週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2016年 9月 21日号
Mac King コメディーマジック、金魚一筋 16年!
マックキング コメディーマジック  マジシャン、マック・キング(Mac King)のコメディーマジックショーが最近リニューアルされたというので観に行ってきた。

 ラスベガスにおけるマジックショーといえば、現れては消え、現れては消え、のくり返し。
 ステージ上に登場するハトトラのことではない。マジシャンそのものだ。つまり次から次へとマジシャンがデビューし、そして数ヶ月程度の短い公演のあと、集客難に耐えきれず、ベガスを去ってゆく。それだけ競争が激しく、生き残るのがむずかしいということだ。
 そんなきびしい現実があるなか、このマック・キングは 16年間も同じホテルでワンマンショーを続けているというから、もはやレジェンドの域に達しているといってよいだろう。

マックキング コメディーマジック  さてこのロングランのショー、初演以降、もちろん細かい部分は何度となく改良されてきたわけだが、まったく変わっていない部分、つまりかたくなに守り続けている伝統やこだわりもいくつかある。
 まずその代表は、マック・キングのトレードマークともいえる 金魚を使ったマジック を必ずやるということ。今回のリニューアル後の公演でもしっかりそれは継承されているので安心してよい。まさに 「金魚一筋 16年」 といったところか。
 ジャグリングやダンスなど、マジック以外の余興的な出し物を一切やらないのもこのショーの伝統的な特徴で、引き続き完全なワンマンショーに徹している。

マックキング コメディーマジック  もう一つ伝統的な特徴をあげるとすれば、それはマジックの規模。トラを消したり人間を切断したりするような大掛かりな装置を使ったイリュージョンは基本的にやらない。だからといって小物を使った小手先で演じるようなマジックが中心というわけでもない。その中間だ。
 「金魚は小物ではないのか?」 と言われれば反論に困ってしまうが、なぜかコインを出したり消したりするような、ちまちましたマジックには見えないところがこのショーの不思議な魅力で、それがロングランになっている要因のひとつなのかもしれない。
 ネタバレになってしまうので詳しく書くことはしないが、口から出したり入れたりするのは "小物" の金魚だけではない。このマジシャンはウサギのような中型動物も飲み込んでしまう。
 大型動物はどうか。実は "トラ""クマ" も登場する。もちろん飲み込むことはしないが、ビックリすると同時に笑える演出だ。
 とにかく大規模なイリュージョン系のショーの多くが、「それは別のマジシャンのショーでも見たぞ!」 と言いたくなるようなありきたりの演目ばかりをやっているのに対して、このショーでは、中規模サイズの他では見られないマジックにこだわっており、そのへんのポリシーは過去16年間まったく変わっていないといってよいだろう。

マックキング コメディーマジック  一方、変化している部分は、個々の演出のマイナーチェンジ、新作の導入、会場の昇格(同じホテル内の小さなステージから大きなシアターへ移動) などだが、それでも全体としての雰囲気やコンセプトは基本的に変わっていない。
 つまりこのショーはあくまでも 「コメディーマジック・ショー」 であり、すべての出し物が観客の笑いを誘うように工夫されているので、当地におけるマジック界の大御所 デイビッド・カッパーフィールド クリス・エンジェル などのショーとは趣を異にしている。
 なお、コメディー・マジックといえば、日本ではマギー司郎、マギー審司、ナポレオンズなどがその分野に該当しそうだが、彼らを見ていればわかる通り、コメディー系であるがゆえに、ある程度のしゃべりの部分が入ってきてしまうのはやむを得ないところ。
 そうなると気になってくるのが英語のヒヤリング能力ということになるが、そこはマジックというエンターテインメントの良いところで、トーク部分がわからなくても、演出の大部分は理解できるようになっている。
 「コメディーショーにマジックが加わったショー」 ではなく、「マジックをおもしろおかしくコメディー風に演じるショー」 と考えればわかりやすいのではないか。

 そのようなわけで、英語を理由にこのショーを避ける必要はなく、チケット料金も比較的安いので、万人向けのショーとしておすすめしたい。
 なお、このショーは ナイトショー ではなく アフタヌーンショー となっており、公演は日曜日と月曜日を除く毎日 1:00pm3:00pm 開演。
 会場はハラーズホテルのカジノフロアからエスカレーターで上にあがったところ。チケット料金は、発行手数料や税金などを入れて約40ドル。TIX 4 TONIGHT などの格安チケット店で安いチケットを探してみるのもよいだろう。

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