週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2003年 10月 29日号
海賊船ショーの後継版 "The Sirens of TI" がスタート
 ラスベガスを代表する無料アトラクションとして広く親しまれてきたトレジャーアイランドホテルの海賊船ショー (本年7月に終演) の後継アトラクション "The Sirens of TI" が 26日、これまでと同じ場所で始まった。(クリックで拡大表示 →)

 「家族向けのホテルから大人のホテルへ」 という同ホテルのコンセプトの変更に伴う刷新だったため、まったく新しい演出が期待されたが、「2隻の船が戦って一方の船が沈没する」 という基本的な発想はこれまでとまったく同じで、「従来版と大差なし」 というのが正直な印象だ。地元メディアも 「変り映えがしない」と手厳しい。

 また、「セクシーな演出になる」 との噂や前宣伝が先行していたわりには、とりわけセクシーという言葉が似合う場面はあまりなく、その部分を期待していくとガッカリさせられる可能性が高い。(セクシーという言葉の定義には個人差があるが、左の写真のような露出度の光景でよければ、たくさん見ることができる)
 船自体も、従来の海賊船が "女性船" に、英国船が "男性船" に置き換わっただけで、サイズ、デザイン、動き方などに大きな変化は見られない。また、火を使った演出 も、花火が多用されるようになったこと以外、従来版と似たり寄ったりといった感じだ。
 総じて従来の施設をそのまま使い、極力予算を抑えようとしたことがうかがえるが、それでも音、映像、照明に関する設備は大幅に増強されており、歌やダンスの部分ではそれがいかんなく発揮されている。

 ストーリーは、ひとりの男が小型ボートで女性船に乗り込むところから始まり、あとは 大砲放水 の応酬で、最後は男性船が沈没する (写真右) という単純な内容だ。その後、海に投げ出された男たちが泳いで女性船に乗り込み寸劇は終わりとなるが、なぜかそこからそのまま船上で歌やダンスのパフォーマンスが始まる。
 さらに終盤は、船の背後の高い位置に設けられた特設ステージでも歌やダンスが披露され、それらの様子は、遠い位置にいる観客にも見えるように、船のマストに張られたスクリーンに映し出される。さながら 「セクシーな女性たちの野外コンサート」 といった感じだ。
 ちなみに演出時間はそれらパフォーマンスが追加された分だけ従来版よりも時間が大幅に伸び、正味 30分とかなり長い。

 従来版を知っている者にとっては似たような演出に見えてしまうが、30分ものパフォーマンスを無料で公開してしまうその奉仕の精神は立派で、今まで同様、ラスベガスを代表する無料アトラクションであることに変わりはない。
 まったく新しいアトラクションに生まれ変わったと思って行くと期待を裏切られることになるが、従来版のマイナーチェンジと考えればリピーターも十分に楽しめるので、時間が許す限り立ち寄ってみるとよいだろう。初ラスベガスの者はもちろん必見だ。

 場所はトレジャーアイランド (現在は TI と呼ばれるようになった) のストリップ大通りに面した池で、大通り側から見て向かって右側が男性陣の船、左側が女性陣の船。特種な場所を除き、両方の船を同時にしっかり見ることができる位置はほとんど無いので、両方を見たい場合は場所を変えて二度見るとよいだろう。どちらか一方の船しか見ないのであれば、後半の歌やダンスを至近距離から楽しめるという意味で、女性船側がおすすめだ。
 なお、開幕直後の現在は、地元民などが押しかけ非常に混雑しているため、池の中央を横切る橋の上の一部は VIP席 として、宿泊客専用に確保されている。また、水しぶきがかかる Wet Zone という場所もあるので、寒い夜などは注意が必要だ。
 公演は毎晩 6:00pm、8:00pm、10:00pm の 3回。従来同様、火を使うため強風時は中止となる。

 さて余談だが、このホテルは現在そのコンセプトをファミリー路線から大人路線へ切り替える目的で、これまでの 「海賊」 というイメージを排除するための作業を進めている。すでに客室内からもカジノからも海賊は姿を消しつつあり、海賊にまつわる家具や調度品などを処分するためのオークションも先日行なわれた (しかしなぜか今回のアトラクションの男性陣はとりあえず "海賊" ということになっている)。
 それと同時にホテルの名称もトレジャーアイランドから TI に改めており、ブラックジャックテーブル などはもちろんのこと、名物だったドクロの大看板も、今はその名称を示すための看板に置き換えられ (写真右)、すでにかつての海賊や宝島 (トレジャーアイランド) の面影はほとんどなくなっている。ただ、TI が完全に定着するまでは混乱を避けるためにトレジャーアイランドという名称も残すとのことなので (ロゴなどにも併記されている)、旧名を使っても誤りではない、ということをお伝えしておきたい。


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