週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2002年09月04日号
ベラージオの噴水ショー、各曲の特徴と時刻表
 ラスベガスでの無料アトラクションといえばなんといってもベラージオホテルの噴水ショー。その規模、美しさ、話題性、どれをとっても他を圧倒しており、もはやだれもが認めるラスベガスナンバーワンの観光スポットといってもよいだろう。

 ただこのショー、いつ観ても同じというわけではない。じつは演出のパターン (曲目) が十数種類あり、それぞれかなり趣が異なっている。
 華麗な曲をバックに 水が繊細に美しく舞う バージョンもあれば、ダイナミックな曲に合わせて 太い水柱が夜空高く豪快に舞い上がる バージョンもある。さらにセクシーな曲に合わせて 水がダンスを踊っているかのような動き を見せるものもあれば、 水よりも煙が主役 といった感じの幻想的なバージョンもある。
 また違いは演出や水の動きだけではない。継続時間もかなり異なっており、2分半ほどで終わってしまうものもあれば 5分を超える大作もある。

 現在この噴水ショーで使われている曲は以下に示す14曲。クリスマスソングなどが加わる年末を除き、近年この顔ぶれに大きな変化はないが、最近の話題はなんといってもホイットニー・ヒューストンが熱唱する Star Spangled Banner (アメリカ国歌) と、リー・グリーンウッドの God Bless the USA だろう。どちらも昨年9月のテロ事件以降に加わった曲で、国威高揚といった色彩が極めて濃いが、その圧倒的な水量とダイナミックな演出はアメリカ人ならずとも感動的で、テロ事件直後などは多くの人がこの演出に涙を流したものだ。あの悲劇からちょうど一年を迎えるこの時期、再び感慨深くこの曲を聞く者もまた増えることだろう。

 上記2曲以外ではやはり Con Te Partiro (Time to Say Goodbye) が人気だ。この曲はこの噴水ショーのテーマソングといった感じで、日本人観光客の間でも圧倒的な人気を誇っている。ただ、全体的に華麗かつ情緒的に仕上がっているため、ダイナミックな演出を求める者には向かないかもしれない。
 セリーヌディオンやエルトンジョンといった人気歌手が歌う著名な曲もいくつかあるが、自分が知っている曲や好きな曲が必ずしも感動的な噴水ショーを演出してくれるとは限らないので、時間が許す限り、いくつか聞いてみることをおすすめする。以下はタイムテーブルと各曲ごとの噴水パフォーマンスの寸評。

 9月2日 〜 9月8日のタイムテーブル
(その後のタイムテーブルは [観光スポット] セクションの該当項目に掲載されます)

 各曲ごとの噴水パフォーマンスの寸評 (ABC順) 
 
1Con Te Partiro/Time to Say Goodbye ( Andrea Bocelli & Sarah Brightman 4:04 )
 華麗さナンバーワン。女性から圧倒的な支持。曲と噴水の演出が絶妙にマッチしており、男性が観てもそれなりに感動できる。ロマンティックなムードも他の曲を圧倒しており、カップルには絶対におすすめだ。ただ、ダイナミックに噴水が舞い上がるシーンが少なく、その種の場面を期待する者は他の曲も観た方がよいだろう。

2Hey, Big Spender ( Gwen Verdon & Original Broadway Cast 3:35 )
 曲自体にセクシーかつ怪しげな雰囲気が漂っており、噴水もそれに応じて奇妙な動きをする。曲の盛り上がりの部分ではダイナミックに水柱が空高く上がるものの、リズムが終始超スローテンポのため、独創性は感じられても迫力や感動に欠ける。

3God Bless the USA ( Lee Greenwood 3:57 )
 湾岸戦争の時に大ヒットしたリー・グリーンウッド作のこの曲は、昨年のテロ事件以降 "第二の国歌" としてもてはやされている。ゆったりした曲のテンポに反して噴水の動きは終始ダイナミックで、牧歌的イメージが漂うのどかな旋律にもかかわらず、アメリカという国の底力を感じさせる力強い演出に仕上がっている。

4Hoe-Down ( London Symphony Orchestra 3:30 )
 前半は弦楽器の調べが美しく、噴水の動きは軽やか。後半はオーケストラならではの荘厳な雰囲気の中で突然水面から煙が出てきたり、夜空高く爆発的に水柱が舞い上がるなど、水の動きは変化に富んでいる。

