週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2002年09月18日号
期待はずれの新生 "SPLASH"
 9月14日にリニューアル再デビューを果たしたばかりのリビエラホテルの看板ショー "Splash" を取材した。

 Lance Burton や Siegfried & Roy など、カリスマ的役者による個性あふれるショーや、"O" や Mystere など、テーマやコンセプトを明確にした劇団ショーが隆盛を極める中、Splash は数少ない "昔ながらのスタイルを残す総合レビュー" として広く知られている。トップレスダンス、コメディ、アクロバット、歌、モノマネ、アイススケートなど、複数の出し物を寄せ集めたいかにもラスベガスらしい華やかなショーだ。

 スターダストの Enter The Night、フラミンゴの Great Radio City が消えた今、この種のショーで生き残っているのはバリーズホテルの Jubilee、トロピカーナホテルの Folies Berger など数少なく、今回のリニューアルは Splash 自身のマンネリ化の打破という範囲にとどまらず、総合レビュー系のショーの今後の生き残りを占う上でも各方面から注目を集めていた。

 が、しかし、「あまり変り映えがしない」 というのが、今回のリニューアルバージョンを観ての率直な感想で、ずばり期待ハズレといってもよいだろう。
 1985年に始まったこの Splash は、2000年春にも内容が一新されているため、今回が初めてのリニューアルというわけではないが、前回がフルモデルチェンジとするならば、今回はマイナーチェンジといった感じで、特筆するような出し物は何も加わっていない。
 Splash (「水しぶき」 の意味) の名前の通り、水を使った出し物の復活が期待されたが、結局 "水モノ" は何もない。ちなみに 2000年春のリニューアルまでは、巨大な水槽がステージに持ち込まれ水中ショーが行われるなど、文字通り水しぶきが飛び交う独創的なショーで、タイトルに偽りがなかったが、現在は水モノとは無縁で、 "名は体を表していない" ことになる。Splash という名称はすでに広く認知されてしまっているため、今さら変えるわけにもいかないのだろうが、やはりタイトル通り何か水モノが欲しいところだ。

 そのようなわけで、これから初めてこのショーを観る者はまだしも、すでに旧バージョンを観てしまっている者がわざわざこのリニューアルバージョンを観に行くのはあまり意味がないような気がしないでもないが、とりあえずショーの内容は以下の通り。

 悲劇の映画タイタニックのテーマソングが流れる中、静かに開演となる。が、なんと曲のイメージに反していきなりトップレスダンサーが多数登場し、派手な踊りを始める。舞台セットもタイタニック号で、トップレスダンスという極めて華美なエンターテーメントと悲劇の映画のミスマッチがなんともいえず、不思議な気分にさせてくれる。
 次に、狭い舞台に即席で設けられた簡易スケートリンクでの男女ペアによるアイスダンスが始まるが、そこそこ華麗な演技を見せてくれるものの、基本的には旧バージョンと同じで何ら新鮮味はない。
 太鼓をたたきながら登場する二人のコメディアンのパフォーマンスはおもしろいが、相変わらず日本人を題材にしたギャグが目立ち、日本人としては少々からかわれた気分になる。
 再び登場するアイススケーターはトップレスかと思わせるほど大胆かつ怪しげな衣装で、男性客の目は点に。
 ロボットのような動きをする男性二人組みのダンサーはなかなかおもしろいが、その一方、女性タップダンサーによる演技は平凡で、拍手もまばらだ。
 マイケルジャクソンのそっくりさんは (写真右上)、あまりウケていなかったが、ショーが終了したあとのファンサービスは立派で、観客との写真撮影に丁寧に応じていた。男女ペアのアクロバットは大したことはないが、その直後に登場する3人のメキシカンジャグラーによる演技はすばらしい。
 最後はこのショーのメインともいえるオートバイの曲乗りで、直径5メートルほどの球状の籠の中を4台のオートバイが走り回るという見事なアクロバットだ。
 フィナーレの部分は衣装も舞台設定もすべてが星条旗をイメージしたものになり、愛国心をあおるような演出になっているが、基本的には従来のものと何ら変わりはない。

 料金は従来より約 $10 値上げになり $64.35 (税込み)。さらに $10 追加するとブース席もしくはステージ前の席になる。ドリンクはついていない。会場はリビエラホテルのカジノフロア奥にある SPLASH シアターで、開演は金曜日を除く毎日 8:00pm と 10:30pm。全席指定。チケットは劇場前にあるボックスオフィスで。なお 8:00pm の部も 10:30pm の部もトップレスダンサーが登場するので 18才未満は入場できない。お問い合わせはリビエラホテル Box Office 702-794-9301 (英語) まで。


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