ろせる位置にあり、夜景を楽しむには都合がよいが、インテリア的には一階席ほどテーマ色はない。なお、3階席はオープンデッキのアウトドアなので、夏と冬は気温的に厳しそうだ。
 1階のカウンターバーには、2001年5月、Margaritaville が主催するイベントで、ギネスブックに載る約3万リットル (グラスも含めた総重量約32トン) の "世界最大のマルガリータ" を作った際のマルガリータグラスのミニチュア模型 (といっても巨大)が飾られている。

 開業直後のこの時期にこんな話をするのも縁起が悪いが、テーマレストランを取り巻く環境は厳しいようだ。一般的に、「味で勝負をしないテーマレストランはリピーター客をつかむことができないため生き残れない」 と言われている。
 事実ここ数年ラスベガスでも多くのテーマレストランが姿を消しており、プロスポーツ選手をテーマにした All Star Cafe、カントリーミュージックをテーマにした Counrty Star、カーレースやスポーツカーをテーマにした Race Rock 、モータウン・レーベルのレコードをテーマにした Motown Cafe Cafe、プロレスの Nitro Grill、潜水艦とスピルバーグの Dive、映画スタジオの Stage-16、ジャズの Blue Note Cafe、などの撤退は記憶に新しい。
 残るは Harley Davidson Cafe、Rainforest Cafe、Hard Rock Cafe、Planet Hollywood などになるが、生き残り競争は熾烈を極め、残存組も決して安泰とは言えないだろう。事実 Planet は一回倒産しての再出発だ。

 はたしてこの Margaritaville は生き残れるのかどうか。立地条件が良いのですぐに消え去るとは思えないが、All Star Cafe も Counrty Star も一等地だっただけに気になるところだ。
 さて重要な味についてだが、多くを試食したわけではないので今の段階ではコメントを避けたい。が、日本人の口に合うメニューは少ないように見受けられた。
 それでも場所が良いので、とりあえず本格的なディナーなどではなく、小腹がすいた際に軽く一杯やるつもりで立ち寄ってみるのは悪くないだろう。ちなみにマルガリータと、ボリュームたっぷりの "ボルケーノナッチョス" が人気アイテムらしい。メニューは以下の通り。

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