週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2017年 07月 19日号
ルクセンブルグのマジシャン、トロピカーナでベガス・デビュー
デイビッドゴールドレイク  先月末にトロピカーナ・ホテルで始まった新作マジックショー "Imaginarium" を観てきた。
 演じているのは、ルクセンブルグ出身のマジシャン David Goldrake、43歳。
(右の写真はトロピカーナ・ホテルの広告塔。明るく見える部分がこのショーの宣伝)
 本人いわく、小さい国であるがゆえに、地元ルクセンブルグでは有名だが、アメリカではほとんど無名に近く、名前を売るのに苦労しているとのこと。
 参考までに、彼の名前はルクセンブルグ版のウィキペディアには記載されているが、アメリカ版には見当たらないので、謙遜とかではなく本当に無名のようだ。

デイビッドゴールドレイク  そんな彼が、ベガスのステージに立つことができたのは、ラスベガス在住の人気マジシャン 「シークフリード&ロイ」(2003年までミラージュ・ホテルでホワイトタイガーのマジックショーを演じていたデュオ。ロイがトラに噛まれ重傷を負った事故を最後に引退) と友人関係にあったからなどと言われているが、その真偽はともかく、とりあえずベガス・デビューを果たし、地元メディアからもまずまずの評価を得ているようなので、知名度も今後は徐々にアップしていくものと思われる。

デイビッドゴールドレイク  マジックの種類としては、大掛かりな仕掛けを駆使したイリュージョン系の出し物が中心で、トランプやコインなどを使ったクロースアップ・マジックは少ない。
 それでも観客から預かった指輪をあやつるマジックなど、クロースアップ系がまったく無いわけではなく、またマジックとマジックの間にアクロバットが入るなど、退屈しないような 構成に仕上がっている。なお、動物を使う演出はない。

デイビッドゴールドレイク  近代のマジック、特にイリュージョン系の出し物は、その考案者から道具や使用権を買ってマジシャンが演じる、つまり考案者とマジシャンの分業制で成り立っているため、他のマジックショーとまったく同じ演目に遭遇してしまうことはしばしばあることで、このショーも例外ではないが、現在ベガスで開催されているマジックショーでは見られない奇抜なイリュージョンもいくつか含まれているので、ベガス・リピーターでもそれなりに楽しめるはずだ。

デイビッドゴールドレイク  David Goldrake 自身のキャラクターを、ベガスで活躍してきたマジシャンにたとえるならば、いきなりタキシードと蝶ネクタイで登場するという意味でランスバートンに似ているように思えたが、その後はラフな服装で過激なイリュージョンに挑戦したり、上半身裸になり水中脱出を試みるワイルドな演出が中心になるのでスティーブ・ワイリックを彷彿とさせる。また、美女との空中浮遊などにおいてはリック・トーマスを思い出す。
 というわけで、スティーブ・ワイリックとリック・トーマス、それにほんの少しだけランスバートンを加えたようなキャラクターを想像すればよいのではないか。

デイビッドゴールドレイク  その他の特徴としては、他のマジックショーと比較して、トークの部分がやや多いような気がしたが、彼自身が英語を母国語としていないためか、話す速度がそれほど速くなく、日本人にもわかりやすい英語であることはありがたい。
 もうひとつ気になったというか親近感を持てた部分は、旭日旗をイメージしたような舞台装飾。David Goldrake 氏自身、空手や忍術の経験があるなど、日本文化に少なからず興味を持っているようだが (公演中に「Origami」という言葉を発する場面もある)、そのためなのか、Side Show と題する演目のところで、舞台の背景が巨大な旭日旗のようなデザインになる。ベガスに居ながら 「日本」を感じさせてくれる一瞬であり、日本人にとっては悪くない。韓国や中国系の観客からクレームが入り、デザイン変更になったりしないことを祈るばかりだ。

 公演日時は、月曜日を除く毎日午後7時開演。なお 8月12日までの土曜日限定で午後4時にも公演を行うとしているが、確定ではない模様。
 チケット料金は $49.99 (税別)。ただし、実際には市内に点在する Tix 4 Tonight などのディスカウント・チケットショップで割引販売されているので、そういったところを利用するとよいだろう。

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