週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2018年 09月 19日号
巻き寿司の専門店もあるワンランク上のフードコート
Block 16  ラスベガスのホテル街にあるレストランの価格設定は総じて高い。
 「高級店が多いので仕方がない」と言ってしまえばそれまでだが、高級店ではなくてもかなり高いのが現実だ。
 結果的に、予算が限られている価格重視派の人は、ファーストフード店が軒を並べるフードコートばかりに行ってしまいがち。
 しかしフードコートに出店しているのは、ハンバーガー、ピザ、ホットドッグ、タコスなどのありふれた全国チェーン店が中心で、味的に飽きてしまいやすいばかりか、毎日利用するとなると、非日常性のない大衆的な時間と空間に包まれ、せっかくの旅行なのに気分は盛り上がらない。少なくともゴージャス感とは縁遠いランチタイムやディナータイムとなってしまうはずだ。
 「もうフードコートから卒業したい。でも本格的なレストランは予算的に...」と思ったりしたところで、願いどおりの店はなかなか見つからない。

Block 16  そんなときに使えそうなのが、8月31日にコスモポリタン・ホテルのレストラン街に出現した Block 16 Urban Food Hall
 「フードホール」となっているのは「フードコート」との違いを打ち出したいためと思われるが、たしかに内容も雰囲気も規模も一般的なフードコートとは異なっており、さしずめ「ワンランク上のフードコート」といった感じの場所だ。

Block 16  規模は小さく、名称の 16 という数字とは裏腹に、店の数は全部でたったの6軒。(Block 16 の意味は、あまりよろしくないので最後に説明)
 規模の小ささにガッカリしてはいけない。ここは量より質と考えるべきで、一軒一軒が個性豊かな店ばかり。ありふれた全国チェーン店など一軒もない。
 レイアウトも特徴的だ。通常のフードコートでは、中央の広いスペースにテーブルやイスが置かれ、その周囲に各店舗が配置されるのが一般的だが、この Block 16 では、通路に沿って並ぶ個々の店がそれぞれカウンター席を持ち、まるで屋台街といった感じの空間が形成されている。アジアの露店をモデルにしたとのことだが、なんとなくわからないでもない。

Block 16  気になる6店の顔ぶれは、ニューオリンズで人気のドーナツ&スライダー(ミニバーガー)の専門店、ナッシュビルで名を馳せるフライドチキンに特化した家族経営の老舗、サブウェイとは次元が異なると定評のポートランド発のサンドイッチ店、料理業界では有名な「ジェームズビアード賞」を受賞したポートランド発のタイ&ベトナム料理のファーストフード店、そして最後は我らがニッポン代表の巻き物と日本酒に特化した寿司店だ。なお6店目の、テキーラなどが飲めるメキシカンスタイルのバーは現在準備中で、まだ開業していない。

Block 16  上記の5店のすべてで食べてみたわけではないので、寿司店だけを紹介しておくと、店の名前は TEKKA BAR。もちろん鉄火場にかけてのネーミングと思われるが、何ともラスベガスらしくておもしろいではないか。といっても、このネーミングの妙は日本人以外にはわかるまい。
 ちなみにこの店は、ラスベガス、ロサンゼルス、ダラスで寿司店やラーメン店を多店舗展開している Mon Restaurant Group の経営なので、「実績のある店しか出店させない」というこの Block 16 のコンセプトに合致しているといってよいだろう。

Block 16  メニューは、基本的には手巻き寿司のみで、握り寿司はない。(テイクアウトメニューの場合に限り、人間による手巻きではなく、専用マシンによる「すだれ巻き」になる)
 手巻き寿司の種類は、鉄火巻、サーモン巻きなど全部で8種類。価格は一番安い野菜巻きが5ドルで、一番高いロブスター巻きが8ドル。その他は6ドルと7ドル。3種類セット、4種類セット、6種類セットの割引メニューもある。

Block 16  気になる味に関してだが、6種類を食べてみた限りでは、日本の寿司店と比べても遜色がないレベルで申しぶんない。
 実績のある店なので当然といえば当然かも知れないが、このレベルであれば、大多数の日本人は満足できると思われる。
 ただ、巻き物が1本6ドル、7ドルという価格設定は、デフレが続く日本の感覚からすると、かなり高いという印象は拭えない。それでも、世界に冠たる目抜き通り「ラスベガス・ストリップ」の一等地という高額な家賃やその他の経費を考えるとやむを得ないといったところか。(下の写真は、手巻き寿司を作ってくれたトニーさん)

Block 16  場所は、コスモポリタン・ホテルの2階にあるレストラン街の中。今までスポーツブックが入居していた場所だ。(スポーツブックは1階へ移動)
 営業時間に関しては、TEKKA BAR の現場責任者の北島さんによると、まだ Block 16 自体が開業したばかりなので流動的とのこと。現時点ではとりあえず午前11時から午後10時までとなっているが、金曜日と土曜日だけ営業時間を延長したり、また今後は24時間営業になったりする可能性もあるらしい。(下の写真は、この店の向かい側にあるギフトショップで売られている TEKKA BAR オリジナルのTシャツや帽子)

Block 16  最後に、Block 16 という名称について。これは 100年ほど前のラスベガスにおいて、売春宿サルーン(禁酒法時代よりも前の時代の醸造酒場)などでにぎわっていたエリアの区画番号のこと。
 現在の位置でいうと、ダウンタウン地区のビニオンズのすぐ北側で、カリフォルニアホテルのすぐ東側に面した一区画。(今は更地になっていて駐車場として使われている)
 そんな名前をこのフードホールに付けるとは、なんともこのホテルらしくておもしろい。
 ちなみに、このコスモポリタンホテルは開業当初、「Just the right amount of wrong」というスローガンを掲げて物議を醸したことがあるほど、「オトナの世界」をウリにしているホテルとして知られている。ちなみにそのスローガンには、「せっかくラスベガスに来たのなら、少々悪いこともしてみよう。犯罪にならない程度のギリギリのところまでならば大丈夫」といったニュアンスが含まれている。


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