週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2002年11月20日号
ナイトショー当日券が半額で買える!?
 当日のナイトショーのチケットが半額で買える! そんなチケット売り場 "TICKETS 2 NITE" が今月2日、ストリップ大通りの一等地にお目見えした。
 場所は巨大コカコーラボトルでおなじみの World of Coca Cola の 1階で、モンテカルロホテルや MGMグランドホテルからすぐの場所だ。

 今回ここで販売されることになったのは、通常の販売ルートではさばき切れない当日分の余剰チケット。したがって、いつも売切れになってしまう人気のショーは売られていない。また、仮にいつも売切れになるとは限らないショーでも、ショーの主催者側が経営戦略上の理由で、この種の安売り販売ルートに卸すことを望んでいない場合、それらショーのチケットがこの店頭に並ぶことはない。
 ちなみに一般論として、一流ショーの多くは、値崩れによるイメージダウンや、定価販売している既存取次店への配慮などから、余剰チケットの横流しを行わない傾向にある。
 したがって極めて荒っぽい表現をするならば、ここで買うことができるショーは、「不人気ショーまたは二流ショー」 ということになる。それでも SPLASH や V など、日本人観光客も楽しめる話題のショーもいくつか取り扱われているので、すでに人気ショーや一流ショーを観てしまったリピーター客などにとっては十分に利用価値がある施設といってよいだろう。

 この "TICKETS 2 NITE" の最高経営責任者 Mitch Francis 氏によると、現在この店に余剰チケットを卸しているショーは以下の通り。

・ AMERICAN SUPERSTARS (Stratosphere)
・ CHARO (Sahara)
・ CLINT HOLMES (Harrah's)
・ DANNY GANS (Mirage)
・ FRANK, SAMMY, JOEY & DEAN (Greek Isles)
・ GLADYS KNIGHT (Flamingo)
・ HIP-NOSIS (O'Sheas)
・ IMPROV (Harrah's)
・ LORD OF THE DANCE (Venetian)
・ PAULL CASAS (Bourbon Street)
・ SANDY HACKETTE (Greek Isles)
・ SHOW GIRLS OF MAGIC (San Remo)
・ SKINTIGHT (Harrah's)
・ SOUL OF MAGIC (Bourbon Street)
・ SPLASH (Riviera)
・ V (Venetian)

 総じて納得のいく顔ぶれだが、Danny Gans だけは誰もが首をかしげることだろう。一流ショーと認識されている Danny Gans のチケットが本当にここで半額で売られているのか、Francis 氏にたずねたところ、なぜか歯切れのよい返事は返ってこなかった。
 現状を確認するため取材 (11月13日) 後の数日間、現場へ足を運びさらなる実地調査をしたところ、たしかに "取り扱っているショーのリスト" の中に Danny Gans の名前はあったものの、チケットが実際に売られていることは一度もなく、いつも窓口が開く 2:00pm の段階ですでに Danny Gans だけは "SOLD OUT" と掲示されていた。
 主催者側とこの店の間でどのような契約が取り交わされているのか不明な点が多いが、とりあえず現段階では Danny Gans のチケットがここで手に入るとは考えない方がよさそうだ。
 一方、その他のショーは閉店直前の 9:00pm に現場へ行っても売り切れになっていたことはなく、宣伝文句どおりのサービスが順調に機能しているといってよいだろう。
 なお、たしかにチケットそのものは額面の半値で売られているものの、1枚につき3ドルの手数料を取られることだけは覚えておく必要がある。また、座席位置の選択に関しては、「販売可能なチケットの中から一番よい席をお渡ししています」 (現場スタッフ) とのことで、原則として顧客に席を選ばせるようなことはしていないようだ。

 今後知名度の上昇とともに利用客が増え、売り切れになるショーが続出してしまいうまく機能しなくなるのか、それとも逆にこの店の販売力が評価され、取引を望むショー主催者が増え、さらなる発展を見るのか、はたまた 定価販売の既存業者からの圧力などで取引をやめる主催者が増え、ビジネスそのものが崩壊するのか、現時点ではなんともいえないが、すべてが市場原理で動いているこのラスベガスにおいて、この種のビジネスが登場すること自体、極めて自然な流れといってよいだろう。
 なお、場所が World of Coca Cola にあるだけでなく、"TICKETS 2 NITE" のロゴにまでコカコーラ社のマークが入っているが、これは双方にとっての宣伝効果を狙った提携とのことで、両社はなんら資本関係にないという。


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