週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2003年 08月 13日号
Las Vegas Premium Outlets がオープン
 8月1日、ダウンタウン地区の南西約 2km の地点に、アウトレット型ショッピングモール Las Vegas Premium Outlets がオープンした。
 商業不動産のデベロッパー最大手 Chelsea Property 社 (ニューヨーク証券取引所会社コード: CPG) が開発した施設で、地元民と観光客の両方をターゲットにした大型ショッピング施設として注目を集めている。
 ちなみに同社は全米に 30ヶ所以上のアウトレットを所有する他、日本でも三菱地所と日商岩井との合弁で大型商業施設を開発するなど、日本での知名度も高い。

 このたびの開業は、未完成部分を残しての見切り発車的ないわゆる "ソフトオープン" だが、すでに約8割が完成しており、8月12日時点で営業を開始しているテナントは 99店 (ファーストフード店や屋台型店舗は除く)。準備中のテナント 18店も数ヶ月以内に開業する予定だ。
 ・ 8月12日時点で営業を開始しているテナントのリスト (← クリック)

 このアウトレットの特徴はなんといってもその立地条件だろう。ダウンタウン地区から約 2km、ストリップのホテル街からも約 7km という市街地からの距離は、アウトレットと称する商業施設としては異例の近さだ。
 そもそもアウトレットとは、メーカーが余剰品や年式遅れの商品などを安く処分する際に利用する店の集合体で、定価販売を強いられる市街地の正規店との価格摩擦を回避するために、都市部から遠く離れた不便な場所に建設されるのが普通だ。事実、日本人観光客にも人気が高いファッションアウトレットはストリップ地区の繁華街から 60km 以上も離れた砂漠の中にある。
 もっとも、最近は余剰品や年式遅れではない通常の商品をアウトレットで安く販売してしまうケースも増えてきており、アウトレットの定義自体があいまいになりつつあるのも事実で、繁華街から比較的近いベルツアウトレットなどは、その "あいまいなアウトレット" の典型といってよいだろう。
 ただベルツは、価格問題が表面化しやすい高級ブランドのテナント比率が低いため、その種の問題が話題となることは少ないようだが、高級店も多く入居する今回のプレミアムアウトレットの場合、事情がやや異なってくる可能性がある。たとえば Coach など、ストリップ地区の高級ホテル内に入居する正規店との価格差をどのように設定し、その価格差を消費者にどのようにアピールしていくのか、もしくは同一商品は一切陳列しないのか、地理的に近いだけに非常に興味深いところだ。

 さてテナントの顔ぶれだが、Coach、Polo、Reebok、Edie Bauer、Tommy Hilfiger、Kenneth Cole、Brooks Brothers、Nautica、Guess、Timberland、Lacoste など、ファッションアウトレットのテナントと重複している店が目立つ。
 これらの店の代表として Coach と Polo を現場取材してみたところ、両店とも 「ファッションアウトレット店もプレミアムアウトレット店も販売価格は同じに設定しています」 とのこと。さらに Coach のストアマネージャー Gail 氏は 「プレミアムアウトレット店の方が品数が多い」 と語ってくれた。
 もしこれらの話がすべて事実で、他の多くの重複店にも共通して言えることであれば、立地条件が圧倒的に悪いファッションアウトレットの存在感が無くなり、今後ファッションアウトレットは衰退していく可能性が高い。もちろん地理的にロサンゼルス地区の顧客をすべて失うことはないだろうが、少なくともラスベガスから訪れる利用者は確実に減るはずだ。

 打撃を受けるのはファッションアウトレットだけではない。このプレミアムアウトレットにはベルツに存在する Nike、Levi's、Hush Puppies、Bose、Liz Claiborne、Oshkosh、Tommy Hilfiger、Nautica といった人気店も入居しており、ベルツにも多かれ少なかれ影響が及びそうだ。
 いずれにせよ、日本人観光客のショッピングの中心地がプレミアムアウトレットに移ることは時間の問題といってよいだろう。
 なお蛇足ながら、このたび Chelsea 社は今回のプレミアムアウトレットの開業とはまったく別に、ベルツアウトレットを買収した。

 良いことばかり書いてきたが、悪いこともある。屋根がないことだ。他の多くのアウトレットと異なり、店と店の間の空間がインドアではないため、猛暑のこの時期は快適ではない。雨がほとんど降らないラスベガスとはいえ、寒暖の差が激しい気候を考えると、インドア型にして欲しかった。

 さて気になるアクセス方法だが、なんといってもタクシーが一番便利だ。料金はストリップの中心街から片道 $12 前後 (プラス 15%〜20% 程度のチップ) で、所要時間は約 10分。帰りの際のタクシー乗場は Brooks Brothers の裏側にある。
 公営の CATバスを乗り継いで行けないこともないが、乗り継ぎや運行本数的な不便さ、さらには途中のエリアの治安があまり良くないことなどを考えると、バス利用はあまりおすすめできない。
 また、プレミアムアウトレットとラスベガス市の協力により運行されている シャトルバス もあるが、ダウンタウン地区の各ホテル (ゴールデンナゲット、プラザ、カリフォルニア、フィッツジェラルズ) が乗り場となっており、ストリップ地区に滞在する大多数の一般日本人観光客にとっては使い勝手がよくない。時刻表は特に定められていないが、とりあえず 15〜30分間隔で、運行時間は 10am〜10pm となっている。料金は片道 1ドル。アウトレット側のバス停は Tommy Hilfiger の裏側にある。
 レンタカー利用の場合は、ストリップ地区のホテル街から高速 15号線の北行きに乗り、ストラトスフィアタワーが真右に見えた直後に現れる出口 [Charleston West] で降りてすぐだ。降りたら白いテントのショッピングセンターが見えるので簡単にわかる。ひとつ手前の [Charleston East] で降りてしまわないよう注意が必要だ。位置関係を示す地図は、このラスベガス大全の地図セクション内の [ストリップ以外のスポット] を参照のこと。
 ショッピングセンター全体の営業時間は月曜日から土曜日が 10:00am 〜 10:00pm、日曜日が 10:00am 〜 9:00pm。


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