週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2002年11月06日号
新作ショー "V"、内容はまずまずだが、会場に難あり。
 2週間前のこのコーナーで採り上げた新作マジックショー "Gregory Gleason" が、なんとデビュー後わずか3週間で公演打ち切りという不本意な結果に終わってしまったため、今週は、その "口直し" というわけではないが、もう少し長続きすると思われる新作ショーを紹介してみたい。

 今回紹介するのは、その Gregory Gleason と同じベネシアンホテルでこの秋から始まったショーで、名前は "V"。
 ベラージオホテルの人気ショー "O" にあやかってか、短い奇抜なネーミングだが、この "V" の意味は、主催プロダクション側の話によるとバラエティー (Variety) の V とのことで、Vegas の V や、Venetian の V ではないという。

 内容はタイトル通り "バラエティー" で、マジック、アクロバット、ジャグリング、コメディーなど、さまざまな出し物の寄せ集めといった感じの多彩な内容に仕上がっている。
 この種のショーは、いわゆる総合レビューと呼ばれるバリーズホテルの Jubilee、リビエラホテルの Splash、トロピカーナホテルの Folies Bergere など、いくつか存在しているが、それらのショーと、この V が大きく異なる点は、ダンスや歌がほとんど無いということだろう。
 カラフルな衣装に身をまとったセクシーなトップレスダンサーがまったく登場しないのも少々寂しい気がしないでもないが、総合レビューには似たような歌やダンスの出し物が多すぎるきらいもあり、そういった部分にうんざりしている者には、この V はおすすめだ。

 具体的な出し物としては、チャイニーズ系の男性4人組によるアクロバット、ボウリングのボールとピーナツチョコレートという大きさも重さも極端に違う物体を同時に投げ上げる愉快なジャグラー、男性二人による空中アクロバット、会場の客をステージに上げて行うコミカルなマジック、"生ごみ圧縮機" で醜い女を縮めて引き伸ばすと美女になっている大魔術、"人間電子レンジ" と称するコミカルかつ不思議な大魔術、複数の観客の顔にそれぞれ滑稽なマスクをかぶせて行なわれるコミカルなショー、圧倒的スピードを誇る "モノマネ 20連発" など、非常にバラエティーに富んだ構成になっている。
 特に人間電子レンジは大魔術でありながらコミカルな部分もあり、このショー最大の見せ場と言ってもよいかもしれない。ちなみに主役の男が大型電子レンジの中に入り、煙が出て "チーン" と音がしたとたん、その男はどこかに消え、電子レンジの中からはなんと...。(この先は観てからのお楽しみ)

 さて、不人気のショーが相次ぎ消えて行くこのご時世、この V も今後が大いに気になるところだが、内容的にはまずまずといった感じで、今すぐに消え去るというような印象は受けない。ただ、ジンクス的なことを考えるとまったく不安が無いわけでもない。
 まず会場だが、このショーで使われている会場は、悪名高きベネシアンホテルの C2Kシアターだ。これまでにも数多くのショーがここで行われてきたが、ことごとく短命で終わっており、長く定着したショーがほとんどない。単なるジンクス的な理由だけでなく、ステージよりも低い客席が多いなど、物理的欠陥も指摘されている問題いわく付きのシアターなので、この会場の問題は気になるところだ。
 ちなみに冒頭で触れた Gregory Gleason の会場もここで、開演時間もこの V と同じ 6:00pm だった。というよりも、V はつい先日まで 8:00pm 開演だったが、6:00pm 開演の Gregory Gleason が消え去ったため、11月1日から V が 6:00pm に移動したというわけだ。なお、11月1日から、この C2Kの 8:00pm の枠には、かつてニューヨークニューヨークホテルで行われていたアイリッシュダンスショー Lord of The Dance が入った。
 いずれにせよ、この C2Kシアターというところは、開演時間のみならずショー自体も次から次へと入れ替わってきたという過去があるため、V の今後を占う上では無視できない要因だ。

 会場ではなく主催プロダクションにも不安が付きまとう。この V のプロダクションは、すでに今年 Fielding West、Melinda という 2つのショーを短命で終わらせている。過去の2作と V を結び付けて考える必要は無いが、この V においても早くも出演役者がめまぐるしく変わるなど、内部の不安定な様子が表面化してきている。ちなみに開幕直後の数週間、人気を博していたオートバイのアクロバットは現在の V には登場していない。

 不安な部分ばかりを書き並べてしまったが、ショーそのものの出来はまずまずなので、ロングランショーとなる可能性も十分にあるし、また、そうなることを期待したい。各役者も非常にフレンドリーで、子供たちなどからのサインにも気さくに応じてくれるなど (写真左)、心情的にもぜひ頑張ってもらいたいところだ。
 蛇足ながら、つい数日前、タイミングよく、現在ベネシアンホテルで行われているオートバイ展の打ち切りと、その施設の劇場化への改造計画の話が飛び込んできたが、悪名高い C2Kに変わる立派な劇場が完成し、"V" の専用会場にでもなれば、ロングランショーになることも夢ではないだろう。
 いずれにせよ、観て後悔するようなショーではないので、すでに他の主要ショーを観てしまっているリピーターなどにはぜひ観ていただきたい。

 開演は毎日 6:00pm。定休日はなく、週7日公演。ただし 11月 9日と 18日は特別休演日となることがすでに決まっている。(週7日公演のため、各役者は順番に休みを取る。したがって運が悪いと、観たい出し物が行われない可能性もある)。料金は子供 $22、大人2階席 $49、1階席後部 $59、1階席前部 $69。チケットは劇場前のボックスオフィスで。ちなみにステージ直下の $69 の席よりも、少しうしろだがフロアが一段高くなった $59 の席の方が角度的にステージを見やすい。また2階席(2階席は自由席) でも十分楽しめるが、最前列は手すりが視界を邪魔するので 2列目がお勧めだ。問い合わせは 702-933-4230 (英語のみ)。




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