週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2003年 04月 02日号
セリーヌディオンの "A New Day" は純粋なコンサート
 3月 25日、セリーヌディオンの定期公演ショー "A New Day" が、シーザーズパレスに完成したばかりの円形コロシアム型シアター "The Colosseum at Caesars Palace" で始まった。

 公開前から長らく注目されていたショーだけに、地元のテレビや新聞はもちろんのこと、全米各地のメディアもさまざまな角度から大きく報道しているが、評価としては賛否両論といった感じで、絶賛記事から酷評までさまざまだ。
 もっとも、このショーの性格を考えるとそれは当然の結果と言えるだろう。そもそもこのショーは基本的にコンサートであり、マジックショーでもなければコメディーショーでもない。サーカスやミュージカルでもない。つまり、だれが役者を演じてもある程度は成り立つそれら一般のショーとは異なり、この "A New Day" はあくまでもセリーヌディオンが演じる彼女自身のコンサートであって、良くも悪しくも彼女そのものだ。
 したがって、このショーに対する評価や価値観は、観る者が彼女のファンか否かで大きく違ってくる。万人向けの最大公約数的な論評がどこのメディアにもほとんど見当たらないのはそのためで、記者が彼女のファンなら絶賛、そうでなければトーンダウンした記事になってしまいがちだ。
 そのようなことをふまえてこのショーをあえて論じるならば、"セリーヌディオンのファンにとってはすばらしいショーだが、そうでない者にとっては料金の高さに見合わない可能性がある" といったところか。
今回はそういったショーの性格もあるので、良し悪しのコメントは避け、現場の客観情報だけをお届けしてみたい。

 会場は、"ローマコロシアム" という先入観があったためか、古めかしい荘厳な雰囲気を想像していたが、 その内部 は意外にも近代的かつシンプルに仕上がっており、ローマや古代といった言葉をイメージするような雰囲気ではない。会場内の壁に大きく描かれている宗教画なども荘厳といった感じではなく、会場全体の印象としては、悪く言えば高級感はないが、よく言えばスッキリさわやかにまとまっているといった感じだ。
 ステージは、一人のコンサートとしてはスペースを持て余すほど巨大で、主催者側の広報資料によると 「世界屈指の広さを誇るステージ」 とのこと。たしかに幅も奥行きも非常に長く、宣伝文句に偽りはなさそうだ。

 4000席を誇る客席は 3層構造になっており、1階席を "Orchestra Level"、2階席を "First Mezzanine"、3階席を "Second Mezzanine" と呼んでいる。さらに 1階席は VIP席と一般席があり、料金的には 4つのセクションに分かれている。その座席レイアウトと各セクションの料金は ここをクリック
 「ステージから最も遠い席でも 120フィート (約36m)」 (主催者側資料) とのことなので安い席でもよさそうだが、その数値はステージの客席側エッジ部分からの距離であって、ステージの中心、つまり役者までの距離ではない。セリーヌディオンがステージの一番奥に立った場合は 50m を超えるはずで、やはりあまりうしろの席は避けた方がよいだろう。
 ちなみに今回の取材では、プレス用に用意された特別席から鑑賞できたため何ら問題はなかったが、2階席や 3階席の後部座席からはセリーヌディオンの表情などまではよく見えないようだ (実際の現場の声)。
 もし離れた席のチケットを買ってしまった者は、双眼鏡などを持って行くとよいかもしれない。ちなみにカメラやビデオは劇場前の入口の手荷物検査で取り上げられ、終演後に受け取るルールになっているが (カメラやビデオを持っている者が多く、現場がごった返していたため、いつまでこのルールが採用されるかわからない)、双眼鏡の持ち込みは何ら問題ない。

 劇場脇にはかなり立派なセリーヌディオンショップがある。Tシャツ (写真左)、帽子、マグカップなどのおきまりのギフトグッズから、香水や貴金属までありとあらゆるものが売られており、ファンにとってはたまらない場所だが、Tシャツが $30 以上するなど、価格設定はかなり高めだ。

