週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2003年 08月 20日号
ZUMANITY、ニューヨークニューヨークで始まる
 8月14日、ニューヨークニューヨークホテルでアダルト向けナイトショー "ZUMANITY" が始まった。
 演じているのは、MYSTERE や O でおなじみのカナダの人気劇団 CIRQUE DU SOLEIL。

 なんとも奇抜なショーで、内容をコメントするのがむずかしい。ましてや評価となると、地元メディアの意見も大きく分かれるところで、観る者によってかなり好き嫌いがあるようだ。
 その奇抜な内容を短く表現するならば 「それぞれの役者が裸に近い衣装で自由気ままに演じるセクシーなレビュー」 といった感じだが、このショーの本質は、実際に視覚的に見える演出よりも、思想的なものや価値観の表現にあるらしい。事実 CIRQUE 側の広報資料に、「あらゆるカタチで存在するセックスや快楽の具象化」 というようなことが書かれており、ステージ上でもそういった部分が随所に現れている。

 男と女、男と男、女と女、どの組み合わせによる快楽も否定せず、さらにはチビとデブ、老いと若き、サドとマゾ、黒人と白人、真剣と遊び、弱者と強者といったありとあらゆるケースのセックスを肯定するかのような演出がなされ、それぞれの立場にふさわしい容姿の役者が登場するところが興味深い。
 それら役者が一堂にステージに登場するシーンはまさに 「人間すべてセックスだ」、「人間すべて動物だ」 といわんばかりの演出で、さながら "人間動物園" といった感じだ。
 そもそもこのショーのタイトル "ZUMANITY" という造語は、動物園の Zoo と、人間らしさを意味する Humanity を掛け合わせて造られたともいわれており、そういう意味では名前と内容がこれほど一致しているショーも珍しい。

 いずれにせよ、このショーに秘められた真意などはよくわからない部分が多いが、今までにない特異な芸術性が漂っていることは誰もが認めるところだろう。ただ、全裸に近い姿で登場する男同士、女同士がキスするシーンなどは、マイナーホテルでの世俗的なアダルトショーと紙一重といった感じがしないでもなく、「名門 CIRQUE が演じていなければ B級ショー、CIRQUE が演じているので芸術」、といった先入観によるバイアスがかかりそうなところがやや気になる。

 カップルで観るべきショーなのか、同性の仲間とひやかしながら観るべきなのか、なんともよくわからないショーだが、どちらにせよ気分的には少々酔っぱらってから行きたいショーだ。しらふでじっくり観るタイプのショーではないと思う。
 まだ CIRQUE のショーを一度も観たことがない者は Mystere や O を先に観るべきかもしれないが、すでにそれらを鑑賞済みの者は CIRQUE の違った側面を観るのもよいだろう。CIRQUE 自身もこのショーに 「Another Side of Cirque de Soleil」 という副題を付けている。

 なお、座席についてはカップル席、ひとり者席、ソファー席など、開幕前からいろいろ噂されていたが、それら特種な席は最前列と最後列などにごくわずか存在しているだけで、大多数の席は通常の劇場と変わらぬ席となっている。カップル用のソファー席などはたしかに座り心地はよいが、位置的に前すぎたり後ろすぎたりしており、予約の際に特にそれら特種席の存在を意識しない方がよいだろう。会場のキャパシーティーは 1259席。
 公演は日曜日と月曜日を除く毎日 7:30pm と 10:30pm。チケット料金は税込みで一般席 (Theater Seat) $75、ひとり者席 (Cabaret Stool) $55、カップル席 (Love Seats) $75、カップル用ソファー席 (Duo Sofa) $95 となっている (それぞれ一人分の料金)。18才未満入場不可。チケット購入は zumanity.com または 電話 702-740-6815 まで。


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