週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2016年 8月 10日号
子連れファミリーにおすすめ、「火を噴くカマキリ」
 一年以上も前から存在しているアトラクションなので、特に新しい話題ではないが、夏休みシーズンということもあり、子連れファミリー向けの手軽な無料観光スポットとして、「火を噴くカマキリ」 を紹介してみたい。

火を噴くカマキリ  名前はずばり The Mantis、ようするに ザ・カマキリだ。(写真右、クリックで拡大表示)
 設置されている場所は、コンテナパークの正門の脇。つまりダウンタウンの電飾アーケードの東端からさらに 300メートルほど東に進んだ地点ということになるが、リピーターなどには、老舗カジノホテル 「エル・コルテス」 のすぐ目の前といったほうがわかりやすいかもしれない。(コンテナパークに関するくわしい情報は、この週刊ラスベガスニュースの第879号に掲載)

火を噴くカマキリ  このザ・カマキリが豪快に火を噴く。その瞬間、周囲は炎からの強烈な輻射熱で熱くなるとともに、オレンジ色に染まる。
 ちなみに本体の大部分は高温に耐えられるように鉄板で作られており、一次元的なサイズは実物のカマキリの約150倍とのこと。三次元、つまり体積では約300万倍以上ということになる。
 航空宇宙工学のエンジニアを15年やったのち、鉄板アーティストに転向したという異色の作者 Kirk Jellum 氏によると、鉄板での加工が可能な範囲で、限りなく本物のカマキリの姿を忠実に再現してみたとのこと。
 そんな手の込んだ巨大なカマキリ、誕生したきっかけがおもしろい。結婚一周年の記念として妻へプレゼントするために作成したという。なんともアメリカらしい豪快な話だが、奥さんがこれをもらって喜んだかどうかは定かではない。(本誌はコンテナパークの責任者を取材しただけで、Jellum 氏には会っていない)
 ちなみに奥さんに嫌われたのか飽きられたのか、このカマキリは、ラスベガスと同じネバダ州の砂漠の中で毎年開催されるワイルドなフェスティバル 「バーニングマン」(知らない人はネットで検索されたし)の 2010年の大会会場に展示されたのち、売りに出され、コンテナパーク側が客寄せ用のアトラクションとして買い取ったといういきさつがある。

火を噴くカマキリ  さて火を噴く演出についてだが、現場のスタッフによると、時間的なスケジュールは 「毎晩日没後から約15分おきに夜11時まで。ただし金曜日と土曜日は深夜零時まで。1回の演出の時間は曲の長さによって異なり3分から5分」 とのこと。(なお、雨や強風など悪天候の場合は中止になることも)
 しかし、ここはアメリカ。何ごとにおいても時間に正確な日本とはちがい、このスケジュール通りに進行するとは限らないのが現実だ。
 といっても、ここの管理や運営がいいかげんで時間にルーズというわけではない。じつはこのアトラクション、ストリップ地区で人気の噴水ショーや火山のショーなどとは異なり、コンピューター管理になっているわけではなく、すべて手動による演出だ
 カマキリの胴体の中央部分に隠されるように設置された操縦席(右上の写真の右端)にスタッフが乗り込み、両手両足を使ってプロパンガスの噴出弁やオーディオ装置を操る。そして演出開始のつど、耐熱の迷彩服を着たり(観客に存在がバレないように、カマキリと同じような色の服を着用)、安全確認のためのプロパンガスのチェックや充填など、やるべき作業が多いので、多少の時間の遅れはやむを得ないというわけだ。特に猛暑の今の時期、スタッフの熱との戦いは限界に近いとのことなので、寛大な気持ちで見守ってあげる必要がある。

火を噴くカマキリ  ハイテク全盛のこのご時世、なんとも原始的な運営だが、逆にそれが人間味が出ていておもしろい。
 というのも、この演出は、担当スタッフが音楽に合わせて、カマキリの左右の触角から噴出する炎の大きさやタイミングを自由に決められるようになっており(右の写真のように、炎の大きさは左右可変)、一曲ごとに、そして担当スタッフごとに(4人が交代で担当) 異なるからだ。観客の動きなどを見ながらアドリブで進行させているさまは、まるでディスクジョッキーやドラム奏者のようなノリで、そこに手動ならではの面白さが感じられる。

火を噴くカマキリ  というわけで、ここまでに説明してきた以上のものでも以下のものでもなく、それに対して 「たったそれだけ?」 と言われてしまえばそれまでだが、子供向けアトラクションが減ってきている昨今のラスベガスにおいては貴重な無料アトラクションといってよいのではないか。電飾アーケードを見に行ったついでに時間があったら、ぜひ立ち寄ってみるとよいだろう。
 最後に注意を2つ。噴出される炎による爆音も光も熱も、写真で見るよりも遥かに強烈なので、小さな子供は泣き出してしまう可能性が高い。特に最初の一発目の噴出はおとなでもビックリするので、少なくとも最初の噴出の瞬間までは、ある程度離れた位置で待つようにしたい。
 そしてもうひとつ、前述の通り夜遅くまで見ることができるが、小さなショップや飲食店が軒を並べるコンテナパーク内への進入は、午後9時以降は、おとな同伴でも未成年者は不可となっているので子連れの人は注意が必要だ。

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