週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2018年 07月 25日号
「ちょい悪オトナの隠れ家」で「オトナの悪ふざけ」
 今週は、「そこまでやってしまっていいの?!」と、思ってしまうようなアブナイ演出だらけのセクシー系ナイトショー「OPIUM」を紹介してみたい。(成人向けのショーなので 18歳未満の入場は不可)

Opium  まずは会場の場所についてだが、ショーの内容が怪しげなら、会場もなにやら怪しい場所にある。
 コスモポリタンホテルの2階の奥まったところにひっそりと隠れるように存在している世にも不思議な名前のダイニング・スポット「Rose. Rabbit. Lie.」のとなりだ。
 この店と同じ入口のドアを開けて中に入って右側に進むと、「ちょい悪オトナの隠れ家」的な小さなステージがある。
 本当に小さい。直径3メートルにも満たない円形ステージだ。客席はそのまわりを取り囲むように約200席ほど用意されており、ここで夜な夜な大のオトナが羽目を外している。

Opium  演じているのは、知る人ぞ知る演劇集団 Spiegelworld だ。この劇団、2011年からシーザーズパレスでアダルト向けのショー「ABSINTHE」の公演を続けており、そして今回「OPIUM」を4月から始めた。
 「ABSINTHE」の意味はあのアブサン、つまりかつて欧米では製造が禁止された、麻薬のような中毒性の高い危険な酒。そして「OPIUM」の意味はアヘン、まさに麻薬そのもの。いかにもこの劇団らしいネーミングだ。

 実はこの劇団、2014年に「Vegas Nocturne」というショーを始めたことがあったが、タイトルこそ過激ではなかったものの(Nocturne は夜想曲もしくは夜景画)、内容において羽目を外しすぎたのか、さまざまな問題があったようで、わずか半年で終わってしまった。
 そんな経緯があって始まった今回の OPIUM、前作 Nocturne の反省があって少しはおとなしくなったのかと思いきや、もっと過激になっているから驚きであると同時に、「打ち切りになる前に、観ておかなければ損」と思いたくなるような内容なので、この種のショーに興味がある者は早めに観ておいたほうがよいだろう。

Opium  Spiegelworld のコンセプトはどのショーにおいてもアダルト、つまり成人向けの内容に徹しており、その部分はかなり一貫している。したがって、女性の役者がトップレスになることなど、当たり前のような演出だ。
 そのように聞くと、いわゆるストリップショーのたぐい、つまりダンサーが裸になって踊るショーを想像してしまいがちだが、ぜんぜんそんなことはない。ストリップショーとはまったく異なっており、アクロバットもあれば、コントもあり、さらにジャグリングもあれば、マジックもある。多彩ではあるが、どの演目もジャンルとしては平凡だ。
 そんなありふれた出し物でありながら、他のショーではあり得ないようなセックス・コンシャスな雰囲気を演出するところが、この Spiegelworld の真骨頂で、性的な表現という意味ではストリップショーよりもはるかに過激だ。また、すべての演目において笑いや意外性があるのもこのショーの特徴で、場内から常に笑いが絶えない。

Opium  役者の性別は、ストリップショーではないので女性ばかりということではなく、男女半々程度。体型も身長もさまざまだが、ほぼ全員がとぼけたようなキャラクターを演じる。
 とぼけているといっても、他のショーにありがちなピエロのような風貌でも振る舞いでもない。あえていうならば、とぼけたコメディアンのようなキャラクターといったところか。

 個々の出し物の内容を今ここで細かく説明してしまうと、観る楽しみがなくなってしまうばかりか、あまりにも性的に過激な演出が多く、それを文字にして表現するのは品位に欠けるので、内容説明はあえてしないこととするが、全体の設定としては、宇宙船に乗って地球を脱出した場面から始まる。
 といってもストーリー性などはほとんどなく、「地球の外だからこんなバカなことができる」とでも言いたげな設定で、宇宙船などはどうでもよく、とにかく何も考えずに役者と一緒に盛り上がればそれで十分だ。
 役者のトークは決して少なくないので、英語のヒヤリング能力が求められるところだが、まったく聞き取れなかったとしても、観ているだけで十分楽しめるので、あまり英語のことを気にする必要はないだろう。

Opium  余談になるが、ラスベガス観光局が世界に向けて発信しているこの街のスローガンは、アメリカでは知らない人がいないほど有名な「What happens in Vegas, stay in Vegas」
 直訳だと、「ラスベガスで起こることはラスベガスに残る」になるが、実際のニュアンスは、「ラスベガスであなたがやったことはラスベガスの外に出ることはない。人にいう必要もなければバレることもないので、少々ハメを外しても大丈夫。すべての思い出はラスベガスに残しておけばいい」といった感じのかなりアブナイ意味合いになる。
 そして、このコスモポリタンホテルがかつて掲げていたスローガンは、「Just the right amount of wrong」。これも直訳では意味が通じないが、そこに隠されたニュアンスは、「せっかくラスベガスに来たのなら、少々悪いこともしてみよう。犯罪にならない程度のギリギリのところまでならば大丈夫」といった過激なもので、さすがにこれは世間から批難を浴び、最近はあまり使われなくなってきているが、今でもこのホテルが、いわゆる「ちょいワル系」のアダルトにねらいを定めてマーケティングしていることは周知の事実だ。
 そんなこのホテルが、このミニ劇場を含む謎のダイニング施設「Rose. Rabbit. Lie.」に設定しているコンセプトは unconventional playground。実態に即して意訳するならば、さしずめ「悪ふざけのための型破りなオトナの隠れ家」といったところか。
 そんな場所での過激なアダルトショー「OPIUM」。この街、そしてこのホテルのこの会場だからこそ成り立つショーといってよいのではないか。

 公演は、木、金、土、日が 8:00pm と 10:00pm の2回。月と水が 8:00pm のみで、火曜日は休演。
 チケット料金は、一番安い席が $79 となっているが、それに税やら手数料などが加わり約$90。それよりも $20〜$30 高い席もあるが、会場が小さいので、特に高い席にする必要はないだろう。むしろ、フロアが少し高い段になっている一番うしろの席(安い席)のほうが、前の人の頭がじゃまにならず見やすい。
 会場への行き方は、コスモポリタンホテルのメインロビーに近い場所にあるエスカレーターで2階に上がって、食べ放題バフェィ「Wicked Spoon」を目指して進み、その一番奥。チケット売り場は、エスカレーターを上りきったところにある。18歳未満の入場は不可。


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