週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2003年 02月 26日号
マンダレイベイの MAMMA MIA、まずまずのスタート
 ロンドン、ニューヨーク、そして東京と、世界各地で話題となっている人気ミュージカル MAMMA MIA の公演が、2月 14日、マンダレイベイホテルで始まった。

 "ミュージカル不毛の地" とも言われているラスベガス。ノートルダムの背むし男、シカゴなど、ラスベガスではこれまで世界的な話題作がことごとく短命で終わってきているだけに、この MAMMA MIA も不安の中でのスタートとなったが、とりあえず初公演後 10日が経過した現在、「週末は満席、平日もほぼ満席に近い状態」 (現場のチケット売り場のスタッフ) と、まずまずの滑り出しを見せている。

 ストーリーについては今さら説明するまでもないので、それは最後に簡単に触れることとして、実際に取材してみての感想だが、「ノートルダムの背むし男のように半年で打ち切りになってしまうようなことはないだろう」、というのが率直な印象だ。

 その最大の理由は、暗いストーリーのミュージカルが少なくない中、この MAMMA MIA は終始会場が笑いに包まれるなど、ストーリーがラスベガスの雰囲気や客層にマッチしているということと、ABBA のヒットソングがベースとなっているため、その曲さえ知っていれば、英語が苦手な外国人観光客でも十分に楽しめるということだ。
 また語学的なハンデがない者にとっても、ミュージカルの世界には難解な作品が少なくないのが普通だが、この MAMMA MIA はストーリーが単純明快なため、"ミュージカル嫌い" の客層からも支持を得られそうで、CIRQUE DU SOLEIL や有名マジシャンがひしめくショービジネスの激戦地区ラスベガスでも、しばらくは淘汰されることなく話題を集めることができそうだ。

 さて、この MAMMA MIA では ABBA の往年の名曲が 22曲使われている。使われているというよりも、それらの曲に合わせてストーリーが書かれたと言ってもよいほど (実際そうして書かれている)、歌詞とストーリーが見事に一致しており、たとえば、金に困っているシーンで "Money Money Money" が、恋に悩むシーンでは "S.O.S" が絶妙なタイミングで流れ出す。
 40代以上のゼネレーションの中年族ならば、それぞれの曲に二十数年前の青春時代を思い浮かべ、ストーリーとはまったく別の部分に懐古的な感動を覚えることだろう。特に劇が終わったあとのエンディングの部分は感動もので、役者全員がステージに登場し Dancing Queen や Waterloo などを大合唱する場面では、観客も青春時代に思いをはせながら総立ちで一緒に歌って踊る。その際の、シンプルな舞台装飾とカラフルな照明が造り出すステージは、未来的なゴージャスさの中になぜか当時のディスコを彷彿とさせるノスタルジックな美しさが漂っており、ABBA サウンドに満たされた会場の興奮は頂点に達する。中年族にとって、この MAMMA MIA はまさに ABBA そして青春そのもの、といってよいだろう。
( 以下が劇の中で出てくる 22曲で、CD となって劇場前の売店で $20 で販売されている )


曲目リスト
 CHIQUITITA  DANCING QUEEN  DOES YOUR MOTHER KNOW
 ONE OF US  HONEY, HONEY  I DO, I DO, I DO, I DO, I DO
 I HAVE A DREAM  GIMME! GIMME! GIMME!  LAY ALL YOUR LOVE ON ME
 MAMMA MIA  MONEY, MONEY, MONEY  KNOWING ME, KNOWING YOU
 OUR LAST SUMMER  THE NAME OF THE GAME  SLIPPING THROUGH MY FINGERS
 SUPER TROUPER  TAKE A CHANCE ON ME  THANK YOU FOR THE MUSIC
 S.O.S.  THE WINNER TAKES IT ALL  UNDER ATTACK
 VOULEZ-VOUS       

 さて、先ほど英語が苦手な者でも楽しめると書いてしまったが、それはあくまでも聞き慣れた ABBA の曲が多数登場するなど、他のミュージカルに比べ相対的に楽しめる要素がいくつかあるという意味であって、役者がしゃべる言葉を理解するには、他のミュージカルと同様、かなり高いレベルの英語力が求められる。
 もちろん英語がわからなくても 「MAMMA MIA は ABBA のコンサート」 と考えれば十分に楽しめるが、劇の内容もある程度理解したいという者は、事前にストーリーを完全に覚えておく必要があるだろう。もしくは劇団四季による日本公演を先に観ておいた方がよいかもしれない。特に日本公演の鑑賞は、日本語版と英語版の違いの発見など、別の楽しみも増えるはずだ。

 世界的に人気を集めているこれだけの話題作がすぐに消え去るとは思えないが、それでも開幕直後のこの時期において、すでに満席とならない日があるのは少々気になる。実際に取材した日も、1700席の内、約 100席ほど空席があった。やはり "ミュージカル不毛の地" のジンクスが生きているのだろうか。興味がある者は早めに観ておいた方がよいかもしれない。

 場所はマンダレイベイホテルのスポーツブック脇にある専用シアター。チケットは同ホテル内はもちろんのこと、同系列のラクソー、エクスカリバー、サーカスサーカスのボックスオフィスでも買い求めることができる。
 料金は全席指定で、ステージに近い方の席が税込み $93.50、遠い方の席が $71.50。1700席の会場はかなり広いので、できることなら近い方の席で観た方がよいだろう。ちなみに、大多数の席からは生バンドの存在が見えないが、最前列付近の中央の席に座れば舞台下に潜んでいる生バンドが見え、迫力あるサウンドもダイレクトに聴くことができる。
 週末でなければ当日券が買える可能性が高いが、心配であればマンダレイベイのオフィシャルサイト www.mandalaybay.com で事前購入も可能だ。なお、5歳以上であれば子供の入場も認められているが、子供料金というものは特に用意されていない。

 MAMMA MIA のあらすじ



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