週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2003年 10月 22日号
ダウンタウンの電飾アーケード、改良工事中は "8割上演"
 "電飾アーケード" として名高いダウンタウン地区の観光名所 Fremont Street Experience で、改良工事が始まった。
 光の演出の元となる発光素子を、従来の電球から発光ダイオード(LED) に置き換えるための工事で、12月まで続く。

 この工事のことはすでに各方面から報じられているのか、多くの読者から 「工事中は光のショーを観ることができるのか」 との問い合わせがこちらに寄せられているが、結論から先に言ってしまえば、その問いの答えは 「観ることができる」 だ。ただ、全体の約 20% は工事で機能していないため、"8割上演" ということになる。

 同施設を管理運営する Fremont Street Experience 事務局に問い合わせたところ、「少しずつ工事を進めるので、全体の機能が停止してしまうことはない。工事中の部分だけは光が点灯しないが、それは全体の 20% 以下に抑えるように努力している。やや見にくい部分はあるものの、光のショー自体はほぼ通常どおり楽しめるはず」 とのこと。
 ちなみに、現在は施設全体の約 15% 程度が工事区間になっており、そこだけは光が点灯していないが (写真左、クリックで拡大表示)、たしかに演出にはほとんど支障が無く、通常どおりのショーを楽しめる。
 ただ、たまたま現在はその工事区間が最東端に位置しているため気にならないが、これが中央部だったらどうなるのか、なんともいえないところだ。東側から西側に向かって工事を進めるそうなので、今後は途中が切れたカタチでの上演が続くことになる。

 さて、今回の工事により何が変わるのか。それは解像度の大幅なアップで、よりきめ細かな映像描写が可能になる。また、LEDは電球に比べ消費電力が少なく寿命も長いため、電気代と管理費の節約も期待される。
 いいことずくめのようだが、未知の部分もあるらしい。アーケード街全体の空気の流れが変わることだ。工事後は LEDパネルの大きさの関係で、すき間がほとんど無くなり、外気が入り込みにくくなるという (その様子がわかる写真)。
 冷暖房の効率はよくなるが、もともとあの巨大な空間は空調されていないため、夏期などに熱がこもったりするマイナス要因が懸念される。その一方で、各カジノから流れ出て来る冷気が外部へ逃げないというメリットや、冬期の暖房効果などへの期待も大きい。専門家は、気温が体温よりも高くなるラスベガスの夏においては、外気と遮断されるメリットは絶大、としている。

 なお余談だが、地元メディアの多くは 「約 210万個の電球が約 1250万個のLEDに置き換わる」と報じているが (弊誌スポットニュースでも同様に報道)、このたびの現場取材では、12個の電球が 99個 (赤、緑、青のセットで1個) のLEDに置き換わることを確認しており、それから判断すると、計算上 LEDの数は 1700万個以上になる。もともとの電球の数に誤りがある可能性もあるが、今後各メディアを通じて一人歩きしそうなこの 1250万個という数字は、事実に反している可能性もあるのでメディア関係者は注意が必要だ。ちなみに今回の取材では、だれひとり 1250万個の根拠について語れる関係者はいなかった。

■ 電球とLEDの置き換え比率の状況がわかる現場の拡大写真
■ 赤、緑、青の個々のLEDの様子までもがわかる超拡大写真

 いずれにせよ、解像度が大幅にアップすることはたしかなので、それなりの演出を期待してよいだろう。ただ、高解像度用の演出題目はまだ発表されておらず、ハードに合ったソフトの早期の完成が待たれるところだ。(現時点における各時間ごとの演出題目は [観光スポット] セクションの該当項目を参照のこと)
 ハードの工事もソフトの制作も、年末のカウントダウンイベントには間に合わせたいとしているが、何ごとにおいても完成期日が守られないラスベガス、はたしてどうなることやら。ちなみに現場からは、「工事は思ったよりむずかしく、かなり時間がかかりそうだ」 との声が聞かれた。


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