5Luck Be A Lady ( Frank Sinatra 5:14 )
 ラスベガスにゆかりのあるスーパースター・故フランクシナトラの最も "ラスベガスっぽい歌"。噴水の豪快さではこの曲が一番。時間も5分14秒と最も長く、軽快なリズムに合わせて噴出される水の総量はおそらくダントツの1位と思われる。圧倒的なパワーにだれもが感動。

6My Heart Will Go On ( Celine Dion 5:08 )
 かの有名な映画タイタニックのテーマソング。最初の1分ほどは煙による演出で噴水は一切無し。途中から出てくる噴水も動きは終始おとなしく哀愁が漂っている。曲のエンディングは再び煙が出てきて、潮が引くように静かに終わる。悲劇を題材とした映画らしく、情緒的な描写が多く、派手な演出はほとんどないが、これはこれでよいといった感じ。

7One, Singular Sensation ( Original Broadway Cast 4:43 )
 Hey, Big Spender 同様、少々セクシーな雰囲気が漂う水のダンス。曲のイメージと噴水の動きがうまくマッチしていて非常に愉快な演出だが、遊び心ばかりが目立ち、感動は少ない。全体的にくにゃくにゃした動きが多く、最後のフィニッシュの場面でやっと豪快なシーンを見ることが出来る。

8Pink Panther ( Henry Mancini 2:39 )
 日本人にもなじみのある曲だが、怪しげなムードに合わせた噴水の演出は独特ではあるものの、華麗さやダイナミックさにやや欠ける感じがしないでもない。

9Rondine al Nido ( Luciano Pavarotti 3:23 )
 パバロッティの力強い歌に合わせた水の動きはどこか重厚感が漂っていて一種独特な味わいがある。曲から伝わってくるイタリアンな雰囲気が、アメリカにいることを忘れさせてくれると同時に、ベラージオホテルのテーマがイタリアであることを再認識させられる。

10Simple Gifts ( London Symphony Orchestra 3:12 )
 曲が始まる前に水面に煙が漂い、静かに木管楽器の調べで始まる。前半は美しい旋律で、その後次第に力強い荘厳な旋律に変わる。後半はかなりパワフルで感動的な部分が多いが、せっかく盛り上がったところで曲が終りに近づいてしまうのが少々残念。

11Singin'n in the Rain ( Gene Kelly 3:32 )
 日本でもおなじみの曲だが、軽く聞き流すタイプの曲のためか、インパクトや感動に欠ける。美しい演出ではあるものの、水の動きに主張が感じられず、見せ場や盛り上がりを探すのがむずかしい。ただ最後の部分がユニークで、曲が終ったあとも水がしばらく噴出し続けるのは、テーマの雨をイメージしているようでおもしろい。

12Star Spangled Banner ( Whitney Houston 2:14 )
 湾岸戦争時の 91年のスーパーボウル (プロフットボウル NFL の決勝戦) の開会式でホイットニーヒューストンが国歌を斉唱したことを機会に、彼女のバージョンは国歌の定番に。そんな彼女の熱唱がテロ事件後、この噴水ショーに採用され、毎日大とりを演じている。米国のナショナリズムに特別な嫌悪感を持っていない者であれば、日本人でもかなり感動できるのではないだろうか。なお、この曲だけは毎日出番が決っており、その日の最初と最後に登場することになっている。ちなみに最後は 12時ではないので注意が必要だ。原則としてアトラクションは 12時までとなっているため、この曲のスタートは 11:55pm となっている。

13Your Song ( Elton John 4:10 )
 エルトンジョンの歌自体は悪くないが、この噴水ショーにはマッチしていないようで、見せ場に欠けた演出になってしまっている。噴水はほとんどふにゃふにゃした動きばかりで、軽快に横一直線に走る場面と高く舞い上がる場面は歌の後半に一回あるだけ。

14Winter Games ( David Foster 3:00 )
 ピアノの軽快なリズムとダイナミックな水の動きが見事にマッチ。ロマンティックな雰囲気はないものの、スピード感があふれるさわやかなイメージはそれなりに感動を呼ぶ。ただ、テンポが速く演奏時間がやや短いので、ゆっくり味わう暇もなくも一気に駆け抜けて終わってしまう感じだ。



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