週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2018年 10月 17日号
ベネチアンとパラッツォにバフェ、ただし週末のみ
 ホテル選びは、旅行の計画を立てる際の楽しみの一つ。予算重視派の人もいれば、立地条件を優先する人もいるが、「せっかくの旅行なので」とのことで一番グレードの高いホテルを選ぶ人も少なくない。
 ラスベガスの場合、そのグレードに位置付けられているのは、一般的にはベラージオ、コスモポリタン、ウィン、シーザーズパレス、ベネチアン&パラッツォ(両ホテルは本館と新館のような関係で館内でつながっており、同じ会社による経営)といったところだが、有名な噴水ショーが宣伝効果を果たしているのか、日本人の間ではベラージオが圧倒的に人気のようだ。

Grand Lux Cafe  その次の二番手はベネチアン&パラッツォだろう。というのも、コスモポリタンはテーマが明確ではないからか日本人観光客の間での認知度が低く、ウィンは中心街から遠すぎ、シーザーズパレスは古い印象があるのか、それぞれ利用者は決して多くないからだ。(写真は、左手前に大きく写っているのがパラッツォ、右奥に小さく見えるのがベネチアン)

 そのようなわけでベネチアン&パラッツォはベラージオに次ぐ選択肢となっているようだが、このホテルには、ラスベガスにおけるダイニングの象徴ともいえるゴージャスなバフェ(食べ放題形式の飲食、つまり日本語でいうところのバイキング)がないことで知られており、それを気にする人も少なくない。
 かつてはテナントとして入居している個別のレストランがバフェをやっていたこともあったが、なぜかホテル直営のバフェは開業以来一度も存在したことがなく、バフェを楽しみにしている人からすると、「バフェ無し」はこの両ホテルの大きな欠点ということになる。

Grand Lux Cafe  そんななか、両ホテル内にある Grand Lux Cafe がバフェをやり始めたと聞いたので、さっそく行ってみた。(この店はベネチアン内にもパラッツォ内にも独立して存在。写真はそのバフェの宣伝)
 そのように書くと、「ホテル直営なのか?」と思われてしまうが、残念ながら直営ではない。やはりここもテナントだ。さらに、毎日やっているわけではなく、週末のみの営業で、なおかつ朝、昼、晩ではなく、ブランチタイムだけという条件付きだ。
 「だったら今までと似たような個別店の小さなバフェと変わらないじゃないか!」と言われてしまいそうだが、たしかにそのとおり。ただ、この Grand Lux Cafe はこの両ホテルにとって、通常のレストランとは異なる「通常以上の存在」なので、あえて取り上げてみたという次第。
 この店は、ベネチアンホテルがカジノ免許を最初に取得する際に必要だった「カフェ」なのである。(ここでいうところの「カフェ」の意味や定義は、先週のニュース記事 1032号の後半部分に掲載)
 さらに、新旧のレストランが目まぐるしく入れ替わるのが当たり前となっているラスベガスのホテル業界において、19年前のこのホテルの開業時から唯一存在し続けている店でもあり、このホテルのリピーター客にとっても思い入れがある店のはずだ。

Grand Lux Cafe  前置きはそのへんにして、とにかく両ホテルの重要なポジションにある店がバフェを始めたというわけだが、規模は期待してはいけない。店そのものはかなり大きなフロアを有しているが、通常のレストランと並行してバフェがおこなわれているため、バフェじゃない一般の客(食べ放題ではなく個別にオーダーする客)と場所と時間を共有する形になっており、食べ放題の客向けの飲食物が置かれている場所の広さは、他のホテルのバフェの数分の1ぐらいしかない。(上の写真は、パラッツォの Grand Lux Cafe のダイニングルーム。写っているのは全体の半分ほど。飲食物が置かれている場所は、この写真の左奥にかすかに見える小さな部屋)

Grand Lux Cafe  とはいえ、だれでも胃の大きさは限られているので、何十種類もの料理を食べられるわけでもなく、必要最低限のものはだいたいそろっていると考えてよいのではないか。ちなみに、好みの具材を選んで、自分独自のオムレツも作ってもらえる。(写真)
 ただ、前述の通り、ディナーではなく、あくまでもブランチであり、基本的にはエッグベネディクトなどの卵料理やフルーツなど朝食系の食べ物がメインで、ゴージャスなステーキやカキやカニなどのシーフードがあるわけではないことは、あらかじめ了解しておく必要がある。サラダバーも決して充実しているとはいえない。
 一方、フルーツやスイーツ類はブランチとしては必要十分といった感じで、時間の経過とともに新たなケーキ、タルト、クレームブリュレなどが並んでいたりするので、スイーツ好きは何度か陳列台に足を運んでみるとよいだろう。(下の写真はフルーツやスイーツを適当に盛り合わせてみたところ)

Grand Lux Cafe  料金は $24.95 と、決して安くはない。この金額は、こまかい数字を気にする者にとっては一考を要しそうだ。なぜなら、$13〜$20 程度で、トーストセット、ハンバーガーセット、各種パスタ、チキンなどの揚げ物類のセットといった、朝食として完結している料理をオーダーすることができるからだ。
 そこで検討しなければならないのが飲み物。バフェにはもちろん飲み物が含まれているが(おかわり自由)、個別の料理には、セットといえども、ポテトなどの付け合わせがセットになっているだけで、ドリンクは含まれていない。ちなみにコーヒーは $4.50、オレンジジュースは $6.50 なので、飲み物をオーダーすると似たような値段になってしまう。
 ここでオレンジジュースを例に上げたのにはわけがある。というのも、いわゆる「当店自慢の搾りたて特製オレンジジュース」で、知る人ぞ知る人気の絶品だからだ。一杯飲んだらもう一杯飲みたくなってしまう可能性が高いが、この $6.50 のオレンジジュースがバフェの場合は飲み放題となっているので、これを目当てに行く場合は、バフェのほうが割安ということになる。(オレンジジュースの撮影は失念)

Grand Lux Cafe  入店時に、食べ放題にするか普通にするか、現場スタッフに告げる必要がある。
 着席時にウェイターにもバフェであることを告げ、ドリンクをオーダー。あとは自由に料理を取りに行ってかまわない。(ドリンクだけはセルフサービスではない)
 なお、世界中でプラスチックの消費を抑えるトレンドになっているためか、オレンジジュースをオーダーしてもストローを持ってきてくれない可能性があるので要注意。
 支払いは、通常のバフェとは異なり一般客との共存なので、入口での前払いではない。食べ終わった際にウェイターに申し出ると伝票を持ってきてくれるので、席で精算することになる。
 高級シーフード、中華、和食などがあるわけではないので、料理的には特筆するほどのバフェではないが、他のホテルまで行く手間を惜しんだりする場合は、館内で食べられるという意味で、ベネチアン、パラッツォの宿泊者は覚えておいて損はない店だ。
 バフェの営業時間は土曜日と日曜日の午前6時から午後1時まで。Grand Lux Cafe 自体は24時間営業。


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