 さてショーの内容だが、トークの部分は非常に少なく、ほとんどすべてが彼女の歌と考えてよい。途中の休憩もなく 90分間ほぼ連続で歌い続ける。そのパワーと歌唱力はさすがだ。
 舞台演出を担当したプロデューサーが劇団 CIRQUE DU SOLEIL のステージを手がけてきた Franco Dragone 氏ということもあり、曲の合間にサーカス的な出し物なども期待されていたが、実際にはそのような演出はほとんど無く、セリーヌディオンが空中に吊り上げられながら歌うシーンがわずかに一、二曲あるだけだ。約 60人ほど登場する脇役 (ほとんどが若者) は天井から登場したりユニークな動きをするが、それでも基本は踊りが中心で、アクロバットなどをやるわけではない。とにかくこのショーは純粋なコンサートと考えるべきだろう。

 やや酷評気味になってしまったが、出来の悪いショーかというと、そんなことはない。舞台演出は非常にゴージャスで、その完成度は見事と言うより他ない。特に、ステージの背面のみならず、ステージのフロア部分も利用したコンピューターグラフィクスによる映像は斬新かつ華麗で非常に幻想的だ。
 一方、セリーヌディオン自身のドレスはかなりシンプルで、また、その衣装を変えることはあまりしない。衣装の変化も楽しみにしているファンにとっては少々残念だが、着替えのためにステージから消えることがほとんどないため、彼女の歌をひたすら聞きたい者にとってはむしろ歓迎されるべきことだろう。
 わずかにあるトークの部分はそのほとんどが夫と息子の話など、たわいのない話題が中心で、あくまでも純粋なコンサートと考えているのか、彼女自身もトークに力を入れている様子はうかがえない。
 歌はさすがにすばらしく観客を終始魅惑するが、アンコール曲がないまま終演となるところは何かスッキリとしない幕切れだった。

 さて気になる曲目だが、今回の取材時の公演では映画タイタニックの "My Heart Will Go On" を含め全部で 21曲が披露された。それらをすべて公開してしまうと楽しみがなくなってしまう恐れがあるのでいろいろ検討してみたが、曲目に関する問い合わせが非常に多いことと、主催者側広報部の許可を得たのであえて公表することにした。以下がそのリストだが、曲目順はあえて変えてある。

曲目リスト
 Nature Boy  The Power of Love  It's All Coming Back to Me Now
 I Wish  Seduces Me  I've Got the World on a String
 Opera  The First Time  Love Can Move Mountains
 A New Love  I Surrender  Chanson Napolitaine
 If I Could  Fever  I Drove All Night
 At Last  To Love You More  My Heart Will Go On
 I'm Alive  Because You Loved Me  What a Wonderful World

 公演は原則として月曜日と火曜日を除く毎日 8:30pm( → 2003年の公演スケジュール )。 チケット料金は税込みで $87.50、$127.50、$150.00、$200.00 の4種類だが、劇場前の チケット売場 (シーザーズパレスのカジノ内の BOX OFFICE ) で買っても、オンラインで買ってもこれら額面価格以外に $12 前後の取扱手数料が加算されるので注意が必要だ。ちなみにオンライン販売はチケット販売最大手のチケットマスター社が一手に引き受けており、その URL は www.ticketmaster.com/artist/848673 となっている。事前購入したチケットは現場で WILL CALL することになるが、この WILL CALL に関してわからない者は、このラスベガス大全の [ナイトショー] セクション内の [ナイトショーに関する一般知識] を参照のこと。
 なお、キャンセル待ちのいわゆる "Standby Ticket" に関しては、売り出し開始時刻などがまだハッキリ決まっておらず、「試行錯誤でやっている現時点ではまだ報道しないでほしい」 (主催者側広報部) とのことだが、すでに毎日売り出されていることはたしかなので、チケットがないからといってあきらめることはない。キャンセル待ちを考えている者はとりあえず現場 (シーザーズパレスのカジノ内の BOX OFFICE ) へ行って状況を確認することをおすすめする。


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