週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2018年 08月 01日号
マジックショー Imaginarium、子供は無料
 先週のこのコーナーで、アダルト向けのナイトショーを取り上げたところ、「夏休みシーズンなので、子供も楽しめるおすすめのショーを紹介してほしい」とのメールが読者から寄せられた。
 すでに取り上げたことがあるショーではあるが、ちょうどよい家族向けのショーがあるので、それを改めて紹介してみたい。

デイビッドゴールドレイク  ショーのタイトルは Imaginarium。マジックショーなので語学力は不要であるばかりか、ベガス・デビュー1周年を記念してか、12歳以下の子供は無料となっているので、子連れファミリー族にとっては大変ありがたい。(ただし、おとな一人につき子供一人まで。5歳未満の入場は不可)
 会場はトロピカーナホテルで、初公演は昨年の6月末。数ヶ月以内に打ち切りとなってしまうショーが多い中、1周年を迎えられたということは、それなりの評価を得ている証といってよいだろう。

デイビッドゴールドレイク  演じているのは、ルクセンブルグ出身のマジシャン David Goldrake、44歳。
 「小さい国であるがゆえに、地元ルクセンブルグでは有名だが、アメリカではほとんど無名に近く、名前を売るのに苦労している」というのは、ベガス・デビュー時の本人のコメント。
 約1年が経過した今、少しは知名度が上がってきているように見受けられるが、昨年と同様、彼の名前はルクセンブルグ版のウィキペディアには記載されているが、アメリカ版には見当たらないので、まだまだ無名の域を脱していないようだ。
 ちなみに、そんな彼がベガスのステージに立つことができたのは、ベガス在住の人気マジシャン「シークフリード&ロイ」(2003年までミラージュ・ホテルでホワイトタイガーのマジックショーを演じていたデュオ。ロイがトラに噛まれ重傷を負った事故を最後に引退)と友人関係にあったからなどと言われているが、その真偽はともかく、とりあえず1周年を迎えることができたので、今後は徐々に存在感を増していくものと思われる。

デイビッドゴールドレイク  一年ぶりに鑑賞してみた印象だが、全体の出し物の中の約半分くらいは新しいものに置き換わっている。ただ、基本的なコンセプトは変わっておらず、マジックの種類としては、大掛かりな仕掛けを駆使したイリュージョン系の出し物が中心だ。
 それでも観客から預かった指輪をあやつるマジックなど、クロースアップ系がまったく無いわけではなく、またマジックとマジックの間にアクロバットを入れるなど、演目のバリエーションという意味ではかなり工夫がなされている。動物を使う演目はない。

デイビッドゴールドレイク  近代のマジック、特にイリュージョン系の出し物は、その考案者から道具や使用権を買ってマジシャンが演じる、つまり考案者とマジシャンの分業制で成り立っているため、他のマジックショーとまったく同じ演目に遭遇してしまうことはしばしばあることで、このショーも例外ではないが、現在ベガスで開催されているマジックショーでは見られない奇抜なイリュージョンもいくつか含まれているので、ベガス・リピーターでもそれなりに楽しめるはずだ。

デイビッドゴールドレイク  David Goldrake 自身のキャラクターを、ベガスで活躍してきたマジシャンにたとえるならば、いきなりタキシードと蝶ネクタイで登場するという意味でランスバートンに似ているように思えたが、その後はラフな服装で過激なイリュージョンに挑戦したり、上半身裸になり水中脱出を試みるワイルドな演出が中心になるのでスティーブ・ワイリックを彷彿とさせる。また、美女との空中浮遊などにおいてはリック・トーマスを思い出す。
 というわけで、スティーブ・ワイリックとリック・トーマス、それにほんの少しだけランスバートンを加えたようなキャラクターを想像すればよいのではないか。

デイビッドゴールドレイク  その他の特徴としては、冒頭で「語学力不要」と書いたが、他のマジックショーと比較するとトークの部分がやや多い。それでも、彼自身が英語を母国語としていないためか、話す速度がそれほど速くなく、日本人にもわかりやすい英語なので、語学力をあまり気にする必要はないだろう。
 もうひとつ気になったというか親近感を持てた部分は、旭日旗をイメージしたような舞台装飾だ。
 David Goldrake 氏自身、空手や忍術の経験があるなど、日本文化に少なからず興味を持っているようだが (公演中に「Origami」という言葉を発する場面もある)、そのためなのか、Side Show と題する演目のところで、舞台の背景が巨大な旭日旗のようなデザインになる。ベガスに居ながら 「日本」を感じさせてくれる一瞬であり、日本人にとっては悪くない。韓国や中国系の観客からクレームが入り、デザイン変更になったりしないことを祈るばかりだ。

 公演日時は、月曜日を除く毎日午後7時開演。チケット料金は、Mezzanine と呼ばれる後方の席が $49.99、General と呼ばれる一般席が $79.99。それに税やチケット販売手数料が加算されるので、実際にはもう少し高くなってしまう。
 なお、冒頭で触れた「12歳以下無料」についてだが、これはトロピカーナホテルのボックスオフィスで、おとなのチケットを定価で買うことが条件。つまり「おとなの有料入場者ひとりにつき子供ひとり無料」ということになっているので、子供であればだれでも劇場の入口を無条件で通過できるというわけではない。
 また、あらかじめ買っておいたチケットを提示しても、子供の入場チケットをもらうことができないので要注意。あくまでもボックスオフィスで、おとなのチケットを買う際に子供のチケットを受け取る必要がある。
 なお、子連れではない一般のおとなだけの場合、ホテル街に点在する Tix 4 Tonight などのディスカウント・チケットショップで、値引き販売されていることがあるので、そういったところを利用するのもよいだろう。


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