週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2002年07月31日号
UFO のメッカ、Area-51 と ET Highway
 3週間前のこのコーナーで、Area-51 をテーマとしたプロ野球チーム Las Vegas 51s について触れたところ、Area-51 への行き方や、そこへ通じる ET Highway (写真右) に関する問い合わせが寄せられたため、今週はそれについて取上げてみたい。

 Area-51 はラスベガスの北西約 200km 付近に広がる極秘軍事区域の区画名称で、その中にはかの有名な謎の空軍基地 Groom Lake Air Force Base もある。
 この一帯は最高度の軍事機密レベル下に置かれているため、地図を見ても Area-51 や Groom Lake Airforce Base の名称はどこにも出てこないが、それらが実在していることはたしかで、軍事マニアらにとっては至極の関心場所となっている。

 ちなみに一般に市販されている地図では、関東平野の2倍ほどの広さのエリアが立入禁止区域を示す特別な色で塗られ、そこにはただ漠然と "Air Force Bombing Test Site" などと書かれており (事実この区域には原爆実験場などもある)、どこにどのような軍事施設があるのか、一般にはほとんど知られていない。唯一手がかりとなるものが、一部の地図に記載されているドライレイク (乾燥して干上がった水の無い湖) Groom Lake で、謎の空軍基地はその名称から、このドライレイクのすぐ西側にあるとされている。

 したがって Area-51 は残念ながら見学することができないばかりか、写真すらほとんど見ることができず、ここの観光は始めからあきらめるしかない。米ソ冷戦時代に旧ソ連軍が撮影したとされる軍事衛星写真などがマニアの間で出回ったりはしているが、基本的には今でもベールに包まれたままだ。(それでも最近は内部関係者からリークされたものと思われる写真がインターネットを通じて流出したりもしているという)

 そのような機密性の高さが軍事マニアたちの興味をそそるのか、「Area-51 内では開発中の戦闘機や爆撃機のテスト飛行が行われてる」 との噂などが広がり、いつのまにかその "テスト飛行" が "未確認飛行物体" に飛躍してしまい、この付近一帯は "UFO出現地" として知られるようになった。
 そして、空軍基地に最も近い位置にあるとされる Rachel (砂漠の中にある人口 65人の村) へ通じる高速 375号線は、マニアの間で ET Highyway と呼ばれるようになり、1996年、ついにネバダ州当局も、この高速道路を正式に Extraterrestrial Highway と命名し、今日に至っている。
 左上の写真はその道路標識だが (写真をクリックすると拡大表示)、UFOが描かれているのがわかる (標識内に点々としている黒い部分は落書き)。なお、高速道路といっても、制限速度 (ほとんどの区間が時速 55マイル以上) や管理区分がそのようになっているだけで、道路の規模としては片側一車線の狭い道だ。

 そのようないきさつから 96年以降、この Area-51 と ET Highway はセットで話題を集めているが、いかんせん "ここが観光スポット" といえるような場所が無いため、マニア以外でこの地を訪れる者は非常に少ない。事実この ET Highyway は 「全米一の寂れた高速道路」 としても知られており、その交通量は 1時間に数台といわれている。それでも寂れているがゆえの快適なドライブが楽しめることもたしかで、軍事マニアや UFOマニアのみならず、混雑した日本の道路にうんざりしている一般ドライバーも訪れてみるとよいだろう。なお、「訪れる」 といっても、その目的となる場所が特に存在しないため、唯一それらしき場所といえる Rachel を以下に紹介しておきたい。

 Rachel には、レストランとバーとモーテルが一緒になった "LITTLE ALEINN" と呼ばれる施設が一軒だけある。その他にはガソリンスタンドらしき施設があるだけで、65人の住民がどこに住んでいるのかすらわからないほど何もない。
 したがって "Area-51 & ET Highway 観光" の目的地は、自動的にこの一軒の店 LITTLE ALEINN ということになる。

 ここでの観光は、"なぜこんな形で展示しているのかわからない珍妙な UFO" と、"エイリアンバーガー" だ。どこがエイリアンなのかよくわからないが、ここへ来てこれを食べないことにはお話にならないので、とにかく食べてみることをおすすめする。
 あとは UFO グッズや 宇宙人グッズ が並ぶギフトショップ、それに壁に貼られた UFOの写真や雑誌記事 (なぜか日本の雑誌も) などを見学すればすべて終わりだ。
 なお、こんな不便な場所なので、さぞかし値段が高いと思いきや、料理 (メニュー) もギフトグッズも予想に反してかなり安い。家賃がかからないといってしまえばそれまでだが、その良心価格はうれしい限りだ。
 参考までに、マグカップ $4.99帽子 $7.99、Tシャツ $7.99、ET免許証 $3.99、人形 $19.99 となっており、また、ここで宿泊する日本人観光客はまずいないだろうが、モーテル (部屋数7) の宿泊料金も $40 と、これまた安い。

 最後に、これは観光とは言えないが、ここに14年住むというこの店のオーナーの Pat Travis さん (写真右) の UFO談議は観光以上に楽しいかもしれない。
 「UFOを見たことがあるか?」 との質問に対して、間髪入れずに 「当たり前でしょう」 と答えたあと、得意げな遭遇体験談が延々と続く。本当に見たことがあるのか、それとも営業上そのように語らざるを得ないのか。いずれにせよ Pat さんの目は子供のように輝いていた。
 ちなみに今回の取材は UFOが一番出やすいとされる日没直前に行ったが、遭遇できなかった。こちらも Pat さん同様、「当たり前か」。

 行き方は、ラスベガスのホテル街から高速15号線の北行き (Salt Lake City 方面) へ乗り、ひたすら約 26マイル進むと (約25分。途中ダウンタウンの複雑なジャンクション を通過)、高速93号線に降りる出口が見えてくるので、そこで降りてその93号線を北へさらに約87マイル進む (時間にしてさらに約1時間20分)。375号線 (ET Highway) のスタート地点 (東端) に到着するので、そこからその 375号線を西へ 41マイル(約40分) 進むと Rachel に到着。
 ちなみに UFOが描かれた道路標識は、375号線のスタート地点と Rachel にある。ラスベガスから Rachel までの所要時間は、走行速度にもよるが、おおむね2時間半。距離は片道約 155マイル (約 250km)。高速道路はすべて無料。



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