週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2002年06月05日号
Darren Romeo が磨きをかけて再デビュー
 歌うマジシャンか、はたまたマジックができるシンガーか。

 26歳の若手パフォーマー Darren Romeo 氏が演じるアフタヌーンショー "Darren Romeo The Voice of Magic" が、先週 28日から、ミラージホテルの Siegfried & Roy シアターで始まった。

 内容は初めから終わりまですべてマジック一本槍で、ダンス、ジャグリング、アクロバット、コメディーなどは一切ない。
 ただ、その主役のマジシャンが、なぜかマジックの最中も終始歌い続けているところがこのショーの特徴で、また、その歌の実力も半端ではないところが興味深い。

 実はこの Romeo 氏、2年ほど前にフラミンゴヒルトン (現在はフラミンゴラスベガス) でもまったく同じタイトルのショーをやっていたが、興行成績が芳しくなかったのか、わずか半年ほどで打ち切りになってしまったという経緯を持っている。
 そんな彼がなぜ今になってラスベガスを代表する桧舞台 Siegfried & Roy シアターで復活できたのか。それはこの劇場の主ともいえるスーパースター Siegfried & Roy が彼を弟子として迎え入れたためだ。
 60才を過ぎ年齢的にマジシャンとしての峠を越えた Siegfried & Roy が、Romeo 氏を自分たちの後継者として考えているのかどうかは定かではないが、いずれにせよ、このシアターがホワイトタイガーショー以外に使われるのは極めて異例とのことで、Romeo 氏がラスベガスで一躍脚光を浴び始めたことだけは確かなようだ。

 Romeo 氏は年齢的に若いばかりか、アメリカ人としてはかなり背が低く、役者というよりはどこにでもいるような好青年といった感じで、少なくともその体型や風貌からはスーパースターとしての資質を感じ取ることはむずかしい。それでもキラリと光るものがあったのだろう。Siegfried & Roy は彼の実力を見抜き、短期間で一流マジシャンに育て上げた。
(写真: 左から Siegfried、Darren Romeo、 Roy)

 フラミンゴ時代の失敗があるだけに、いくら Siegfried & Roy がバックに付いていようとも、今回の公演もどれだけ続くのかだれもが気になるところだが、実際に取材してみた限りでは、今度は大丈夫だろう、というのが率直な感想だ。ひょっとするとこのままスターになってしまうかもしれない。そんな予感すら感じさせる内容だった。
 とにかくフラミンゴ時代に比べ腕に磨きがかかっているばかりか、舞台設備などもまるでレベルが違う。また演出の構成においても、前回は "歌って踊るモノマネ歌手&マジシャン" だったが、今回は "歌うマジシャン" 、つまり中途半端なモノマネやダンスをやめ、本格的なマジックに力を入れている分だけ、全体としての洗練度が大幅にアップしている。師匠の Siegfried & Roy がマジシャンであることを考えるとマジック重視は当然の結果か。

 マジックそのもののレベルも師匠に引けを取っておらず、ズバリその内容は、ホワイトタイガーショーに登場するタイガーを美女に置き換えた演出と考えるとわかりやすいだろう。つまり、美女を消したり出したり瞬間移動させたりする。さらにランスバートンなどがしばしば見せる小技を使ったマジックもあり、26才とは思えないほど芸は多彩だ。
 会場が同じためか、照明や煙の使い方なども師匠譲りで、料金の割りに非常にゴージャスな雰囲気が漂っている。時間が 1時間 15分とやや短めなことを除けば、ホワイトタイガーショーはもちろんのこと、他の高級ナイトショーにも引けを取っていない。それでいて料金は低めに抑えられており、コストパフォーマンスは極めて高い。マジックショーが好きな者はもちろんのこと、予算重視派の者にもぜひお奨めのショーといってよいだろう。

 公演は日曜日と月曜日を除く毎日 3:00pm。場所はミラージホテルのカジノフロアの奥にある Siegfried & Roy シアター。料金は $30 (税込み) で、それにはドリンク (劇場内でウェイターにオーダー) も含まれている。子供の入場制限は 5歳以上、ただし子供料金はない。全席指定席。チケットは劇場前のチケット売り場で 8:30am から 11:00pm まで買うことができる。


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