週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2003年 09月 10日号
CATバス、一日券の登場で利便性が大幅にアップ
 南北数キロメートルにおよぶラスベガスの目抜き通り ザ・ストリップ。そこでの移動手段の主役はなんといっても公営バス "CAT" (Citizens Area Transit の略)。ネコと特に関係があるわけではないが、ロゴマークはやはりネコだ。

 さてこの CAT、本数も多く 24時間運行とあって、タクシー利用を避ける庶民派観光客などから絶大なる支持を受けているが、その一方で、釣り銭無し、回数券は最低 40枚から、車内で回数券は買えないなど、観光客にとって、細かい部分での使い勝手は決してよくなかった。そんな CAT にこのたび 1日乗り放題の "One Day Pass" が登場したので取材してみた。

 料金は 5ドル。通常の 1回の運賃が 2ドルなので、3回乗れば元が取れることになる。何度も乗車する者にとってはかなり割安感があるが、今回の One Day Pass (写真左) はその低料金以上に、利便性の改善も見逃せない。
 従来の回数券や定期券などと異なり、終点のバスターミナルまで出向く必要が無く、車内で買うことができる。その購入方法は、乗車の際、5ドルを運転手に差し出し 「One Day Pass Please」 と告げるだけなので簡単だ。
 一度それを手に入れてしまえば、あとは乗車の際に運転手脇にあるカード読み取り機にそれを通すだけで、何回でも乗車することができる。

 また、「One Day」 といっても、「その日だけ有効」 ではなく、「その時点から 24時間有効」 となっているため、買うタイミングによって損をするようなこともない。もちろん有効期限を示す時刻などの情報は ウラ面 に印刷されているので、いつでも確認することができる。

 乗り換え時の利便性も高まった。これまでは、別路線に乗り換える場合 (乗り換え自体は無料)、最初に利用する路線で "Transfer Ticket" を運転手から受け取り、次の路線を利用する際にそれを提示する必要があったが、One Day Pass 所持者はどの路線にも自由に乗ることができるので、Transfer Ticket を受け取る必要も提示する必要もなくなった。
 さらに、地理に不慣れな一般観光客にとっては、まちがった場所で下車してしまうことによる金銭的な損失の心配もなくなり、そういった気分的な安心感も目に見えない利便性の向上といってよいだろう。ちなみに CATのストリップ路線の運行間隔は時間帯にもよるが、おおむね 10分以内なので、まちがった場所で下車してしまっても、One Day Pass を片手に次のバスを待っていれば特に大きな問題にはならないはずだ。

 唯一気を付けなければならないことは釣り銭の問題だ。通常の運賃の支払いでもそうだが、One Day Pass の購入においても釣り銭がない。5ドル紙幣でも、1ドル紙幣 5枚でもかまわないが、とにかく釣り銭がないので、高額紙幣しか持ち合わせていない場合は極めて不便だ。
 これは治安上の問題なので仕方がないらしい。100ドル紙幣を受け付けるためには、それなりの釣り銭用の現金を用意しておかなければならず (数十人分の利用を想定した場合、その合計金額はかなり高額になってしまう)、強盗事件などの誘発防止を考えると、「釣り銭なし」 はやむを得ない措置だろう。
 そのように書くと、「CATはそんなにしょっちゅう強盗に襲撃されているのか」 と不安を抱く者も出てくるだろうが、これはアメリカのスタンダードと考えるべきで、特に神経質になる必要はない。そもそもここで想定している強盗などのリスクは、運行中のバスへの襲撃などよりも、主に運賃ボックス回収作業時などの管理上のリスクだといわれている。
 いずれにせよ、乗客が少ない郊外路線ならいざ知らず、多数の乗客が乗り合わせているストリップ路線で重大な犯罪に巻き込まれることはまず考えられないので (それでもスリや置き引きなどには注意が必要。ラスベガスが特に危険という意味ではなく、それは日本でも同じこと)、この One Day Pass をうまく利用し、大いにラスベガスを楽しんでいただきたい。なお、バス停の位置などの細かいインフォメーションは [市内交通] セクションを参照のこと。


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